忘備録・・・                      MENUへ戻る    


望遠鏡の性能・用語等に関するメモ
  望遠鏡の倍率
  分解能と解像力
    分解能と解像力
    望遠鏡の分解能
    低倍率望遠鏡で見分けられる限度
  望遠鏡の倍率の限界
  望遠鏡で眼視観測をした時の限界等級
  焦点撮影での画角

 望遠鏡の性能・用語等に関するメモ
本項は、望遠鏡等の性能、用語等に関し、種々の資料から抜き出して、自分で理解し易いようにメモした個人的な防備録です。 
参考とした資料、図書類 (著者等の敬称略)
 @ 新版 屈折望遠鏡光学入門 (吉田正太郎著・誠文堂新光社)  
 A 新版 反射望遠鏡光学入門 (吉田正太郎著・誠文堂新光社)   
 
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望遠鏡の倍率 
墓苑鏡の倍率とは、望遠鏡を通してある物体を見る時の視角が、直接肉眼でその物体を見る時の何倍になっているか、という比率の事を[倍率]という。 (ただし、視角は十分に小さいものとする)
例として、ある夜の木星の視直径が40”だったとして、これを倍率60倍の望遠鏡で見ると、 
 40” × 60 = 2400” = 40’ となり、視直径40分に見える。

一般に、望遠鏡の倍率は、対物レンズの焦点距離を f1 、接眼レンズの焦点距離を f2 とすれば倍率mは、
 m = f1/f2  とあらわされる。    f1=600mm、 f2=10mm とした場合、 m=600/10 =60倍となる。

しかし厳密には、無限遠に調節した目で見た場合で、1mのところを見るよう調節した目で見ると、
 m = f1 × ((1/f2)+(1/1000mm))  となり、 f1=600mm、 f2=10mm とした場合、 m=600×((1/10)+(1/1000)) =60.6倍となる。
また、近視の場合には目のレンズが凸側に影響し、接眼レンズの焦点距離が短くなる効果となり、倍率は上がり、
逆に遠視の場合には凹レンズ効果として影響し、接眼レンズの焦点距離を長くする効果となって、倍率は下がる事になる。

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分解能と解像力 
分解能とは望遠鏡で見分けることのできる限界で、光波の回折によるものをいい、望遠鏡では接近した二重星を見分けられる角度を秒の単位であらわす。
 (光学の世界ではラジアンの逆数で扱うらしい・・・)
一方、収差、光軸の不一致、制作不良その他の原因による解像限度は
解像力といい、地上望遠鏡、双眼鏡、写真レンズ、フィルムなどに使われ1mmのなかに何本の線が見分けられるかという形であらわす。

※ 分解能は光の波動性に原因があるので原理的に限界があるが、解像力の方は光学設計、ガラス材質、工作精度などにより改良の余地がある。
 
望遠鏡の分解能 
 (レーリーの分解能 理論値
 単色光、同色、等光の二重星があるとして一方の星の回折像の第1極小が、他方の星の第1極大に一致する時が見分けられる限界と定義し、これをε1とすると、

 ε1 = 2×0.609835× λ/φ  となるので、
 単位をラジアンから秒になおすと(206264.8 を掛ける)、
 ε1 = 251575” × λ/φ となる。
 (ただしλ=光の波長、φ=レンズの有効径、0.609835=第1極小の半径)

 ここで肉眼が暗いところで敏感なλ=507nm を代入すると、 (明るい昼間で感度がいいのは 555nm 付近)
 分解能の理論値ε1は、  
 
ε1=127”.5 /φ となる。  
 (ただしφは対物レンズ有効径をmmで測った値)  

 この場合2星を合成した明るさは左図の点線となり、
 2星の中間にできる暗い谷の明るさは山頂の明るさの75%となる。

@見分けられない 
Aスパローの限界(見分けられない限界)
Bレーリーの分解
C楽に見分けられる  
(ドーズの実験式)
 一方、イギリスのドーズは等光の5等星を使ったたくさんの観測の結果、口径1インチにつき4”.56という分解能を得て、これを採用した分解能ε2は、
  
ε2=115”.8/φ となる。 

 一般にはこの実験式が用いられ、これは上図のAとBの中間にあたる。
低倍率望遠鏡で見分けられる限度 
低倍率の望遠鏡で見分けられる限度は、肉眼の視力と望遠鏡の倍率で決まる。
肉眼の視力は60”離れた2点を見分けられる視力を1.0と定義している。  (見分けられる限界が30”なら視力2.0、限界が120”なら視力0.5)
健常眼では視力1.2が普通で、これは50”まで見分けられる事を意味している。
したがって健常眼の人が倍率mの望遠鏡で見分けられる限度ε5は、
 ε5 = 50” / m   となる。

