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あくまでも俺の意見ですので、みなさんの考えもお聞きしたいです。
1.なぜパリに住むの? この言葉を行く前に会う人会う人皆に聞かれてるうちに、スキャンダルで追い掛け回されていつも質問攻めに遭う芸能人の気持ちが分かって、少し同情してしまう。だってすごく大それた理由なんかないんだもん。「フランスの芸術を」とか「フランスでデザインする」とかそういうかっこいい理由は一切ないから。ただ「海外で生活するってどんなもんなのか?」。最初はアメリカ西海岸とパリとどっちがいい?ってかみさんが聞くから、おれはパリがいいって言った。パリはおととし旅行で来てやっぱり良かった。街並きれいだし、凱旋門とセーヌ川とエッフェル塔さえあればいいやって感じだった。でとにかく会社辞めて行こうって事になった。もし中目黒の2Kの部屋の生活をパリで行ったらどうなんだろうか。ほんとにそれだけなんだよね。ただ一つだけ目標があるとしたら、それは言葉。とにかく全くしゃべれないのに来ちゃったってことが最大のネック。と、いうわけで語学学校に通うことにした。コミュニケーションできないのはかなりつらくなるからね。なんとしても最低レベルのヒアリング&会話が出来るようにならないと。それと半年滞在するためには何かしらのビザを取得しないと、こちらで滞在許可証を取れなくなる。で、僕たちは学生ビザで滞在申請することにした。今のフランスは不景気で就労ビザなんかで滞在許可はなかなかもらえないみたい。それにアルバイトしようと思ったら2年目からなんだって。ま、今やってもたぶん大っぴらにやらなきゃわからんとは思うけど。無理する気もないんで、でもマジ困ったらやるかもしれないけど。とにかくパリで生活してみて、フランス人の考え方とか暮らしが見えてくると今度は「ここで日本人でいること」がどういう事なのかが見えてきそうなんだよね。パリも東京も変わらない事はあるだろうし、大きく違うところもあるだろうし、それが結局何なのかを確かめてみたい、暮らしの中で。なんか思うけど、あんまり大層な事しなくったって自然と時間が流れていくこの今が「なぜフランスなのかパリなのか」っていう問いの答えになるんじゃないかと思っているところです。でもまだまだ始まったばかりだから最終的に何を見つけるかその逆で何も見つけられずに終わるかはこれからです。とにもかくにも朝起きると「ここはパリ」だって事です。旅行に来たわけじゃない。炊事、洗濯、掃除に来たようなもんです。そしてかなりきつい半年になりそうです。東京とパリ。この2つの都会は何が違って何が同じなのか。■
2.とりあえずは食うことから。 とにかく貧乏生活です。最初っから。いろいろな手続きや雑費、住む部屋の契約等でかなり出費がかさんで、すでにこれから先かなり倹約していかないととても半年は居られそうにない事が分かった。ただ日本と違って食品の物価が異常に低い。とにかく東京での1カ月分の食費で2〜3ヵ月は暮らせんじゃないかな。めっちゃくちゃ安いよ。水なんて1.5リットルが1F。日本円で17円(99年11月現在)ぐらい。野菜も日本の3分の1ぐらいの値段かな。それに大きいし、うまい。日本の野菜より全然新鮮だし、素材自体が美味しいからシンプルな調理で十分いける。肉も安いし(魚はやや高い)、あとワイン好きの人にはたまらん。なんたっていつも飲んでるワインは1本12F(VIN
