週の始めは土曜日?
 カレンダーには月曜から始まるものと日曜から始まるものがありますが どちらが正しいのでしょうか。 一週間はどうして7日で、曜日の並びが 月→火→水→木→金→土→日 なのでしょうか。曜日の起源について調べた結果 一週間の最初の曜日は土曜日、日曜日、月曜日などの諸説があることがわかってきました。

なぜ七日?

 今日使われている暦の基本は紀元前の古代ローマ時代だといわれています。ローマ人は月齢を数える太陰暦を用いていました。新月から新月までを数えると29.58日ですから1ヶ月は29日か30日になります。これを朔望月といいます。
 もうひとつ地球から見ると月は恒星の間を縫って動いていくように見えます。天球上に固定された恒星を基準に月の動きを数えると、27.32日です。これを恒星月といいます。27=9×3 と考えるか 28=7×4 ですがローマ人は朔望月に近い 新月−上弦−満月−下弦 の4段階で月を分けることを選択したようで これが1週間=7日 の起源と考えられています。また太陽、月を含む惑星が7個など、いろいろな意味で7は幸運な数字と考えられるようになりました。
 中国の二十八宿の四方位星宿なども月の運行をもとにして作られたもので同じ発想です。

旧約聖書

 旧約聖書の創世記によると神は6日間でこの世を造ったとされています。

   元始(はじめ)に神(かみ)天地(てんち)を創造(つくり)たまへり 地(ち)は定形(かたち)なく曠空(むなし)くして黒暗(やみ)淵(わだ)の面(おもて)にあり神(かみ)の霊水(れいみづ)の面(おもて)を覆(おほい)たりき 神(かみ)光(ひかり)あれと言(いい)たまひければ光(ひかり)ありき 神(かみ)光(ひかり)を善(よし)と観(み)たまへり神(かみ)光(ひかり)と暗(やみ)を分(わか)ちたまへり 神(かみ)光(ひかり)を昼(ひる)と名(なづ)け暗(やみ)を夜(よる)と名(なづ)けたまへり夕(ゆふ)あり朝(あさ)あり是(これ)首(はじめ)の日(ひ)なり・・・以下略

旧約聖書創世記の第一章(日本聖書協会 文語訳聖書より)

 6日目には最初の人間であるアダム(Adam)とイブ(Eva)を自分の姿に似せて創り世界を治めよと命じます。そして7日目を安息日として休日を設けたとされています。日曜日が休日であるのは聖書の以下の記述によります。

 斯(かく)天地(てんち)および其(その)衆群(しゅうぐん)悉(ことごと)く成(なり)ぬ 第七日に神(かみ)其(その)造(つく)りたる工(わざ)を竣(をえ)たまへり即(すなわ)ち其(その)造(つく)りたる工(わざ)を竣(をえ)て七日(なぬか)に安息(やすみ)たまへり 神(かみ)七日(なぬか)を祝(しゅく)して之(これ)を神聖(きよ)めたまへりは其(そ)は神(かみ)其(その)創造為(つくりなし)たまへる工(わざ)を盡(ことごとく)く竣(をえ)て是日(このひ)に安息(やす)みたまひたればなり

旧約聖書創世記の第二章(日本聖書協会 文語訳聖書より)

これをみると日曜日が7日目で休みですから 神が天地を創りはじめたのは月曜日となり 週の初めは月曜日ということになります。
しかしユダヤ教では安息日は土曜日となっています。これでは週の初めは日曜日になってしまいます。さらにイスラム教では金曜日が安息日です。いずれにせよまず6日働いて7日目に休むことが決まり、何曜日が休みかは宗教上の理由付けで決まってきたという歴史があるようです。

キリスト教

 キリスト教の週の初めは日曜日とされています。日本にあるカレンダーはキリスト教の暦である「グレゴリオ暦」(=西暦)を基本にしていますから日曜日が週の最初になっているのが正しいとされます。
 その理由は「キリストの復活」にあります。イエス・キリストがゴルゴダの丘で他の罪人二人とともに処刑されたのは金曜日(日付については13日と14日の両記あり)です。そして数えて3日目に復活するので 復活は日曜日ということになります。ルカ伝では復活の日曜日が『一週の初の日』であるとしています。

