十角館の殺人・・・綾辻行人
長い間ミステリーを読んでいると、わくわく興奮しない時期もありました。
犯人は誰か、ということより、心理状態や社会的背景がきちっと描写されている作品が
評論家達から評価されていたため、ミーハーな私は、そういう「ミステリー通な人が好む本」を
基準に購入していたのです。
そういう作品は、確かに文学的価値もあり、名作なのでしょうが、正直物足りなくもありました。
ルパンからミステリーに入っていった私は、どうしても「えーっ、あの人がこの人!!」
「げっ、犯人はこの人!!」というノリに弱かったのです。
・・・さて。ルースレンデル、松本清張などを読んでいた頃。ある雑誌にこの本の紹介がありました。
もう、これは直感としかいいようがありません。この本は絶対「えーっ、げっ」の本だと思ったのです。
本屋にすっとんでいって買いました。図書館で借りる時間が惜しかったから。
もう、もう、大満足でした。本格的デビュー作という事で、文章のアラなどはあったと思います。
お偉い評論家の方達も、特に絶賛していた訳ではありません。
けーれーど、長い間ミステリーにときめきが無くなってしまった私には、充分、面白い作品でした。
この本を読んでから、自分の直感だけで本を購入するようになりましたねー。
その後も、綾辻作品は全て読みました。時計館の殺人や、囁きシリーズが好きでしたね。
この頃から、軽視していた、日本の新本格といわれる作品を多く読むようになりました。
私にとっては、ミステリーは面白さこそ全て。わくわくドキドキぞぞーっと、感じていたいんです。
マニアぶったり、ミステリー通を気取る事はないんですよね。
綾辻作品から、島田荘司、法月綸太郎、有栖川有栖・・・などなど、今まで手を出さなかった
「本格物」といわれる作品を読むようになって、またときめきが戻ってきました。(笑)
ただ、このてのものは、残念ながら「ありゃりゃ」という作品も多くって。
そのかわり、ビンゴ!!のときは嬉しいですねぇ。お金以上の価値を感じます。
もう、ギャンブルの世界といっても過言ではないです。(笑)
しみじみとしたもの、感動するもの、考えさせられたり、不気味なもの、ミステリーにも色々です。
他人の評価ではなく、そのときの自分の気持ちで本は選ぶ事。
十角館の殺人を読んでから、そんな事を思ってます。