DE PAYSだけどね)だよ。それでこれがまた美味しい。20F出したらもうどうなるのって感じ。飲食は、特に自炊さえすれば楽に暮らせます。ウチの場合2人で一ヶ月だいたい1300F(約22,000円)あれば生きていけるね。しかし日本とは一桁いや二桁ぐらいの金銭感覚のずれがあるんで、毎日あそこの店のほうが1F安いとかここは0.5F高いとか言って買い物してます。そうやって買い物するのは楽しい。11月までいたところが下町(18区)で、マルシェでいつも野菜買ってるけど、陽気なおじさんがいっぱいいて人があふれてて活気があってすごく楽しい夕暮れ時がそこにはある。12月から16区(ここは山の手らしい)に移ったけどそこのマルシェも楽しい。週2回の朝市は必ず行っています。月2回程度行く大型スーパーでは野菜以外の物を買ってます。とにかくそこが激安で、なんでかっていったら、無駄を一切省いてる。ここ行くと日本のスーパーっていかに高いかわかる。くだらないBGMとかサービスやめればもっと安くできるんじゃないのかなぁ。あとなんでもかんでも包装が過剰すぎる。これって日本のデザイン界もちょっとは責任あるよね。今度家計簿載せます。いかに安いかわかるから。■
3.ひとつ困った事。 それは煙草。愛煙家の俺としてはこれが最大の悩み。嗜好品ってさぁ、なかなか節約できないんだよね。それでなくてもまだまだ言葉や環境のプレッシャーから解放されない毎日の中で煙草吸ってるひとときがリラックスできる瞬間なのにこれが家計をすっごく圧迫することがわかった。日本は今だいたい250〜270円ぐらいでしょ。こっちは一番やすいゴロワーズウルトラライトでも270円以上する。レートが悪くなったら、そんなにスパスパ吸えません。で、結局最初1日20本吸ってたのを10本にへらしたんだけど、これが苦痛で苦痛で。1日中煙草の事考えるようになっちゃたんでこれじゃあヤバイと思って、たまたまカフェで隣に居あわせた人が手巻き煙草吸ってて、これだったら経済的じゃん、と即買いに行きました。これなら巻く紙代合わせても1週間20F程度ですむ。ああよかった。けっこうやってみるとこの葉を巻く作業が楽しみになっている今日この頃です。欠点はスパーっと吸えない事かな。フィルターないし、細いしすぐ終わるし、風に弱いし。でもC'est
pas mal.(悪くない)■
4.治安。 おれは東京の方が怖いと思う。特に今の東京は。それはあまりにも短絡的な動機の犯罪が多いから。でもかみさんは断然パリの方が危ないと主張している。だけど俺はだんだん東京も危なくなってると思います。確かにパリも治安がいいわけじゃない。最近のフランスは不景気で失業率も高いみたいだし、それにともなって窃盗や強盗、スリが多発しているという情報が伝わってたから大丈夫かいなと思ってましたが、東京の訳の分からん若いやつのたむろってる渋谷とか新宿や通り魔が出る池袋の方がよっぽど俺には恐いです。こっちはよほど間抜けな観光客や無謀な人じゃなければ、犯罪に巻き込まれる事はないと思います。でも知りあいの男性は、中学生ぐらいの女の子3人に電車ですられそうになったそうだし、シティバンクではどこからか望遠鏡で観察してる奴がいて、金をおろそうとしている人の持っているカードの番号を見ているらしい。もし番号が分かればこちらはそれだけで下ろされる危険性があるらしい。殺人よりお金がらみが多いみたいです。あ、あと携帯電話もよく盗られるみたいです。結局は油断しないことかな。日本みたいにはいかないよね。だれが危ないのかわかりゃしない。これは地区で差があるのでひとくくりには出来ませんが。まあとにかく不審な人を見たら警戒する、暗い夜道や昼でも人通りの少ない道は避けるってことかな。治安に対してはいろんな人の意見があるだろうから、あくまでもこれは俺の意見です。■
5.大人の社会。 たぶん決定的に違う部分は日本はガキに媚びた未熟な社会で、フランスは大人の成熟した社会だっていう事だと俺は思う。日本は子供相手に商売して金儲けして、流行や文化が発展して大人が子供と同じ事をして満足しているような精神的に退却していく社会になりつつあるような気がしてならない。悪い事ではないかもしれないけど、イイコトでもないよね。子供が大人をなめきった社会。そしてかなり享楽的な方向にみんなの意識が流されている。で、フランスはというと逆に子供は相手にしない社会。だってこの世は大人にとって用意されてるんだぞ、くやしかったら勉強して働いていい給料もらえってなカンジ。