※1 実際にはε2(ドーズの実験式の値)とε5の大きい方の値が、その場合の分解能となる。
※2 視力は、 視力=視角の逆数で定義されている・・・・らしい。
   視角1度(60')に対する視力が1.0、 視角0.5度(30')なら視力は1/0.5=2.0、 視角2度(120')なら視力は1/2=0.5
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望遠鏡の倍率の限界 
健常眼に必要な最低倍率 m1 
     望遠鏡の実験的な分解能ε2は、対物レンズ(あるいは対物鏡)の有効径で定まる。  (ε2=115”..8/φ)
視力1.2の健常眼の場合、50”まで見分けられるので、ε2を確認するのに必要な倍率をm1とすると、
 m1 = 50”/(115”.8/φ) = 50”/115”.8×φ = 0.432φ   となる。

すなわち、健常眼の人が望遠鏡の
分解能まで観察するためには、少なくとも0.432φの倍率が必要。
 (口径60mmなら26倍、口径120mmなら52倍となる。 ) 

※ この倍率以下では使えない、という事ではなく、「この倍率以下ではその口径の望遠鏡が持っている分解能が発揮できない」 だけで、害は無いはず・・・。
有効倍率 m2 
     しかし上記のm1は健常眼の人が望遠鏡の分解能まで観察するのに必要な最小限度の倍率であって、楽に観察できる為には見掛け視界で2’あたりが良いとされ、また暗い物体では4’くらいが良いとされている。
ここで2’(=120")を採用すると、
 
m2 = 120”/(115”.8/φ) =120”/115”.8×φ
    =
約1.0φ となり、対物レンズの有効径のmm数と同じ倍率となる。

※ 有効倍率m2の時は、ひとみ径が1mmで、光明度が1でもある。
   また、「暗い物体」の4’で計算すると約2.1φになるので、これが「倍率は上げても口径の2倍程度まで」と言われる根拠のひとつかも・・・。 (まあ、経験値だろうけど)  
最低倍率 m3 
また最低倍率にも限界があり、瞳孔の直径(若い人で最大7.25mm、中高年で5mm程度)を元に、
 m3 = φ/7  となる。 
これより低い倍率では望遠鏡から来る光の一部が目の瞳孔からあふれて無駄になる。
眼の瞳孔が有効絞りとなるので対物レンズの有効径は、倍率×7 となり、これに伴って極限等級も分解能も低下する事になる。)
 (口径60mmで8.6倍、口径120mmで17倍程度) 

※ これも、m3以下では使えない、という事ではなく、「せっかくの口径が無駄になる」 だけで、害は無いはず・・・。 
重星用過剰倍率 m4
有効倍率m2より大きい倍率は過剰倍率と呼ぶ。
過剰倍率を使っても目標物の細部が見えてくる訳ではないが、明るさが十分あれば観測を快適にできる場合もある。
また、口径80mm以上の望遠鏡では、次の式で計算された倍率m4が適当という説もある。(レウィス)
 m4 = 28×√φ
 (口径120mmの場合、約307倍) 
 
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望遠鏡で眼視観測をした時の限界等級 (2012.08.04 修正) 
天体望遠鏡を使って見ることのできる最も暗い恒星の等級を、その望遠鏡の限界等級という。 (「天文年鑑」による。)
限界等級 mt = 肉眼での限界等級 me +5 log (望遠鏡の有効口径 φt/瞳孔の直径 φe)

例1 肉眼限界等級=7.0等、瞳孔直径=7mmとした場合
口径 (mm) 7 10 15 20 25 30 32 36 40 42 45 50 52 60 67 80 82 85 102 106 120 130 150 210 250 300 400 500
肉眼限界等級への加算値(等)  0.0  0.8  1.7  2.3  2.8 3.2 3.3 3.6 3.8 3.9 4.0 4.3 4.4 4.7 4.9 5.3 5.3 5.4 5.8 5.9 6.2 6.3 6.7 7.4 7.8 8.2 8.8 9.3
極限等級 7.0 7.8 8.7 9.3 9.8 10.2 10.3 10.6 10.8 10.9 11.0 11.3 11.4 11.7 11.9 12.3 12.3 12.4 12.8 12.9 13.2 13.3 13.7 14.4 14.8 15.2 15.8 16.3

