RAW&SMACKDOWN共催の特番当日、選手は全員召集を受けて会場へ集まっていた。
顔を紅潮させながら、ジェリコはいち早く荷物を置いて会場内へと飛び出す。
何かを探しているのだろうが、敢えて誰にも何も聞かない。
口をギュッと閉じたまま、しかし口元がほころぶのを抑えきれずについ笑顔を見せる。
「機嫌良さそうだな、何かあったのか?」
覗いた先の人々が、彼の様子を見ては訊ねてくる。
「別に、何にも」
どこからどう見てもご機嫌そのものだが、ジェリコは秘密を抱えたいたずらっ子のように
ニヤリとうそぶいては姿を消してしまう。
スキップせんばかりの勢いで角を曲がると、彼は大きな陰に正面衝突した。
「大丈夫ですか?」
声の主は、目下欠場中のリーガルだった。
「げ、何だよ」
まだ何も言われていないというのに、ジリジリと後ずさるジェリコ。
リーガルが何かを察して眉をつり上げるや否や、彼は方向転換して今来た方向へと
猛ダッシュで逃げて行った。
「ははーん、なるほどね」
リーガルは1人呟くと、彼もまた何かを探して姿を消した。
ジェリコが探し回るのに飽きた頃、それはやっと見つかった。
ぽつんと置かれたボロボロのドア、その向こうにはテーブル、葉巻、ビール。
そして他でもない、ブラッドショーが座っている。
「…見つけた…」
周囲の喧噪でかき消えてしまいそうな声を、ブラッドショーは聞き逃さなかった。
「よお、開いてるぜ。入れよ。」
かつてと何も変わらない仕草で、自分の隣を顎で示す。
ジェリコもまた、変わらない様子でオフィスに足を踏み入れる。
「どうだ、最近なんか面白い事あったか?」
いつものような、ロンとジョンのいい加減な会話が始まる。
「アレ見た?ランスがゴールダストの化粧してさー」
「ああ、あれは笑ったな。ビールだいぶ吹き出したぞ」
そんな他愛もない話をしながら、ジェリコはどっぷりと幸せに浸る。
当たり前だった光景が、-互いの報告をしなければならないのは多少面倒だし
悲しい気分ではあったが-もう二度と戻らないと思っていた光景がここにあって
その中にまた、自分が居る。
「はー」
「なんだ?」
「幸せのため息」
それを聞いて笑ったブラッドショーの声に、ジェリコは戻って来たんだと実感する。
「失礼します、ドリンクをどうぞ」
小柄な男性がちょこまかと、嬉しそうな顔でソフトドリンクを出してきた。
「ありがと。君がブルースだね、よろしく。」
ジェリコが拳を差し出すと、彼は遠慮がちに自分の拳をぶつけた。
「ソフトドリンクも置く事にしたんだ。新サービス?」
ブラッドショーが首を傾げたその質問には、ブルースがまた嬉々として答えた。
「今日だけ特別でございます。リーガル様より差し入れを頂いたのです。」
それを聞いて、ジェリコがウンザリした顔を見せる。
「ホントにもう、勘だけは良いんだから。」
「良い方です。私は知らずにビールを出してしまう所でした。」
にこにこするブルースに毒気を抜かれ、3人は力無く笑った。
何故笑われているのか解らないブルースは、気にせず笑顔でビールの補充へ出掛けていった。
「俺も、ちょっと…おトイレ」
おもむろに立ち上がると、ロンもまたドアから姿を消した。
人数が減り、急に静かになったオフィスでジェリコが口を開く。
「最近さ、面白いっていうかー、良い事があったんだよ。」
ブラッドショーは、黙って言葉に耳を傾ける。
ジェリコは、彼が反応せずとも自分の言葉を聞き逃さない事を知っている。
しかしちょっとばかり派手に足を踏みならし、両手を拡げた。
「馴染みの事務所が再開したんだ。」
■
いやあ。
ああ、って思いませんでしたか?
私は思いました。なんつうか、ああ、なんかやっと、自分の中で切なくなくなったと。
つうか、FICでなんですけど、やっぱこんな展開がだったらな、なんて。
すごいなんか嬉しくなりました。
何なんでしょうね、すごいこのFIC頂いて読んで、安心したんです。(笑)
単純と、言いたければ言え。
PPVが共催のときって、ほんとにもっとお互いの番組に絡んでもいいと思うんだけどなー。
共催のときに、APAオフィスが出てきたら最高だろうに。
実は、このFIC頂いて少しだけ時間が経っております。
改めて読ませて頂いて、やっぱ、良い!(じょんのロン真似風に)
ほんとにもう、おトイレとか言ってる場合じゃありません。
ゆきえさん、またまたありがとうございます!
JJ祭【11X9/2003】の第一弾アップとさせて頂きました!
数少ない私の癒しの一つです。
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