< 梯子の下にて >
                    
作詩 yumej

朱色の実りがきた

座敷の窓から眺めては
季節の過ぎゆく速さに
丸くなった肩に
溜め息ひとつ

高き所から小鳥が
伺い見れば
草履をひっかけ
縁側より降り立ち
静かに
愁然の天仰いだ

皺と煤けた掌
微震える指を
気丈に動かし
孫の喜ぶ顔見たさに
思い募らせ
樹木へ馳せ向かう父


感慨深き想いは巡る

yumej

【落ちないで】
           
返詩 蘭

落ちないで
甘い実落ちても 
あなたは落ちないで
梯子の下で しっかり手を添えて
完熟の若き日見るように
仰ぎ見る 仰ぎ見る
若き日の 母がしたように・・・
柿の葉 一葉(いちよう)はらり降る

落ちないで
葉っぱが落ちても 
甘い実落ちないで
梯子の下で しっかり目を凝らし
サーカスのスターを見るように
仰ぎ見る 仰ぎ見る
幼き日の 我がしたように・・・
柿の実 一つぽろり籠に載る

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