加賀温泉郷探検ふたり旅

 昨年9月、東芝健保の加賀保養所で「九谷焼絵付け体験」と言うイベントがあり、応募していたが
直前に検査入院病室で尻餅を搗き、ギックリ腰が再発し諦めた  今回はそのリターンマッチになった

鎌倉駅前発26日21;10、横浜駅経由、金沢駅行き夜行高速バス利用
2人で往復1万6千円(身障者割引)也 費用を極力切り詰めた青年みたいな温泉旅に挑戦

日本の高速バスは成りはデカイが、低速走行では静かで乗り心地はいいものの、
高速になると路面を拾ってブルブルと振動、ガタガタ・ギャーと今にもタイヤがバーストしそうな異音で
パワーに余裕がないのが丸見え 度々目が覚めた  メルセデスやBMWの鍛え抜かれたバスには敵わない  
しかし、何とか早朝6:10無事金沢駅バスターミナルに到着

バス内中央のトイレは客席の高い床から狭いステップを数段降りる所にあるらしい
夜中にワシが独りでタコツボみたいなトイレに降りると、行きはヨイヨイ帰りは怖い、
片輪では恐らく生還出来ん
ゴムシビンをポケットに忍ばせ、覚悟していた 往きに1度だけ試用 成功!

2011・4・27
金沢駅のバスターミナルは巨大な
トラス形式のドームで覆われている
 1〜10幾つのピラー番号を辿るのも
 広過ぎて杖突きバッタにはシンドイ 
連休前の平日で、生憎の曇り空
手に傘を持つ人が早朝出勤らしい

だだっ広いコンコースは風情もない
日本は何時の間にベンチがなくなったのか
朝早い喫茶店でモーニングセットを取り
ながら、北陸本線で加賀温泉駅まで
戻る普通電車待ち やたらに特急ばかり

実は夜行バスは朝5時ごろ
加賀温泉に近い小松辺りを通過する 
しかし、こんなに早くては、バスを
降りても、旅人は身動きが出来ない


1時間に2本程度の鈍行は通勤電車らしい
が、早朝の時間過ごしには打って付け

高校生、サラリーマンで満員になったり、
降りていったり変化が多い
概して、都会より静かで、さすが
加賀の国、品が良い
加賀温泉駅の次の駅がこの電車の終点
大聖寺駅だ
金沢から約1時間

「着いた着いたぞ加賀温泉〜♪」
と冗談交じりの、わが鼻歌に
車掌さんが機嫌よく笑う
加賀温泉駅は、ぴかぴかの新調らしい
駅前もガラスと鉄骨で瀟洒に出来ている
時折人が通る オフシーズンだから?


バスは市民病院前に停まって、
深田久弥の山の文化館へ

歩く途中に大聖寺川を下る船着場がある
シーズンには川下りもあるらしい
山の文化館は昔の絹織物会社の遺構だ
本館は管理事務所と会議寄り合い部屋に
蔵は深田久弥記念館展示に使っている
蔵の中が深田久弥の展示室
日本百名山で有名な彼には、著書も多く
登山でも鳴らしたという
俳諧の面でも虚子の教えを受けたと言う

日本人はたいていふるさとの山を持っている
山の大小遠近はあっても、
ふるさとの守護神のような山を持っている
・・・・・中略・・・・・
私のふるさとの山は白山であった
(「日本の百名山」より)
という名言を残している
深田久弥が大聖寺出身だとは、
今回初めて知った

蔵の前の部屋には彼の一生の履歴が展示
彼は1971年3月茅ヶ岳登山中に脳梗塞で
亡くなった

蔵の前には数脚の椅子が用意されていて
杖突バッタには大助かり  
本来はビデオ鑑賞用らしい
蔵の脇に枝垂桜が咲いている
玄関脇に木道とウッドテラスとそれに続く
喫茶室が設けてあり、落ち着けるが先を急ぐ