全ての文化や芸術や流行はみんな成人した人間のためにあるんだから、子供はあっちあっちってなもん。それとかなり学歴重視な国です。日本よりもはっきりしてるかな。その時点ですでに人生が決まってくる。だっていい大学でてないとホントいい仕事にも、いい給料も貰えないみたい。ある意味日本より相当就職難だね。仕事がなくて物乞いしている若い人をよく見かけます。あとフランスは年寄りがしっかりしてる。それは思う。みんなけっこう年とってもまだまだ女や男やってます。しかし海外に暮らして思うのは日本人って粗暴で粗雑になったかな、俺も含めて。すごくだらしない下品な民族になったなぁと情けなくなる。あの放射能漏れ事故と新幹線のトンネル事故でわかったじゃない。恥の文化も知ってて勤勉で誠実で仕事に対する正確さがとりえだった国民性がだんだん弱くなって、鈍くなってるって事が。適当なのはフランス人の国民気質なんだからマネしなくてもいいんだよなぁ。でも、日本好きです。■
6.天と地ほどの差がある街並。 しょうがないのかなぁ、でも地震こないからかなぁ。昔からの建物や住居がこんなに普通にあふれているなんてのは。フランスだけでなくけっこう海外ってそうじゃない。でもヨーロッパは特にそうだと思うけど、アジア圏てそうでもないか。ただこの3、40年間に建てられたものがだんだん老朽化していってるだけかも。ま、混沌としてるところがアジアのいいところなんだけど。ただ日本は戦後焼け野原になってから急ピッチで復興してバタバタ住むところやビル建てちゃってしかも合理主義で建てちゃったみたいなところがあるから全然味もそっけもない街がいっぱいできちゃった。建築自体に日本人の個性が全然でてない、全部おんなじ建物が並んじゃった。日本中どこに行っても風景が変わらない。これじゃあねぇ。生活は豊かになっても生活する風景は台無しにしてしまった感がある。特にニュータウンとかよばれてる所なんてほとんどが一見きれいなんだけど、そこにある家やマンションはあまりに人工的で緑も整理しすぎてて気持ち悪い。あんなのただの檻の中にいるようにしか思えんけどね。俺、恵比寿ガーデンプレイスなんてまさに愚の骨頂だと思う。住んでる人には申し訳ないけど人工的すぎる場所です。あそこに観光で来たり、なごんでる人が信じられません。もっと他に気持ちいい場所あるだろっての。あ、これってひがみかも。でもしょうがないよね、東京は家賃高いし、郊外じゃなきゃなかなか家もマンションも持てないし、俺だってそう言って、ただのボロアパート住んでるんだし。パリに話し戻すと、来た事ある人はわかるはずですが、パリは電線ないでしょう。とっくの昔に下水道や電線とか、みんな地下に埋めたから、今のこのすばらしい街が生き続けてるんだよね。これで東京みたいに空が電線だらけで街が電柱だらけだったら誰も来ないかも。ただパリ郊外はさすがに新興住宅地が広がって、あと新しいオフィス街も出来てるし、Defenseなんてお台場みたいです。フランスといえども近代化の波には逆らえないんだなぁと思う。人もどんどん増えてるんだろうし、パリ市内はもうさすがに満室状態だろうからね。でも郊外といっても目の前だし、電車で通勤したとしても東京ほど大変じゃあないと思うけど、どうなんだろうか。しっかしパリは、ぶらぶら歩いて、どこまでも見とれているうちに行ってしまいそうな、そして絵ごころがなくてもおもわず風景を描きたくなる、そんなところです。夏もいいけど冬のパリも良さそうです。■
7.いいとこばかりじゃ
