はじめに
どうもこんにちわ、そろそろ多くコンテンツを作りすぎたことの弊害が出てきたなあと思わなくもない昨今ですがいかがお過ごしですか? 神北伸之です。
ここでは「RPGのべだら考」と銘打ちまして、RPGについての色々なことを書き連ねていくつもりです。「のべだら」というのは「のんべんだらり」の俺なりの略で、つまり名は体を表すというやつです。違うか。
ちなみにここでは「TRPG」という表記は基本的にしない方向です。そもそもTRPGという単語自体が、コンピュータRPGがマジョリティになったがゆえの弊害の象徴なわけですから。だいたい「テーブルトーク」ってなんやねん。床にシート広げて遊んじゃいかんのかいな。
あと個人名は相変わらず伏せる方向でいきますが、例によって詮索はしないでくださいね。
第一回 ロールプレイ歳時記
てなわけで第一回は「ロールプレイ」についてです。今でこそ「役割演技」という訳をされていますが、RPG創成期、それこそ「D&D」の時代では「演技」の要素は薄く、プレイヤー扮するPCはその職業ごとに与えられた「役割」をストイックに遂行するものであったと聞きます。
それが現在のようなかたちにかわるきっかけとなったのが「ロードス島戦記リプレイ」および「ソードワールドリプレイ」で、劇作のように振る舞うPCたちのロールプレイは、その後のRPGのスタンダードとなっていったわけです。やがてシステムもそうした「演技重視型」に合わせるように形を変えていきました。究極的なものを挙げれば、与えられた[因縁]や[宿命]をうまく演じることでゲーム的に有利なポイントを得られる、『天羅万象(零)』でしょう。PCの性格を精神的特徴で細かく設定できる『ガープス』が受け入れられたのも、こうした土壌があってのことだと思われます。
こうした変容の是非を問うことはここではしません。時代の流れというものも関与していますし、なにより商業誌リプレイ以前のストイックな遊び方を俺がしたことがありませんので、客観的に判断することができないからです。機会があればそうしたガチっぽい遊び方もしてみたいんですけどね。
「じゃあRPGってのはごっこ遊び、なりきり遊びなわけ?」という疑問が、RPGをしたことのない方にはあるでしょう(ここを覗いてくださっている方でそうした人は少ないでしょうが)。
それにお答えするならば、「そうですが、遊ぶぶんには囚われすぎる必要はありません」といったところです。自分がその遊ぶRPGの世界の住人になったらどんな感じかな? というのを一番におくとよいと思います。RPGの舞台はいわゆる中世ファンタジー的なものがほとんどですから、コンピュータRPGに親しんでいる方には想起しやすいと思われます。
いちがいにそうとは言えないのですが、あまりオススメできないのが「○○(漫画とかのキャラクター)みたいなキャラだから、こいつ」というものです。極端な例ですが、「デューク東郷のようなキャラクターを作り、後ろに立つ奴に攻撃をする」といったものです。けっこう陥ってしまいやすい落とし穴と言えます。
それが一時のネタ的な笑いであればいいのですが、頑なにそれを突き通したり「用件を聞こうか……」としか言わないなどであれば、ちょっといいものではありません。
RPGは確かに演技を要するゲームではありますが、演じることだけがすべてではありません。果たすべき物語がGMから提示され、それを他のPCと一緒になって取り組む。つまり目的があり、他人がいるのです。「あなたが○○(に似せたキャラ)の演技をするためだけの遊び」ではない、ということです。
ですから、始め(ほんとうに始め)は、自分のそのままでプレイすることをおすすめします。人間が地に足を付けないと歩けないように、まずはその世界に接してみなければ、何が自分にできて何が(まだ)できないのかを見定めることもできないわけですから。その中で余裕が出てくれば、ちょっとしたアクセントで「用件を聞こうか……」とか言っても、それはかなり自然に出てくることでしょう。