加賀の古い町並みは昔の暮らしを髣髴とさせる
次の北前舟の船主の屋敷「蔵六園」に

入り口は質素に見えるが中には
お宝が詰まっている
庭も豪華な造りで、部屋も広くジンは
俵山の母の実家の造りそっくりだと笑う

古美術品のような展示の中に、木の塗り椀を
見つけて、安いので見定めて買った
部屋の奥を一巡すると家の大きさが
驚くほど広いことが分かる
小さな中庭を望む茶室風の部屋や
ガラス食器や木の塗り食器などで満たされた
部屋があるかと思えば省庁の北前舟の模型が
飾られた廊下があったりする



蔵六園の並びも又粋を集めたような家が
並び、右側の門構えの家も総檜造りの
昔のままの外観だと老女が語った
歩いて数分で鯉幟が泳ぐ広場があり
その前に北前舟資料館があった  
玄関横に古い錆びた錨が展示してあり、
沢山の北前舟のミニチュアが
並んでいた  旅の仲間らしい老人たち
グループが囲炉裏を囲んで座り込んで
大声で昔話をしていた
こちらはそろそろ腹が減ってきて、
橋立港行きのバスに乗りたい
会館の玄関門灯デザインは北前船の
カンテラらしかった
辻の角に水場とお寺の鐘楼が見えた


橋立港バス停の前は日本海
山陰育ちには海が北にあると安心する
生憎、火曜日は食堂の休みが多くて、
パンフレットに出ている店が軒並み休み

山周りだと魯山人寓居跡が休みだと
いうので、海回りにしたらこの始末

歩くこと数分、刺身定職1,500円の
店が見つかり遅い昼食を取った
ブリとホウボウの刺身は新鮮で抜群に旨い
おまけにサバの塩焼きとカレイの煮つけまで
付いていたので大満足
店を出て「尼御前岬」のバス停までゆるい
上り坂を歩いて、やっと来たバスに乗る
となり停の中谷宇吉郎の雪の科学館に
着いたら何と火曜日は定休日
宿泊予定の東芝加賀保養所のチェックイン
には早すぎる  
そこはのんびり旅、少しも慌てず
科学館の前を抜けて奥の芝生の公園へ
片山津温泉が並ぶ柴山潟畔の静かな散歩公園
時折、大きい噴水が上がる 
スイスレマン湖の巨大噴水に似る
持ってきたワンカップで、ゆっくり時間を
過ごし携帯でタクシーを呼んで保養所へ


 東芝加賀保養所に到着してみると、連休前と
あって客はわれわれ二人だけ

風呂は男風呂だけを家族風呂とし、全館の
明かりをダウンして節電してもらう
ロビーの100号近い白山の絵が素晴らしい

聞いてみると明日はわれわれの他
もう一組だけ 明後日からの連休中は
満室になるのだという
夕方6時からの夕食もわれわれ二人だけ
こんなこと初めてだ  片山津温泉街
を望む柴山潟はどんより煙っている
今日もひと雨来たが、われわれは
間一髪、濡れずに済んだ ラッキー !

ロビー担当の女性がカラオケを薦めに
来てくれた  暇なのでジンと二人で
歌った  ジンの自動採点は皆80点台
自分の採点は30点台ばかり
リズム感がまるでないし、元気もない
当然と言えば当然  温泉三昧 !


