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住宅の塗替えをご検討中の方は、一度くらいは見積もりをとられたことがあると思います。数社から相見積もりをとった場合、価格の違いに驚かれたのではないでしょうか。それは当たり前なのです。
作業性や工法、現在の塗膜の状況によっても大きく異なりますし、同じ塗装業者でも、「営業と事務・現場管理を行い、現場作業は下請けを使う会社」と「自社の職人で現場作業を行っている会社」とではかなりの違いがあります。
ここではまず、塗装業者からの視点で塗装工事費というものがどんな内訳になっているのかちょっとだけ触れてみたいと思います。
・塗装工事費の内訳
当社の会社の形態は、「自社の職人で現場作業を行っている会社」なので、その立場からの内訳です。
下記の表を見るとわかるとおり、直接工事費が4分の3を占めています。このうち大部分を占めるのが人件費、つまり工事を行うときの職人の労賃、そして利益です。
| 塗 装 工 事 費 |
直接工事費 | ・材料費(全費用の20%程度) 塗料の費用+その他の費用 |
約75% |
| ・労賃 塗装にかかる人件費+下地処理などにかかる人件費 |
|||
| ・養生代 塗装に関する準備、後片付けなどの費用 |
|||
| 現場費用 | ・足場代 足場の施工・撤去費用+養生シート費 |
約20% | |
| ・光熱費、水道料 | 別途 | ||
| 経 費 | ・諸材料費 リース費用、損料(工具、消耗品)、交通費、廃材処理などの費用 |
約5% |
人件費をはじき出すためには、まず延べ人工を予測しなければなりませんが、ていねいに塗る職人もいれば、途方もなく雑に塗る職人もおり、スピードがかなり違います。どの程度の施工を標準とするかは親方の裁量で決まります。しかし、日当×延べ人工と材料費だけで請け負っていたら、塗装業者は倒産してしまいます。妥当と思える経費と利益は認めてほしいというのが本音です。
つまり、見積り金額が塗装業者によって異なる理由のひとつに、会社の形態や方針の違いがあげられます。
・材料費
材料費とは、あくまでも材料そのものの単価で、一般にはuあたりの所要量×kg単価で表されます。この場合は、吹付け時のロスや、2液型のロスなどを含んでいます。種類によっては必要な膜厚、つまり仕上がりや性能を確保する量を「塗布量」とすれば、(塗料の種類や塗装方法で若干異なる)その10〜15%増しが所要量です。
また、塗料によっては1缶(16kg)単位でしか購入できない種類もあるので、余分に発生した塗料のロスも含んでいます。(小面積の場合や、他に流用できないような塗料の場合など)
その他にも、淡彩色にくらべ濃彩色の方が割高であったり、艶のあり・無しでも価格の差があります。
その他の費用とはシンナーなどの使用量を指します。
・労賃
労賃とは、実際の工数やそれに関する係数、たとえばスプレーガンでの塗装にするか、刷毛塗りにするかの違い・それに伴う準備の難易度、工程数・塗り重ねの乾燥時間の長短などが考慮され、さらにそれぞれの作業にかかる手間、つまり人件費が加算されて、実際の請求額となっています。
・養生代
養生代は塗装しない部分にカバーをする=マスキングのことです。場合によっては、塗る面積よりも養生する面積のほうが多いことがあります。面積が少ないので、使用する塗料の量も少なく、塗装する時間も短いかもしれませんが、養生に時間がかかれば、その分人件費がかかります。
・足場代
足場の価格は、地域差がかなりあります。戸建住宅の塗り替え工事の場合、工事金額に占める足場代の割合は養生シートを含め、およそ20%前後です。ちょっとした面積のものなら自社で行いますが、足場資材の管理・運搬・施工などをトータルで考えると、かえって外注したほうが安上がりになる場合もあります。
「足場代がかかるから脚立と足場板、梯子で塗ってくれないか?」という施主様がたまにいらっしゃいます。足場は工事のために必要なだけで建物に残らないため、できればお金をかけたくないと思う施主様のお気持ちはわかります。
しかし、洗浄、養生、下地調整、外壁下塗り、外壁上塗り2回、そのほかに軒裏や破風板などの塗装を含めると、職人の移動回数は相当なものとなり、いちいち脚立などを移動しながらそれらの作業を行うことは非常にロスが多いので、人件費が足場代を上回ります。単に1回塗るだけならともかく、きちんとした仕事のためには足場は必須です。
・光熱費、水道料
基本的には、施主様のお宅のものを使用させていただきます。
・諸材料費
塗装の際に使用する塗装機器(洗浄機・コンプレッサー・エアレス)などのリース代や損料、梯子や脚立などから皮すきやカッターナイフの刃まで塗装工具の全ての損料を含んでいます。他にも廃液・廃材の処理費用や、現場での万一の事故に対応する保険代、車両の維持費や洗浄機で使用するガソリン代などもこれに含みます。
仕事の大小に関わらず必要な経費として、当社は一律5%で計上しています。
・会社の形態や方針の違い
会社の形態「営業と事務・現場管理を行い、現場作業は下請けを使う会社」と「自社の職人で現場作業を行っている会社」の違いや、方針「利益率の確保」の違いにより、塗装業者の見積り金額には幅が生じてしまいます。
非常に簡単な計算だが、「工事金額÷延べ人工」で割り出す「1人工あたりの金額」は、実にすさまじい幅があります。
例)120万円の見積書をもって施主様のところに行きました。
施主様 「高いな。この前持ってきたペンキ屋の見積書は100万円だったぞ」
塗装業者 「申し訳ありません。どうしてもこれくらいの金額になってしまいます」
施主様 「ところで、何日かかるの?」
塗装業者 「10日ほどです」
施主様 「何人で?」
塗装業者 「3人です」
施主様 「この前のペンキ屋は、3人で5日で終わりますって言ってたな」
いくらでどのような施工を行うかは業者次第であり、それを吟味選択するのは発注者の裁量といえます。
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