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特集 2003年火星大接近


 この文章は2002年12月にアップロードしたものです。

 2003年夏 火星が大接近します。今回の大接近は1924年の大接近距離より近く、5万7千年ぶりの大接近ということで今から楽しみです。また2003年から2004年にかけて各国の火星探査機が相次いで火星に到着しますので、その観測成果も期待できます。2003年は空前の火星ブームになると予想されます。

 今回の大接近は研究者によると5万7千年ぶりの大接近だそうです。大接近とは火星の軌道が特に離心率の大きな楕円形であるため、太陽−地球−火星 と並ぶとき地球−火星 の距離に大きな差が生じることにより 大接近や小接近といった表現が用いられるのです。また火星の軌道の形は他の惑星(特に木星)の重力の影響を受けて数万年周期の変動をしています。今回の大接近は右の図のように 地球−火星の距離が最も短い部類に属します。ちなみに近年の大接近における距離を表にしておきます。今回の大接近が過去最大であることがわかります。これより近い大接近は2287年までおこりません。
年月日
 視直径   距離
1640/8/20 25.06" 5587万km
1687/8/09 25.00" 5600万km
1719/8/25 25.03" 5593万km
1766/8/13 25.08" 5582万km
1845/8/18 25.09" 5580万km
1924/8/22 25.10" 5578万km
2003/8/27 25.11" 5576万km
2050/8/15 25.02" 5596万km
2082/8/30 25.06" 5588万km
2129/8/20 25.07" 5585万km
2208/8/24 25.10" 5577万km
2287/8/29 25.15" 5569万km


上の図は2003年5月から11月までの天球上での火星の動きをシミュレーションしたものです。地球の軌道も火星の軌道も楕円形であるため、8月下旬に衝を迎える年には火星は地球に大接近します。今回は8月27日に5576万kmまで接近します。その前後数ヶ月は絶好の観測好機です。
図の赤線は「天の赤道」、黄線は「黄道」です。大接近時の火星はみずがめ座の方向に見えます。このあたりは天の川からもはずれて明るい恒星もないので、夏の夜空に火星がポツンと光っているのが印象的かもしれません。


「火星くるくる」で作成した4月27日(左端)から12月27日(右端) 日本時間午前0時の火星の様子です。中心の8月27日大接近の日にはずいぶん大きく見えることがわかります。
画像は条件のよい状態で中口径(20〜30cm程度)の望遠鏡で見た程度に加工してあります。また望遠鏡では倒立像が見えるため東西南北を逆にしてあります、図の上が南です。(火星表面の地図と比べてください)


おなじく「火星くるくる」で作成した8月27日の火星です。自転による2時間ごとの変化を示しています。下の数字が日本時間です。06時の中心に見える暗い模様が大シルチスです。


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