2011・4・28
今日は山周りキャンバスを予定
曇り空の朝9時に宿をタクシーで出発
昨日、休館日のため行けなかった
中谷宇吉郎の雪の科学館に
宿から至近のキャンバス停だし丁度良い

朝早くに近くの小学生たちが、大人しく
学芸員の説明を聞いていた
孫たちにも聞かせたかった
雪の科学館を出たキャンバスは
有名な地酒蔵元の前を通る  利き酒に
ぜひ寄りたかったが、時間の都合がつかず
諦めて、山周りに乗り換えの加賀温泉駅へ
戻る
キャンバスは途中片山津温泉街を抜ける
大きい足湯があったり だが近年湯治客は
減っているという どこも同じだ


バス停から魯山人の寓居跡までは奥にある
お宮の鳥居前まで歩く 杖突バッタには
かなりシンドイ

寓居跡「いろは亭」の
アプローチはきレイに整備されている
玄関の格子戸は特有の竹を使った紅色の
細格子戸 土地の言葉でオイデマシと
言う様に書いてあったがワスレタ
専らフルート持ち構えの左手オンリー
のカメラマンで、ノーフラッシュ主義
カメラアングルもテキトー 許されよ 
蔵の中の展示室では、丁度「魯山人と
同時代の文人たち」展 開催中
小規模ながら ご本人の陶器や掛け軸
大聖寺藩主の作品、与謝野寛・晶子の
山代の湯に遊んだ詠の額など

庭を望む床暖に改装された座敷では
足を楽に庭を眺めるように、竹の床が
しつらえてある足場がある床に座布団
を並べ、オババがお茶を振舞ってくれた
足の悪い自分に椅子を用意してくれた


魯山人のいろは亭バス停前に山代提灯の
店があった山代温泉の街道にはシンボル
鳥の看板があるが走るバスからは
なかなか撮れない
山代温泉から那谷寺(なたでら)はかなり
の距離がある キャンバスがなければ
来れない 昔空自小松基地に出張の途路
駆け足参拝した 門前の様子は変わったが
当たり前ながら寺は変わらない

生憎少し雨が降ってきたが、小雨で
前の土産物屋でバスを待つ間にやんだ
ご加護があったのだろう
流石に歩き草臥れて、ここでは初めて
車椅子を借りた 凭れるだけでも楽

奥深い庭は鬱蒼としていて椿の落花が
散り敷き季節外れの紅葉が見えた
流石に断崖をよじ登るような奥の院に
行くのは遠慮 下から見上げるだけ
有名な芭蕉の
「白やまの白よりしろし秋の風」
の句碑が健在 ずいぶん古くなった感
あり  沢山の句碑もある
これがまあ終の旅かと思いつつ

と言うのが偽らぬ心境
思い切って来てよかった
出口に至って、門扉に書かれた一対の
仁王像が印象的だ 門を出てから
那谷寺由来に気が付いた

キャンバス時間まで門前の店で
小松ソバなるものを食う
そういえばここは小松市である 
那谷寺を出たバスは宿へ帰る海回りに
乗り換えの加賀温泉駅に戻る
田植えの準備が出来た田園地帯を過ぎ、
北陸本線特急が走る線路をみる
 
温泉駅で乗り換えた海回り13番バス停
大聖寺駅前の「ふるさとの宝発見!」の
看板は圧巻 下りて見るわけには行かない
が地元名物が網羅されているようだ
再び北前船主資料館をバスから見上げ
て過ぎる

やがて再び橋立港をバスの窓から眺めて
チラッと砂の海岸が見える尼御前岬
を過ぎて、雪の科学館に戻る
われわれの帰着基地になる
中谷宇吉郎雪の科学館バス停は
左写真奥に見えるキャンバスが行って
しまうと、北海道色のポプラ並木の
湖畔である

携帯でタクシーを呼んで宿に帰ると
柴山潟は晴れ間が見え
片山津の一望できる 
部屋の生け花がいい さすが東芝
格調のある品の良い保養所で
箱根芝翠荘に劣らない
こうして、初めての加賀温泉郷の
旅は無事終わった キャンバスシステムの
素晴らしさに支えられ、東芝保養所の
皆さんの温かいおもてなしに感謝して
明日は金沢見物をして帰途につく

皆さんありがとうございました
保養所から加賀温泉駅へタクシーで行くと
3,000円位掛かると言う
キャンバスの雪の科学館停留所まで
タクシーだと850円 そこから改めて
バス1日券1,000円を買ったほうが
時間はかかるが安く行ける

