まだまだ・ステーキ                        片山テツヲ

 前回の「朝からステーキ」で、月末の横浜市南部病院での隔月検診のHbA1cの数値が今の8%台から6%台に改善されるか(標準値は5.8%以下と言われている)と、取らぬ狸の皮算用、検査通院の結果が楽しみになると書きました。

取らぬ狸の皮算用とは、昔の出来ないことを当てにする諺で、痩せるとか、毎日飲むと血糖値が下がるとか、今まで色々試してきたことは、大抵期待ハズレだったからです。

ところが、毎日食前にと言うか、食べる順番をまっ先にキャベツ・ステーキを試して3週目、728日の検診日まで続けたところ、今度は、いくらか手応えがあったのです。

布袋さんのような腹周りが、少し締まってきた感じ、ズボンの腰周りが何となく緩くなった感じ、74.5kgに復帰していた体重が73kg台になったような感じなどです。

それに気を良くした僕は、今まで、フライパンで調理していたキャベツ・ステーキを、電子レンジでチーンすること思いつきました。

確か、陶器の皿の底に、フェライトなど磁性体を混ぜて焼いた皿を、レンジで加熱すると、お皿の底が発熱体になり、お魚や塩鮭も焼けて焦げ目がつくという皿が出回っているのに目を付けました。

インターネットであれこれ探した結果、耐熱樹脂の蓋が付いたものを、注文しました。

新発明の皿が出た初期には7千円もしたのに比べ、この頃は3,4千円で買えるほど安くなりました。

丸いもの、四角に近いもの、いろいろですが、キャベツ・ステーキのほか、鮭も焼きたいし、そのままテーブルに出しても良いと考え、長方形にしました。

角い皿だと、ステーキというには何となく似合いませんが、我慢です。

これを採用してから、調理がまた簡単になりました。キャベツの輪切りのまま、塩コショウして、皿に押し込んで、67分チンするだけです。先日、白菜も試してみましたが、これもなかなかいけます。

ただ厄介なのは、卵です。卵は割ったまま黄身が薄皮に包まれた状態でレンジにかけると、レンジ熱で破裂して、蓋があれば飛び散らないから良いものの、目玉焼きのイメージにはなりません。

キャベツが熱いうちに、卵を割入れて予熱でかためるのがスマートです。

病院で、いつもの、診察前の採血で、色んな項目の検査数値が素早く出るのには、驚きます。

私たちが大学を出た頃は、薬学部を出た女子同級生が、川崎の大病院に検査技師として就職し、朝から晩まで特殊項目の分析に関わっていました。そんな人が、各専門で沢山居るようでした。今は殆ど自動ロボットのような機械が、採血後わずかな時間で、詳細な項目を分析してくれるのだと思います。病理検査は一大産業になっているのでしょう。

僕の担当医は、若くてチャーミングな優しい大柄の女医さんで、僕のデータを見て驚いています。

HbA1c値が何と最悪に近い前回までの7.4%)、8.4(%)などから、一気に6.7(%)まで下がったのです。

実は、その前に、先月、食事の直前に飲まなければならない血糖コントロールの薬を、新薬で飲み方も改善されたものに女医さんに処方していただいたので、その効果も、重畳している可能性もありますから、一概には朝からステーキのせいだとは言えませんが、大成功です。

先生にも画期的な改善を喜んでいただき、ますます、朝食と昼食はまずコーヒーの前に、このステーキを嬉々として食べる習慣になりました。

しかし、先生がチラッと心配しておられたように、急激に血糖値が下がり過ぎると、厄介なことに、今度は低血糖症に陥ることも考えられるのです。

低血糖症もまた厄介なもので、めまいや貧血症状や失神などが起こり、倒れる場所によっては、人様に迷惑もかかりそうです。今度は逆に、そんな時の対処療法に、ブドウ糖剤を携行しなければなりません。

一時期、北海道でブドウ糖の処方を携行した時期もあったような気がします。

一昔前は、私の母も、ご近所のおばさんも、一時期糖尿による失神で、救急車に運ばれた記憶があります。なんでも、血液中のアンモニアがなせる技だと聞いていましたが、分かったような、分からないような話です。

七夕の日、ステーキ食も丁度1箇月経ちました。また、今日はそれから、3日過ぎ、体重を計ってみたら、71kgを少し切ったようです。小さい体重計ですから、体重計に乗ると、立ったままだと目盛りが読めませんから、アバウトです。

次の検診日は、8月の終わりですが、明らかに、僕の食習慣が変わってきたようです。

今日は、日曜日で、しばらくサボっていた石川町での英語会に参加して、仲間と新しいハーバード出のネイティブ先生と、会館の食堂でハンバーグ定食を食べました。久し振りに、大勢でランチを囲むと、楽しくなります。

サラダが1皿と、ワンカップの冷製トマト・スープが付いた630円のチーズ・ハンバーグ定食で、僕には大ご馳走です。

先ずサラダをぺろっと食べ、美味しい冷製スープ・カップを啜り、入れ歯に優しい柔らかいハンバーグを食べたら、もうご飯はいらなくなりました。以前では考えられないことです。

次の検診日まで、僕の追試験は続け、女医さんの喜ぶ顔を見なければと、頑張っています。

女医先生も、一日中、糖尿病の老患者ばかり診ていて、お疲れだろうに、偶には患者が面白半分でも、良い実験結果をお見せすることができれば、癒しのお礼にもなろうかと、密かに思っているのです。