Ia型超新星爆発の理論の証拠となる発見 |
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| Ia型超新星爆発は、連星系をなしている白色矮星に相手の星のガスが降り積もり、ある限界を超えたときに起こる現象であると考えられている。ハッブル宇宙望遠鏡による今回の観測で、Ia型超新星の一つである「ティコの新星」の伴星と考えられる天体が発見され、これまでの理論が直接的に証明された。Ia型超新星は遠い銀河までの距離を推定する際に利用される天体でもある。 | |||
| Ia型超新星って何? | |||
| Ia型超新星っていうのは超新星の一種だょ。超新星っていうのは爆発によって突然星がものすごく明るく光る現象だょ。最も明るいときで-14等〜-19等(太陽の数億倍〜数十億倍の明るさ)にも達するんだ!!!(→等級) この超新星はスペクトル(光を波長に分けて(色に分けて)観測したもので、星表面の成分などがわかる)の違いによって分類されてるんだ。まず水素が見られないI型と水素が見られるII型に分けられる。そしてI型はさらに、珪素が見られるIa型、ヘリウムが見られるIb型、珪素もヘリウムも見られないIc型に分けられるんだ。 そのうちII型とIb型、Ic型は、太陽の重さ(質量)の8倍よりも重い恒星(→恒星)が燃料を使い果たして死ぬときに起こる爆発だょ。燃料がなくなって、それまで星を支えてきた中心部の核融合反応がとまると、反応でできた鉄の原子核がガンマ線(電磁波、光の一種)を吸収してヘリウム原子核と中性子になっちゃう逆の反応が始まるんだ。その反動で大爆発を起こすんだ。もともと恒星の核融合反応に使われていた水素が完全に使い果たして残っていないものがIb型やIc型で、まだ残っているのがII型なんだ。 Ia型は全く違うょ。 太陽の質量の8倍よりも軽い恒星は、同じように寿命を迎えると収縮をするんだけど、重力が小さいために鉄の原子核ができるまでには反応が進まない。だから超新星爆発を起こさずに死ぬんだ。で後に残った中心部は、白色矮星って呼ばれる小さな天体になってしばらく光り続けるんだ。 |
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| ここから本題のIa型の話なんだけど、右のやぎが描いた図を見てね。白色矮星の中には他の恒星と連星系(2個以上の恒星が互いに近くを回り合うもの)を作ってるものがある。図では左側の小さい天体が白色矮星で、右の大きい天体がその相手方の恒星だょ。お互いの周りを回り合ってるんだ。白色矮星の方が重力が強いから、隣の恒星からガスが白色矮星に向かって流れ込んでいるんだ。すると徐々に白色矮星が重くなっていく。そうすると内部のエネルギーが高くなって、一度は止まっていたはずの核融合反応が再び始まるんだ。つまりは一度死んだ星が一瞬息を吹き返すんだね!!!中心にある炭素原子核の核融合反応が突然暴走を始めて爆発するんだ。これがIa型超新星だょ。 | ![]() |
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| Ia型超新星は明るさが一定っていう性質があるから、遠い銀河までの距離を測るのに使われるんだ。明るさが一定だから、地球から見て暗ければ暗い程遠くにあるってことだよね。銀河の中にIa型超新星が発見されれば、その明るさを測定して銀河までの距離を計算できるってわけさ。超新星はものすごく明るいから遠い銀河までの距離を測るにはもってこいなんだょ。 | |||
| 「ティコの新星」ってどんな天体? | |||
| 16世紀の天文学者ティコが、1572年11月11日に突然光り出した天体を発見したんだ。これが「ティコの新星」だょ。そしてその後の観測でIa型超新星に分類されてるんだ。 今回のハッブル宇宙望遠鏡による観測とその後の他の観測で、この「ティコの新星」と連星系をなす伴星が発見されたんだ。Ia型超新星爆発が起こる仕組みは今まで直接証明されたことはなかったから、今回初めて証明されたことになるね。 |
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| 下は「ティコの新星」の画像。左側は可視光の画像とチャンドラX線天文衛星が撮影したX線画像を合成したもの。爆発で吹き飛ばされたガスが球状に広がってるのがわかるよね。その□で囲った部分をハッブル宇宙望遠鏡が捉えた画像が右側。右側の写真のTycho Gっていう天体が今回発見された「ティコの新星」の伴星だょ。この天体は周りの星よりも速いスピードで宇宙空間を動いていることから爆発で吹き飛ばされたって考えられてるょ。(提供:NASA, ESA, CXO and P. Ruiz-Lapuente (University of Barcelona) | |||
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