つまんないから嫌なところ。その1 まずなんといっても街中にあふれる犬の排泄物。ウンコです。日本の比じゃない、日本の飼い主が偉く見える。それぐらいこっちはひどい。路上駐車の影や歩道の木の前やとにかくそこかしこで排泄させてる光景を目にします。あれはたまらん。ほんとすごいです。もはやパリでは当然の風景です。まだ踏んでないけどふんじゃった人は飼い主たちに怒りをおぼえています。しかも無差別無秩序ゲリラウンコばっかりだから、加害者が分からない分始末が悪い。とにかく歩いてて油断出来ません。常に少し遠くの路上を確認しながら自分の歩くルートを決めなきゃならない。昼間はそれも楽だけど夜間は大変。特に暗い道では目をこらしてそれっぽい「物体」をよけて歩くしかない。もう、なんでこんなにウンコが多いんだろうか?毎日確かパリの道の上には16トン余りのウンコが生産されているらしい。最近はポスターなんかで「飼い主の皆さん、持ち帰りましょう。」とか告知してるけど効果はあるんでしょうか。ポスターの一つに視覚障害者が路上を歩いてる最中、ついているつえにウンコがいくつも串刺しになってる写真使っててなかなかフランスはどぎついの作るなぁと少し驚きました。全然関係ないけどこっちの広告やCM
って日本じゃ絶対にクライアントのOKもらえないアイデアをバンバン使っててうらやましいです。日本のクライアントの皆さんもっと過激になりましょう!!!しかし今気づいたけど猫が見当たらない。猫はどうしていないのか?村上春樹さんにでも聞きましょう。まだあるからまた追加します。■
8.冬のパリは「寒い」。 しかし寒い。なんというのか底冷えがします。東京は年越してもあんまり寒くないからね。でも今年はどうでしょうか?パリは10月の終わりぐらいからずっと寒いですね。それに天気が良くない。こんなに日照時間が少ない冬はJR中央線じゃなくても死にたくなるほど憂鬱な感じです。芯から冷えるから長く歩いてると足の指がつりそうです。でも空気が澄んでいる晴天の日の寒い朝などはとても気持ちがいいですね。まあそれだけの事ですが、春が待ち遠しいです。あ、あんまり寒いとスキー用のタイツ履きます。それぐらい寒いです。■
9.パリに無いもの。その1 まずこれです、「コンビニ」。当たり前なんだけどね。でも東京で生活してて、時間の不規則なデザイナーなんてやってるとけっこうありがたい存在なんですよね。さすがに24時間不夜城の東京ではなんにも珍しくないけど、これがねぇ、もしパリにあったらどうなんだろう。フランスの若い人の生活にはものすごく変化や影響が出るんだろうな。買い物に対する感覚がかなり変わると思うし。あそこって何にも用がなくてもつい入っちゃう。で、なんかやっぱり買っちゃったりするしね。バゲットとかサンドウィッチが並ぶのかなぁ。場所とるなぁ。しかし治安面を考えるとまあ無理でしょうし、そんな夜中に働くフランス人はいないでしょうが。次はこれ「銀行のATMでの預け入れ機能」。とりあえず僕は見たことありませんが、誰かあります?見た事。下ろす事は出来ても、入金は銀行内の二重ドアの向こうにある部屋でしかだめみたい。これも安全の事を考えてなんでしょうが。しかも窓口も一つだから混むと時間がかかります。それに僕の預けてる銀行はお昼休みまであるからその間は預けられないし。なんか振込機能もない気したけどどうだったかなぁ。でもこっちの銀行ってフランクな感じです。システマチックな日本の銀行の愛想笑いなんてないしね。担当の機嫌と性格次第でどうにでもなりそうな感じです。あ、そうだ「通帳」もないです。3番目は「ゆっくりしゃべってくれるフランス人」。学校の先生くらいなもんです、ゆっくりしゃべるのは。フランス人はとにかく良く喋るし、早い。相手が分からないって顔してても関係なし。とにかく耳が慣れないと大変なのです。それとなぜかこっちの生活が長い日本人も喋るのが早い。まあリズムがフランス人のリズムになってしまうんでしょうけど。でもお願いだからもう少しゆっくり話そうよ!4つ目は「5箱もしくは6箱まとめて売ってるティッシュペーパー」が無い。ありそうなもんだけどね。こんなに大型スーパーで大量にまとめ買いする国なのになぜか1箱売りしかない。それにあんまり安くないし、紙質も荒い。そんですぐなくなる。いやいや変な事に使わなくてもすぐ減る気がする。これトイレットペーパーも同様だと思うんだけど、俺が使いすぎなのか?■
つづく
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