★★★



「ジョンったら、もっとあっち寄れよ。」
眠い目を擦りながら、隣で豪快に眠る大男を押しやる。
「ううん?」
押しやられた男は、訳も分からず生返事をして
ベッドの隅でまた気持ちよさそうに睡眠を貪る。
自分のスペースを確保出来た事に満足した彼は、
シーツにくるまってぬくぬくと眠りについた。

翌朝。
「へーっくしょいッ!!」
人が吹き飛びそうな程のくしゃみをし、
恨めしげな表情で鼻を啜るのはジョンと呼ばれていた男ブラッドショー。
そのくしゃみに驚いて目を覚ましたのは、陣地を勝ち取ったクリス・ジェリコ。
「どしたのさ、ジョン?」
ティッシュを何枚も掴んでは、
うるさい程の音量で鼻をかむブラッドショーにジェリコは首を傾げる。
「お前、昨日俺のシーツひっぺがして寝ただろ!」
文句を言いながら、彼はまたくしゃみをする為に顔を歪めた。
「ハックション!」
ジェリコが突然力一杯叫び、ブラッドショーはその姿にくしゃみを忘れて目を丸める。
「くしゃみ、先に他のヤツがすると止まるだろ?」
ジェリコはニヤリと笑い、言葉を続けた。
「テキサンでも風邪ひくんだな。もっと頑丈に出来てるんだと思ってたよ。」
風邪ひく程デリケートとは…と笑う彼に、
ブラッドショーはふてくされて枕を投げつける。
そんな彼の姿を見てひとしきり笑うと、ジェリコは彼の首に腕を回した。
「嘘だよ、ごめんね。今日は一日寝てていいよ。」
ベッドに腰を掛け、額に軽くキスを落とす。
こんな所がクリスの憎めない所なんだと、ブラッドショーは軽い幸福に眩暈を覚えた。
まるで母親のようにブラッドショーをシーツにくるむと、彼は胸を張って宣言した。
「そうだな…今日は俺を、ドクター・クリスと呼ぶがいい」
妙に楽しげなジェリコを見て、
今日は何を言っても無駄だと悟ったブラッドショーは大人しくベッドに潜り込む。
一瞬幸せだと思った自分を、悔しいと思いながら。

ドクター・クリスがご機嫌で鼻歌を歌うのを聴きながら、
どれくらい寝ていたのだろうと身を起こす。
まだそれ程時間は経っていないようだ。
一日がまだ終わる様子を見せない事に、複雑な気分になる。
物音の感じからすると、ドクターはこれから買い物に行くらしい。
ドアがバタンと閉まり、部屋の中が急に静かになったのを寂しく思いながらも、
風邪をひいた時に誰かが付きっきりで看病してくれた事など、
何年ぶりだろうと思いを馳せる。
と、そこでまた眠ってしまったらしい。
次に意識を取り戻した時、ドクターはシェフに変身していた。
「ハーイ、ご飯ですよ。クリームパスタです。」
てきぱきとベッドテーブルを設置し、
その上に皿やらフォークやらを置いて満足げなシェフ。
「これ、TVディナーじゃねぇの?」
眉をつり上げるブラッドショーに、
シェフは一瞬黙り、そのままリビングへ消えていった。
触れてはいけない問題だったらしい。
戻ってきた時には、別の皿にリンゴを盛って得意げに立っている。
「パティシエ特製、ウサちゃんリンゴです。」
不揃いのウサギが、ブラッドショーを見つめていた。
そこで彼は、ふと疑問を抱いた。
「おい、このウサギの目。何かで描いたのか?」
パティシエ(元シェフ)は「ニカッ」と音が出そうな笑顔と共に
ポケットから赤いペンを取りだした。
「オイオイ…そんな」
冗談だろ、と言いかける彼の反応に満足したように、
パティシエは嘘だよと微笑んで見せた。

今日ため息をつくのは何度目だろうか。
食事を終えると、なるべく深く考えないようにしつつ、
ブラッドショーはまたベッドに潜った。
ようやく眠りについた頃、ドクター(元パティシエ)が回診にやってきた。
「はい、お薬の時間です!」
ドクターは何故か、やたらと元気である。
「先生、眠りたいんですが」
患者の要求など軽く退け、ドクターは薬とグラスを差し出す。
何の薬なんだろうかとつまんで眺め、ブラッドショーはそれをドクターに投げつけた。
「お前これ、座薬じゃネェか!」
ドクターは腹を抱えて馬鹿笑いし、またリビングへと姿を消す。
「お前、俺の弱り目に楽しみすぎだぞ!無駄な労力使いやがって!!」
涙を拭きながら現れたドクター、今度はちゃんとした薬を持ってきたらしい。
ブラッドショーは、ここでやっと睡眠をとる事に成功したのである。
多少おかしなシーンがあったものの、彼は食事を摂り、薬も飲んだ。
これはジェリコのお陰だと言うしか無いだろう。
ふわふわと漂うような、何か暖かい夢から覚めると、
リビングからは歌声が漏れてきていた。
「ジョンが病気だとツマンナイな〜、早く元気になればいいのに〜」
適当な歌詞に適当なメロディーだが、彼の耳には心地よい。
誰かが自分の事を想ってくれているのが、嬉しいのかもしれないな…とも考える。
一緒にどこかに行ったわけでも、何か特別な事をしたわけでもない、
ただこうして寝ていた一日。
それでも思い返すと、なんだか無性に幸せな気分になる。
機嫌の良さそうな鼻歌、大して旨くもないTVディナー、
不器用ではあったがご丁寧に食紅で目まで描かれたウサギリンゴ、
即席の歌声、得意げな笑顔。
夢うつつに、ベッドの片側に人が腰掛けるのを感じる。
彼はブラッドショーの手を握り、静かに優しい声で話し掛けた。
「いつかは俺が介抱してもらったんだよね。ジョンが寝てると寂しいよ。早く良くなって。」
ゆっくり手の甲に口づけ、その手をシーツの中に潜り込ませた。
ブラッドショーは夢に落ちる直前、一瞬だけその手を握り返した。
クラクラするような幸福感に見舞われ、
こんな一日も悪くないじゃないかと思いながら。

★★★



はいはいっ!頂いてしまいましたよう!いや〜〜〜ん!!
ジェリコ看病お返し編!いや〜〜〜!超ラブラブ!
お返しって言ってもジェリコが風引かせてますからね!(笑)
な〜〜んてかわいいんでしょ、この小悪魔!
超可愛いっす…もう。
小悪魔じぇりこ&弱り気味じょん…もうオイし過ぎですわ…。
ラブラブですね、ほんとに!
え〜と、じぇりこがペンで目書かなかったことに安心したのは
じょんだけでなく私もであります。

どうですか?こんな2人の生活は?
日本語版RAWマガのじょんの病床(?)生活読んだ後だったので、
ソレを介抱するじぇりこの様子がよりリアルな妄想となって
目に浮かびますわよ。(笑)
やっぱ小悪魔ですよね〜、彼のキャラは!
ホントにもう、タマらないんですが!

もうほんと毎度ありがとうございます、ゆきえさん!
ここは既にコレクション置き場となっております!
たまんねっす…。
頂いてばっかですみませぬ!ありがとうございました〜〜!
うひひ!!




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