葉桜の季節に君を想うということ・・・歌野昌午
 ロートレック荘事件・・・筒井康隆

写真の本は、昨年のミステリー評論誌で、1位、2位を独占した作品。私も、買って読みました。作者の歌野氏の
作品は、今までにも何冊か読んでいましたが、どうも私とは相性がいいのか悪いのか(笑)、氏の考えたトリックが
読めてしまうのです。頭の鈍い私ですが、ミステリー本の数だけは、何千冊も読んできていますから、見当が、
ついてしまうんですね。正直、今回も、あまり期待してなかったのですが・・・。

やぁ、見事にやられましたね(笑)。ここまで見事に騙されるのは、久しぶりです。気分爽快です。
歌野氏は、何よりトリック重視の作品を書く人で、実は次作も、既に出版されていますが、これも見事に人を騙し
てくれる作品だとか、もっぱらの評判です。くーっ、早く読みたいです。

ミステリファンの間では、この手の作品の内容は、一切言うことはできませんが、キーワードは「映像不可能」という
こと。そして、映像不可能といえば、絶対忘れてはいけない名作が、1990年の「ロートレック荘事件」。

筒井氏といえば、「七瀬シリーズ」や、SFなどで有名ですが、ミステリーも、よい作品を執筆しています。「富豪刑事」
なんて、トリックもひねりがあって、なおかつ面白くて、大好きでした。このロートレック荘事件も、この年の、ベスト
10に入る、名作です。

これ、読んでいて、めちゃくちゃどきどきするんですよ。何人も人が屋敷で殺される、私好みのテイスト(笑)。
そして、真相が明かされた瞬間、頭が真っ白になるんです。え?え?え?なんで?どうして?と、12秒くらい考えて
いたでしょうか(笑)。もう絶対、すぐ、最初から読んでいかなければ、納得がいかないのです。

多分、この二作のほかにも、「映像不可能」な名作は、あると思いますが、私が今思いつくベストは、この二作です。
ミステリの事件そのもののトリックは、出尽くした感がありますが、まだまだ、読者を騙す手段は残されています。
作家の皆さんは、そんなトリックを、産みの苦しみを味わいながら、もしくは、神が降りてくるかのごとく、ひらめいて
執筆するのでしょう。私たちミステリファンは、見事に騙される事を期待しながら、また拝読させていただきます(笑)。
     

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