逆の意味で「時は金なり」
「時で金をあがなう」訳だ


2011・4・29
夜明け5時過ぎカーテンの隙間から柴山潟方向の天気を伺うと、時折快晴の気が漂う
ブラボー! 片山津の街も晴れやか だが天気は目まぐるしく変わる
朝間、白山が見えるかと期待していたが
残念、間抜けの私は白山がどれなのか
見たことがない  保養所の窓から
シャンデリアの先に単独峯が輝いている

例の雪の科学館前の看板に白山の説明が
出ている 白山は3峰から成るらしい
科学館前のなぎさから保養所が見える 白山連峰らしいのがうっすら見える 向かいの輝く体育館ドームが見える
フェアウエル片山津
朝の列車で再び金沢の町に戻って来た 兼六園下行きのバスの窓から金沢駅
の象徴門オブジェとドームが見える
街の途中、金沢発祥の碑が見える
兼六園下交番は観光客がひっきりなしに
相談におとづれる 丁度岩手ナンバー
のオートバイ男性客が道を聞きに来ていた
ちゃんと調べて来いよな!
兼六園下から見える範囲はゆるい坂だが
進むに連れ胸突き八丁、杖突バッタには
厳しすぎる しかも人が多くて休む
ところも見当たらない  
やっと辿り着いたら、石川門 金沢城の
入り口である
石川門は金沢の顔でもあるようだ 美しい長屋に囲まれて、前田家の威信を今に伝える
石川門を出て橋を渡るとすぐに、
兼六園に入る
兼六園入り口の団子屋で納豆餅を
食べて坂を上がると、誰もが記念写真を
取る琴柱燈籠がある ここが園内で
標高が一番高いと思われる 
昭和の日とあって園内は大勢の人が
集まり、満開の八重桜に満足ふう
広い園内砂利道を杖突いて歩く 歩く歩く これで3度目だと思いながら 向こうに見えるは内橋亭
さざえ山から内橋亭 流石亭とある キブシが咲いている 夕顔亭である
向かいの藤の花が見事 真弓坂口に下って行くと目の前が
あこがれの金沢21世紀美術館である
先ず近代風のステンレスモニュメント
子供のジャングルジムである
美術館内は丸くてやたらに広く
開催中の各種展覧会は、下調べでは
余り興味もなかったので、車椅子で
ザーッと回った 市民がアプローチ
しやすい、良い美術館だ

金沢駅では夜22:00まで時間を費やすのに
苦労した  「くつろぎ館」なる多目的街
しか気が付かず、仕方無しにショウもない
ヤキトリヤで高い料理を食べた後、
1Fに「あじわい館」なる大食堂街を
見つけた 地の新鮮料理店がオンパレード
地団太踏んだが後の祭り 悔しかったのが
唯一金沢の心残り
又金沢駅に戻ってきた 見れば見るほど
象徴的な木の門が見事だ
支える柱、受けられる棟、力強い
金沢駅発22:00 またガタガタの
夜間急行バスで一晩過ごして朝6時過ぎ
我が家の近く、根岸の高速道路を通過

すっかりご無沙汰の、根岸の石油工場も
緑が増えたなあ! という印象
横横道経由逗子から由比ガ浜を回って
鶴岡八幡宮一の鳥居を回って
鎌倉に無事到着

杖突バッタが、思えば遠くに行ったもんだ
一人じゃ行けない、ありがとさん
定刻7:00より少し早く
鎌倉駅に着き、丁度来た湘南新宿ライン
に乗って帰る 後でジンに聞けば
総じて6万円の年金貧者旅完了!
(後で知ったが、大蔵大臣ジン殿
によると、高速バス代は事前に
払ったため、これには入っていない
らしい 道理で安すぎると思った!)

皆さんいろいろありがとう
良い思い出を作ることができました 
全部見ていただいてありがとう          お わ り