もちろん特定のキャラクターをモチーフとしたPC成型も悪いことではありません。ただ上に挙げたような極端というそのまんまなものではなく、あくまでベース、ケーキで言えばスポンジの台だけにとどめて、飾り付けは自分の手で行いましょう。ちょっと難しめに聞こえますが、なに、心配は要りません。真似をしていても、どうせプレイヤーの地が出て勝手にぐちゃぐちゃになっていきますから(笑)。
そういった紆余曲折の積み重ねが、「あなたのPC」を作り上げていくわけです。そのなかでPCのロールプレイが二転三転していくこともあるでしょうが、俺はそうした変化も、RPGの魅力のひとつだと思っています。だいたい、はじめから完成しているPCなんてやってて面白いのかい? GMや他のPCに影響されながら完成させていくほうが面白くないかい? そんな感じです。
ロールプレイと言えば、「○○みたいなキャラ」に匹敵するくらいデリケートな問題として「異性のキャラをプレイする」というものがありますね。まああんまりガチガチに考えなくてもいいかも知れませんが、それを言っちゃうとこのコーナーが即死するわけで、一応。
これは主に男性プレイヤーが女性(っていうか女子か?)PCを使用する場合にあてはまりますね。RPGの(重大な)魅力のひとつに「自分とは違う別人になれる」というものがあります。となると人間の潜在的な変身願望が疼きだすわけで、それが特に男性プレイヤー(俺含む)の女性PC使用というかたちで現れているってことです。これはあくまで俺の憶測でしかありませんが。
もちろんどんなPCを使おうが基本的にはプレイヤーの自由ですが、さっきも言ったとおり、周りのプレイヤーのことも考えて選びましょう。余りにも場を意識しすぎて萎縮するのもよくないですが、意識しないのはもっとよくないです。
つまりまあ、夢のない話ではありますが異性ロールプレイを許容してくれる場でやろう、というわけです。幸いにも俺はそうした場に恵まれているのでガスガス異性PCをプレイしています(口に出さないだけかも知れませんが……)。
ところで、人はなぜ異性をロールプレイするのでしょうか。単に「変身願望」というだけでは説明しきれない何かがあるはずです。
俺はそれを、いわゆる「萌え」に見いだしました。個人的にあまり使いたくない言葉ではありますが、萌えあればこそ、羞恥心と引き換えにしても人は異性をロールプレイしてしまうのでしょう。人の業とは恐ろしいものです。
って言うか現に俺がそうです(笑)。やれセーラー服だの和服だの、居合使いの女剣士だの。そういうキャラクターが好きで、GMの与える物語のなかで活躍させてみたいという欲求が、俺に異性PCをやらせているんでしょう。なんで他人事な書き方をするのですか俺。
でも問題なのは、「萌えるからってそれをプレイ中で完全に表現できるか」ってことなんですよね。幸い俺の萌えはいわゆる衣装的なもので、天羅でやった女剣士も「宮仕え」という点を押し出すことでそれなりに事なきを得ましたが、名前は秘しますがロールプレイに苦心して「なんか違うー」的なことを言って自己嫌悪におちいっているプレイヤーを散見したものでして。ロールプレイに「照れ」が出ると、ちょっとね。
そう考えると、発言をキーボードで好きにいじくれる「チャットRPG」の存在および普及はニーズとして当然のことかなあと。あまりに爆発したもので、プレイヤーの申し出でHP掲載を取りやめさせられたGMを俺は知っています(苦笑)。
ああ、一応女性が男性PCをプレイすることについても書きましょうか。俺の周りでは女性プレイヤーが演じる男PCは、格好つけてるっぽいけどどこか情けない雰囲気を持つってな感じですね。そういうの、やっぱり趣向なんでしょうか。
こちらについては、ロールプレイ的にこれといった問題はない感じです。ただまあ、100の質問でも書きましたけど「もったいない」と思う俺なのです。
てなわけで長くなりましたが、第一回はこんなところです。次回はそうですね、「PC(プレイヤーキャラクター)」についてよしなしごとを書き綴っていこうかなと。それではまた次回。
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