第18回 アメージング・ワールド(6)
エステル(以下エスト)「…皆様、ごきげんよう。「General Material Report」のお時間です」
クラセ=トウマ(以下クラセ)「む」
エスト「…今回はメロウという種族についての解説をお送りいたします」
アルマ=クルツリンガー(以下アルマ)「あー、はいはい。ちゃっちゃと行っちゃってー」
クラセ「?」
エスト「…了解しました」
>半人半魚の歌い手
エスト「…メロウという種族の本質については、未だ隠された部分が多く、そのすべてを知ることは困難とされています」
クラセ「いきなりぶっちゃけたでござるな(笑)」
エスト「…彼ら自身、好んで他の種族に自分たちの素性を明かしたくないと考えているようですね。これについては、アカデミーなどの学術機関による検証を待つよりありません」
クラセ「なるほどな。して、わかっている範囲ではどうなのだ?」
エスト「…題名などにもあるように、メロウは上半身が人間/下半身が魚類という外見を持つ種族です」
クラセ「いわゆる人魚であるな。……でも、それでは陸に上がれぬのと違うか?」
エスト「…メロウに伝わる《人化の薬》によって人間の姿を得て陸に上がるようですね」
クラセ「便利なものだな」
エスト「…もっとも、メロウが陸に上がるという選択をするのは、ごく個人的な理由によるものだといいます」
クラセ「個人的……なんだ、惚れたとか復讐するとかか?」
エスト「…一般的な見解では、そうなりますね」
クラセ「ふむ。確かに童話やらなんやらでも、人魚が人の姿を得るとすれば、そういう場合であるからな。……ん、人に変身しても特に声を失うというようなことはないだろうな?(笑)」
エスト「…そういうことはありません。”声”の話が出ましたので解説いたしますが、メロウたちには”魔歌”という特別な力が存在します」
クラセ「また、名前でズバリな能力だな(笑)。見た目に似合うとは思うが」
エスト「…メロウたちの歌う”魔歌”は、魔法などがそうであるように、メロウたちの生来持つマナへの干渉力の高さを”歌”というかたちで行使したものです。ですから、声を出せなくとも周囲にマナが存在すれば”魔歌”を使うことができるのです」
クラセ「それは強いな(笑)」
エスト「…種族としての特性は以上です」
>王政企業ヴァナヘイム
クラセ「で、次はメロウの社会についての解説か」
エスト「…(こくり)」
クラセ「……時に、アルマ殿? 先ほどから黙りこくっておられるのは、なにかわけがありましてのことで?」
アルマ「……そんなにへりくだらなくていいわよ(苦笑)。理由は、ここのパートで解説されると思うから。エスト、お願い」
エスト「…はい。メロウたちの住居は、ミッドガルド南洋に位置するヴァナヘイム島を中心としています。ここにメロウの眷族である魚人や、北方からの船乗りたちが集い、一国家としてのヴァナヘイムを形成しています」
クラセ「ふむふむ……(地図を見ながら)と、ヴァナヘイムというのは真帝国領のど真ん中なのだが、これは?」
エスト「…ヴァナヘイムはかつて真帝国と戦闘行為を行っていましたが、海底に陣取るメロウたちに決定的な打撃を与えることができず、またメロウとしても真帝国を打ち倒せるほどの兵力はなく、結果としてヴァナヘイムが真帝国傘下の企業になるというかたちで戦乱は終結しました」
クラセ「企業!? ……というと、アルマ殿のG=M社とは……」
アルマ「んー、直接ヴァナヘイム社がウチのライバルになるってことは少ないかな。海路を使うときなんかは、むしろ協力関係にあるわね。……むしろ問題なのは、ヴァナヘイムのエージェントかなあ」
クラセ「む、やはりヴァナヘイムにも、そういう裏工作を行う社員もいると?」
アルマ「どこでもやってるわよ、そんなの。はあ……」
エスト「…ヴァナヘイム=エージェントの性質として、利益になりそうなことには貪欲に介入するというものがあるようです。商業の他に身を立てるもののないヴァナヘイム社としては自然なことと思われます」
アルマ「って言ってもねー、どーも興味本位くらいにしか感じないんですけどー。この間だって……ぶつぶつ」
クラセ「あー、続けてくれ」
エスト「……実際のところ、真帝国とヴァナヘイムとの関係はあまり良いとは言えません。過去に戦争をしたという事実を除いたとしても、多方面の企業と提携を結び、企業連合として真帝国に対抗しようとしているヴァナヘイム社の存在は、表向きには容認されていますが、真帝国としても扱いにくく感じているようです」
クラセ「ふむ。ただ海路は重要であるからな、真帝国としても「疑わしきは罰せよ」と簡単には切り捨てられぬといったところか」
エスト「…おそらくは」
>海神の加護
エスト「…メロウの社会では、海神エーギルへの信仰がいまだ根付いているようです」
クラセ「エーギル…というと、”ラグナロク”の戦いで滅んだ神のひとつであるな。滅びたとはいえ、信仰を消し去ることはそう簡単には出来ぬ、か」
エスト「…もっとも真帝国所属であるヴァナヘイムの民がそれを明るみにすることはまずありませんが。メロウたちの元老院としても、隠匿は徹底的に行っているようです」
アルマ「まあ、滅多なことじゃないと、信仰なんて人に知れたりしないからね。祈りを捧げるときくらいかな?」
>まとめ
クラセ「と、いうことでまとめであるな」
エスト「…メロウについてのまとめです。
・人魚
・”魔歌”という特殊なマナの力を使う
・陸に上がるのは愛ゆえ? 復讐ゆえ?
・国家単位で真帝国の”企業”として存在
・商売になりそうなことにはどんどん首を突っ込むよ
・真帝国に反旗を翻そうとしている?
・実はエーギル神を崇めてます
…以上です」
アルマ「お疲れさまー。次回は?」
エスト「…次回は角をいただく巨躯の種族「オウガ」の解説です」
クラセ「ほう、オニであるか」
アルマ「……それ、ちょっとヤバくない?(笑)」
エスト「……それではまた次回。ごきげんよう(ふかぶか)」
第18回終わり→第19回「アメージング・ワールド(7)」に続く
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