3月8〜9日  三嶺  一人


3/8

天気予報では「低気圧が通過し冬型の気圧配置になり太平洋側では晴れ、山間部では雪」
そろそろアイゼンが団子になり始め、三嶺にも大勢が押し掛ける季節に。
今期最後の粉雪を期待して三嶺避難小屋へ。

というのも、女房がいれば「また三嶺!?*・・・」と行けない可能性が大。
○のいない内にと正月の三嶺・2月のお亀岩に続き、今年三回目の三嶺避難小屋泊へ。
ひょっとすれば無人の静かな一泊が可能かもと?

金曜日の夜遅く、あっちこっちを探し食料・つまみを確保。
が、ガスのPOWERタイプが一個しかない。
ランタン用には暗さを我慢すれば使い差しのNORMALで何とかなるだろう?
焼酎は女房がいないので2合もあれば充分(後で少なかったことを深く反省する結果に!)

土曜日は8時前にゆっくり家を出る。
上空は雲一つない良い天気だが、阿讃の方角には厚い雲が。
猪ノ鼻を過ぎると、空は鉛色の冬模様。

大歩危から西祖谷へ入り観光客の少ないかずら橋を通過。
R439へ入る頃からは小雪がちらつき始める。
東祖谷で念のため携帯で北海道へ「三嶺で一泊」を連絡。返事は「好きなように」

名頃から林道へ入っても雪は無し。
猪牧場のうり坊が元気に遊んでいる脇を抜け、下の登山口に着くと2台駐車中。

上の登山口まで行けそうなのでそのまま進む。
途中凍結したところが何カ所か有り、夏タイヤのFFなので何回か途中でスリップしてストップ。
バックして勢いをつけたりしながら、4台駐車中の登山口へ結局チェーン無しで到着。
これでは、無人の小屋泊まりは無理かな?

途中の三叉路までは凍結した山路を小雪を浴びながら歩き、分岐点でアイゼンを装着。
ここしばらくの暖かさ・雨で表面は完全に凍結している。
ルートを外し笹の上を歩いても沈まない。

こうなれば好きなところをアイゼンを効かしながら歩けるため、記憶を頼りに直登する。
やがて風が強くなり始め、横殴りで雪が頬を打ち始める。
上から二人連れが真っ直ぐに下ってきた。
挨拶をして別れ、木陰でヤッケを羽織ろうと小休止。

そこへ九州からの夫婦連れが下ってきた。
登りでルートを何回か失い苦労したとのこと。
確かに、クラストした上に粉雪が積もれば先行者の足跡は見えなくなるので。

雪を纏ったまゆみの木を過ぎ、水場へ。
向かいのカヤハゲ方面はボンヤリ見えているがジロウ方面はガスの中。
最後の樹林帯の中で更に一名とすれ違う。

樹林帯を抜けると、雪が少なく笹が顔を出し夏道がクッキリと。
ここで土踏まずに装着する滑り止めだけの一名とすれ違う。
いくら三月とはいえども、この斜面では無謀と思いしばらく後ろ姿を見送る。

最後の岩からは、夏道を離れ岩の脇を回り込むように直登している。
無人の避難小屋 へ2時到着。
見上げれば凍結した池の上に、うっすらと頂上が顔を出している。

まず荷を解きコーヒーを一杯。
土間に持ち込まれている雪を掃除したりして時間を潰すが、
あまり展望も良くないので持参した月曜の会議資料を拡げる。
週末に時間がなかったものなので。

4時過ぎに、女性の単独行者がフスベヨリから上がってきた。
同宿の挨拶を交わし、いろいろ話をしている内に二ヶ月違いのお姉さんと判明。
石鎚スカイラインが出来る前の石鎚山系のことや、南アルプス縦走時に北岳から
広河原へ下り早川尾根へ上がったこと。等々ここまでは付いて行けたが、北アルプス

焼岳から日本海への15日間の縦走辺りからは聞き役一方。
脱帽させられた、凄いキャリアの四人の子供のお母さんである。
その内、さおりが原からカヤハゲ経由で若い二人連れが到着。
テント泊をするとのことで小屋裏で設営。

外を覗いても、視界は開けないのでそのままコーヒーを飲みながら話し込む。
やがて楽しいディナータイム?
焼酎を進めると「頂きます」の返事。
いつものように五合持ってくるべきであった。
ほんの少しだけのお裾分けで土佐の酒豪には諦めて頂いた。

8時過ぎまでシュラフに半身を突っ込み土間越しに話し込み、就寝。
2時過ぎに目を覚まし、ペットボトルから水を飲もうとするが2・3滴しか出てこない。
完全に凍っている。温度計を見るとマイナス5℃。
しかし、冬を越した体が慣れているのか寝袋の中では寒さはあまり感じない。

3/9

6時過ぎに目を覚まし外を見ると昨日より視界は悪い状態。外気温は−12℃。
仕方なしに朝食を終わらせ昨日の話の続き。
彼女も現役の勤め人で、お互い後○年で定年。
その後はせめて十年ぐらいは元気で歩きたいとか超現実的な話も。
この年になると、お互い定年後のバラ色の天国(地獄かもしれない?)の様な生活を
夢見るようになっているものだ。

時折小屋へ薄日が差し込むが、依然として展望は駄目。
結局10時まで待つが、回復の気配なし。
仕方なしにお互い荷物を纏め始める。
外のテントも撤収し始めた。

10時30分、前後して頂上を目指す。
エビの尻尾が成長し、頬が強風に打たれ痛い。
展望は1月2月と同じく、全く零。どうも今年は嫌われているみたいだ!
カヤハゲ方面へ下る三人と別れ、小屋へ引き返し下山にかかる。

粉雪が舞い続け、昨日のトレースは綺麗に消してくれ汚れ一つない純白の斜面。
樹林帯へ入っても同じ状態。上がってくる人には迷惑だろうが、粉雪の上を勝手に
トレースをつけながら下る。

分岐までくると、恐らくここまで来て引き返したらしい新しい往復の足跡が。
周りの木々も昨日と打って変わって白装束。粉雪は舞い続けている。
登山口まで戻ると車にも雪が積もっている。
チェーンを装着し、ゆっくり下る。
昨日地面が出ていた猪牧場までの路面が白くなっている。
徐々に雪が強く降り始め、R439沿いの民家の屋根が白くなっている。

周りの杉木立は、黄色い花粉と、葉の緑と、雪の白さのミニ三色染めである。
徐々に雪が強くなり始め、やがて横殴りの吹雪模様。
大歩危トンネルまで続き、トンネルを抜けると急に明るい青空が頭上に現れる。
逆「雪国」パターンモード。

そのまま池田まで走らせ、温泉へ入り汗を流し、一人なのでビールを我慢し帰途につく。
恐らく今期最後の、充分雪を堪能した一泊山行でした。


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