 一週(ひとまわり)の初(はじめ)の日(ひ)、朝(あさ)まだき、女(をんな)たち備(そな)へたる香料(かうりょう)を携(たずさ)へて墓(はか)にゆく。然(しか)るに石(いし)の既(すで)に墓(はか)より轉(まろ)ばし除(のぞ)けあるのを見(み)、内(うち)に入(い)りたるに主イエスの屍體(しかばね)を見(み)ず、これが為(ため)に狼狽(うろた)へをりしに、視(み)よ、輝(かがや)ける衣(ころも)を着(き)たる二人(ふたり)の人(ひと)その傍(かたは)らに立(た)てり。女(をんな)たち懼(おそ)れて面(おもて)を地(ち)に伏(ふ)せたれば、その二人(ふたり)の者(もの)いふ『なんぞ死(し)にし者(もの)どもの中(うち)に生(い)ける者(もの)を尋(たず)ぬるか、彼(かれ)は此処(ここ)に在(いま)さず、甦(よみが)へり給(たま)へり。尚(なほ)ガリラヤに居給(いたま)へるとき、如何(いか)に語(かた)り給(たま)ひしか憶(おも)ひ出(い)でよ。即(すなわ)ち「人(ひと)の子(こ)は必(かなら)ず罪(つみ)ある人(ひと)の手(て)に付(わた)され、十字架(じふじか)につけられ、かつ三日(みつか)めに甦(よみが)へるべし」と言(い)ひ給(たま)へり』・・・・

新約聖書ルカ伝福音書第二四章(日本聖書協会 文語訳聖書より)


 キリスト教がローマ帝国に伝わったのち、ローマに以前から存在した「週」の概念と聖書の「七日目の安息日」および「日曜が週の最初」が融合して、週の最初は日曜日、そして安息日も日曜日となったのが真相のようです。

曜日の起源

 1週間はローマに起源を持つようです。それ以前から存在していたかもしれませんが、調べることができませんでした。そして1日が24時間であることもローマを起源とします。現在の暦(グレゴリオ暦)は古代ローマ時代から用いられていた太陰暦に、エジプトの太陽暦が加わり、さらにキリスト教の要素が加わったものと考えることが出来ます。
 古代ローマにおいて惑星(太陽と月も惑星の一つと考えます)はその日と時間の運勢を司る天体だと考えられていました。そして当時考えられていた地球から遠い順に 土星−木星−火星−太陽−金星−水星−月 と並べます。これは太陽と地球を入れ替えるとそのまま太陽系の配置になります。惑星の動きの速さ(平均運動)から求めたのでしょう。
 さて 1日の始まりを 土星とします。1時間毎に支配する惑星は変わっていきます。 土星→木星→火星→ の順です。1時が土星なら21時は月 22時は土星 23時は木星 24時は火星 翌日の1時は太陽から始まります。つまり日の最初の時間を支配する惑星は毎日3個ずれていきます。最初の時間を支配する惑星を その日を代表する惑星と考えると

 土星→太陽→月→火星→水星→木星→金星 

と曜日の並びができあがりました。
 このことから 1週間の最初は土曜日ということになります。

 惑星の名前は元はギリシャ神話からローマ神話に転じたものを英語で表したものです。これを日本語の火・水・木・金・土としたのは中国の陰陽五行説による木火土金水の5元素をあてはめたもので、なぜ Mars の訳が「火星」になったのかはっきりしません。ただし推測は出来ます。火星は赤い惑星ですから「赤い」=「火」の連想、Mercury=水銀=「水」の連想、金星は確かに黄色です。木星、土星ははっきりしません。

関連サイト

星の神殿 コンテンツ「曜日の由来」には古代の暦の内容豊富

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