2012年5月21日(月) 日本の九州・四国・近畿南部・東海・関東にかけて金環日食が見られました、その観望記です。
 今回の金環日食を見られる地域には日本の人口の3分の2にあたる8000万人が住んでいるそうで、見ることのできる人間は過去最高になるとのことです。金環帯は香港あたりから始まり、日本を横断して北太平洋を抜けアメリカで終わります。UFOで有名なロズウェルにも達し終了します。
 1か月ほど前から各地で数百年ぶりといったニュースが流れてきましたが、およそ8か月前から準備を始めました。年が明ける前に品不足になるのをみこして安い日食メガネ、カメラや望遠鏡のNDフィルターなども購入してきました。過去に行った皆既日食は重い望遠鏡は持たずもっぱら400ミリ程度の望遠レンズに頼ってきましたが、今回は自動車移動ができますから望遠鏡を持ち出すことができます。


観望場所の候補

 1週間前から週間天気は全国的に曇りの予報で先行きが不安でしたが、観望の場所をどこにするか考えることにしました。第1候補は東海地方です。理由は最も広範囲にわたって日食の中心線に近い地域であること、東海道沿いで車があれば移動が楽なことで臨機応変に対応できそうなことが好条件です。
 第2候補は南紀で、串本や那智勝浦は東に面していて邪魔にならず海辺で自由に観望できそうです。しかしもし天候不順な場合は他への移動が困難な点が第一候補から外しました。
 第3候補は四国南部で室戸岬などの海沿いです。しかしこれは明らかに他の場所が駄目な場合のみのことで実際には行かないだろうと考えていました。
 (図は日本気象協会の日直予報より)

20日

 18日午後2時の時点で南紀と関東東部が時々晴れ、沖縄、九州、東海は曇りの予報となりました。もともと東海地方への観望を予定していましたから、この時点で行き先を考えることにしました。とりあえず前日夜に名古屋付近まで移動し最終決断をしようとう考えました。
 午後2時の天気予報をみると太平洋側は曇り、少し内陸部で薄曇り、さらに北日本で晴れという予報になっていましたが、東海地方は午前中は晴れの予報に変わっていましたので、この時点で東海地域への移動を決定しました。ただし内陸に入ると雲が薄くなるという情報は気になります。中心線に近い海側を避けてあえて遠ざかるという選択肢があるからです。
 午後9時半になって自宅を出発、第二京阪から新名神へ入るはずがなぜか道を間違え(カーナビあるのにw)そのまま京都市内から山科へ出てしまい、また京都東から乗り直し・・・先行き不安を感じつつも伊勢湾岸道の刈谷ハイウェイオアシスに到着しました。デラックストイレで有名なパーキングの周囲を見るとおあつらえ向けの広場や椅子があってここで観望してもいいかなくらいに思える場所ですが、仮眠して起きると午前4時になっていました。

21日

 やはり少しでも中心線に近づきたい心理が働き、1時間かけて浜松まで来ました。夜が明けてきましたが残念ながらべた曇りで太陽どころではありません。とりあえず浜名湖サービスエリアに立ち寄り朝食を採りました。東の方向が開けているのでここで観望しようかとも考えましたがやはりさらに進むことにしました。
 いったん浜松西インターで高速を下りて地道をいくことにしました。高速道路の上にかかる跨道橋なら見晴らしがよさそうだと考えたからですが、途中で思い直して農道を行くとパチンコ店の広い駐車場が目に入り駐めることにしました。どうせ日食の時間帯には開店しないどろうから望遠鏡を降ろしてセットしました。しかし相変わらず雲は垂れ込めたままで晴れる気配はありません。開始まであと20分というところで少し焦り始めました。

時間です

 午前6時13分 部分食が始まる時間です。TVの特番で香港ではすでに欠けています。そのうち南紀串本からの映像で雲間から太陽が顔を覗かせ、欠けている映像が流れてきました。こちらは東の低い空こそ明るいものの太陽が見える位置まで雲が覆っています。串本に行けば良かったかと悔やむ気持ちもありますが何とか晴れるのを祈る気持ちです。
 各地の映像が飛び込んできて関東北部では綺麗に欠けた太陽が見えています。

移動

 6時40分 このままでは埒があかないとこの場所を諦め、さらに東へ移動することに決めました。準備に10分かかるので7時15分には晴れ間に出会いたいという気持ちで撤収し、浜松西から東へ向かいます。高速に乗ったとたん雲が薄くなり遠くで日光が雲間から地表を照らしているのがわかりました。
 急いで浜松インターを下りると薄雲を通して太陽が見えます。すぐに駐車スペースを探しますが、とりあえず幹線道路から外れると広い道路になりました。見ると陸運局の看板があり車検場のようです。ここなら道路に駐めても大丈夫そうなので路肩に寄せ、望遠鏡を引っ張り出しました。3分ほどでセットを終わると薄雲を通して太陽が見えます。慌ててシャッターを押したのが7時7分で、そこから連続でシャッターを押し続けました。
 望遠鏡を設置した場所で陸運局の職員の方から話しかけられ日食についての話をひとくさり、さらに福井県から観望に来られたご夫婦とも出会いました。

いよいよ

 晴れ間が急速に拡がり、明るい太陽が雲間から顔をだしました。日食メガネを掛けて自分の目で欠けていることを確認します。赤っぽい色が付いた三日月形の太陽がフィルター越しに見えます。
 まだ金環までには10分ほどありますが周囲の雲の様子から晴れそうなことはほぼ間違いなく、夢中でシャッターを切りました。太陽は徐々に細くなっていき、ついに完全な金環となりました。肉眼ではわかりませんでしたがカメラはベイリービーズ状の光を捕らえることに成功しました。
 待つこと約2分でほぼ同心円状の金環日食を見ることができました。これまで皆既日食や月食には何度か出会いましたが金環日食は初めての現象で、やはり達成感があります。  そうこうするうちに時間がきて再び三日月形へと移り、やがて元の太陽に戻っていきます。最後まで撮影を続けるつもりでしたが、8時10分を過ぎると雲が増え太陽を覆う時間が長くなりました。8時25分を最後にして撤収を決め後片付けとなりました。

 ベイリービーズについては左が第二接触、右が第三接触です。左は少しブレがありはっきりしませんが、右はシャープでベイリービーズのように見えます。

その後

 8時50分頃には再び晴れ間が覗きましたが、その頃にはクルマで大阪方面に向かっていました。TVは日食の話題を流しつつ仙台の部分日食中継で今回の金環日食も終わりになりました。3時間後にはアメリカでグランドキャニオンに沈む夕日の金環食が放映されていました。


撮影場所 N34.745734(北緯34°44'45")E137.789809(東経137°47'13")浜松自動車検査登録事務所前道路





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