例2 現実的な瞳孔直径=5mmの場合で、肉眼等級を5等星までとしても何等まで暗い星が見えるか
口径mm 7 10 15 20 25 30 32 36 40 42 45 50 52 60 67 80 82 85 102 106 120 130 150 210 250 300 400 500
肉眼限界等級への加算値(等)  0.7  1.5  2.4  3.0  3.5  3.9  4.0  4.3  4.5  4.6  4.8 5.0 5.1 5.4 5.6 6.0 6.1 6.2 6.5 6.6 6.9 7.1 7.4 8.1 8.5 8.9 9.5 10.0
極限等級 5.7 6.5 7.4 8.0 8.5 8.9 9.0 9.3 9.5 9.6 9.8 10.0 10.1 10.4 10.6 11.0 11.1 11.2 11.5 11.6 11.9 12.1 12.4 13.1 13.5 13.9 14.5 15.0
  

 
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直焦点撮影での画角 (2012.08.04 修正) 
対角線画角=2 x tan-1 (撮影画角の対角線長さの1/2 / 焦点距離)   ・・・注: 下の表は対角線でなく横サイズで計算。

1.各フォーマットにおける焦点距離と画角(度)
 
 焦点距離(mm) 20 28 50 100 175 200 255 327 355 374 450 500 600 680 1,360 2,415
35mm版・横 36mm 83.97 65.47 39.60 20.41 11.75 10.29 8.08 6.30 5.81 5.51 4.58 4.12 3.44 3.03 1.52 0.85
APS-C(Ni)・横 23.6mm 61.08 45.70 26.56 13.46 7.72 6.75 5.30 4.13 3.81 3.61 3.00 2.70 2.25 1.99 0.99 0.56
フォーサーズ・横 17.3mm 46.78 34.33 19.63 9.89 5.66 4.95 3.89 3.03 2.79 2.65 2.20 1.98 1.65 1.46 0.73 0.41

2.APS−C (Nikon) における、各焦点距離の画角 度・分・秒 の値
 焦点距離 (mm)  20 28 50 100 175 200 255 327 355 374 450 500 600 680 1,360 2,415
61.1 45.7 26.6 13.5 7.72 6.75 5.30 4.13 3.81 3.61 3.00 2.70 2.25 1.99 0.99 0.56
43.1 31.5 18.0 9.03 5.17 4.52 3.55 2.77 2.55 2.42 2.01 1.81 1.51 1.33 0.67 0.37
3,665 2,742 1,593 808 463 405 318 248 228 217 180 162 135 119 60 33.6
2,586 1,891 1,077 542 310 271 213 166 153 145 121 109 91 80 40 22.5
219,892 164,534 95,608 48,454 27,774 24,311 19,076 14,880 13,707 13,011 10,815 9,734 8,112 7,158 3,579 2,016
155,189 113,443 64,645 32,522 18,610 16,286 12,776 9,964 9,179 8,713 7,241 6,517 5,431 4,792 2,396 1,349

3.APS−Cにおける、各焦点距離直焦点で、月を写せる大きさの割合。 (ただし平均視直径の場合)
 
 焦点距離 (mm)   20  28  50  100  175  200  255 327 355 374 450 500 600 680  1,360 2,415
APS-C(Ni)・横   23.6mm   0.8%   1.1%   2.0%   3.8%   6.7%   7.7%   9.8%  12.5%  13.6%  14.3%  17.2%  19.2%  23.0%  26.1% 52.1% 92.5%
APS-C(Ni)・縦  17.3mm 1.2% 1.6% 2.9% 5.7% 10.0% 11.5% 14.6% 18.7% 20.3% 21.4% 25.8% 28.6% 34.3% 38.9% 77.8% 138.2%
FS−60Q                           
SE102                                 
SE120                                 
FSQ−85                         x2  
μ−120                                 
 注: 月の大きさは 平均視直径 0.518 度≒1,865秒、視半径では 932 秒 として算出。
   ただし、月の軌道平均離心率は0.0548799なので、. 月の視直径も平均視半径の±5.5%程度(1,732〜1,966秒) の範囲で変化する ・・・はず。
   しかし、2012.5.5 のスーパームーンでは普段より 14% 大きく見えたとされている。 (実際、大きく見えた。) 
 
 
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