前回に西熊山・北尾根を歩き、「静かさ」に味を占めた?軟弱ペアーが身分不相応に今度は三嶺西側の1806mピークを目指した。
前回と同様に土曜の夜出発。というのは、前回以上に時間がかかりそうなので今回は夜が明けると同時に歩き始めようという計画。
天狗峠登山口に着いたのが21時30分。一台だけが駐車していた。車中で前祝い?に冷や酒を二人で飲み、睡眠。空には月が煌々と輝き、明日の好天を保証し
てくれている様子。
朝5時前に起き、月明かりの中を登山口目指す。空には北斗七星が輝き、眼下には樹林越しにR439の灯りが見えている。取り付きに到着し簡単な朝食を取り
ながら夜が明けるのを待つ。前回「雨を告げてくれていたカラス」は今日はいない様子。
6時30分スタートし、途中までは前回のルートを辿る。天候も良く、振り返れば烏帽子から寒峰への稜線が樹林越しに見え隠れしている。旧道に到達し、今回
は左へ進む。枯れ沢に着き、ここから旧道に別れ標高差600mの登りである。
沢筋がブッシュに覆われ歩き難くなったので左手人工林へ逃げ込むが、サルトリイバラの棘に悩まされる。革製の手袋が役立ち棘は気にしなくて良いが、衣服に
絡むと強引に突破は出来ず時間をとられる。
やがて、少し傾斜が緩み、山仕事路を見つけるがほんの少しで途切れ、あとは獣道を追うばかり。所々開けた場所には苔むした地点があり目を和ましてくれ、足
下には動物の糞があちこちに見受けられた。

【苔むした樹林帯】

【動物の糞】
ここからはほとんどが両手両足をフルに使いながら急斜面をよじ登る状態となる。徐々に笹も深くなり、少し間隔を開けるとTOPを歩く連れ合いの姿も笹に隠
れ始める。

【笹の中の登り】
樹林越しに上の尾根が見えているが、視界が効かなければどちらの方向へ進んで良いのか悩むような斜面である。
やがて傾斜が少し緩やかになり、尾根の先端へ辿り着く。斜面には何カ所もヌタ場・寝床が点在し動物たちの楽園であろうか?
尾根へ上がり小休止。だが笹が深く、時折笹がないところは倒木が横たわっているという前回と同じ状況。獣道を探しながら進むと、新しい笹が敷き詰められた
鹿の寝床が何カ所か現れる。
突然前方で「ウォーン」という低い警戒音?とっさにザックに付けている鈴を打ち鳴らした。「何だろう?熊だろうか?」T氏の記録にも同じ内容のことが記さ
れている。
少し進むと、3m程先で突然笹の中を走り去る音&笹の動き。しばらく立ちすくみ笹が揺れる音が遠ざかるのをまち、音がした場所へ向かうと鹿の寝床。昼寝し
ていた鹿を起こしたのだろうか?それにしても先ほどの鳴き声といい心臓に悪い場所であるが、それだけこの辺りは人があまり入っていないせいか動物達の楽園
そのものである。無断で侵入している我々の方が悪いのかも知れない。

【鹿の寝床】
ほぼ尾根沿いに獣道を追っている内に今日初めての日光が当たり始める。前方の樹林越しに1806m峰が見え隠れし始めるが、まだ遙か彼方の様子。相変わら
ず尾根上で笹の中の獣道探し。運良く見つければ楽勝モード。見つからなければ・・・。でも、この辺りが今日一番楽に歩けた所であった。
地形図上の1720mのピーク辺りは笹原になっており、獣道が縦横に走っている。笹原の中の岩の側で小休止。見上げると頭上の1806m峰にガスがかかり
始める。ここからが今日一番の難ルート。今までのように獣道が見つからず、露で濡れた笹を掴みながら直登するが、なかなか進まない。
ピークに近づくと今度はコメツツジの大群がピークを守るように立ちふさがっている。薄いところを選び突破しようとするが、一歩がなかなか踏み出せない。枝
に横たわるようしながらほんの2・3m先の笹原が一向に近づかないもどかしさ。やっとのことで突破するが、足の短い連れ合いはコメツツジの中で何時までも
もがいている。5分ほどかかってやっと出てきた。時刻は11時30分。取り付きから5時間経過していた。
ピークからは本来見えるはずの三嶺はガスに包まれ視界は×。しばらく待ってみようと昼食タイムに切り替えるが、湯を湧かそうにも一面の笹原で開けている場
所がない。しばらく辺りを探し何とか20p四方の隙間を見つけここでコンロを使う。例によってアルコール付きの豪勢な?ランチタイム。食事をとりながらi
-modeで掲示板へ書き込むが、明るいため画面が見辛い。.
食後のコーヒーを飲んでいるうちにガスが薄くなり、三嶺山頂が姿を現し、やがて塔の丸や遠く剣山・次郎笈も顔を現れ始める。見下ろせば菅生の集落も見え、
振り返れば西熊山もくっきり見えしばらくの間展望を楽しむ。

【1806m峰より】
時間もないので重い御輿をあげ縦走路を目指す。途中のコルには幾筋もの獣道が集まってきている。丁度凱旋門に路が集中するような感じであり、動物君達の社
交場なのだろうか?

【山上の交差点】
あとは低いミヤマクマザサを踏みつけながら(誉められたことではないが)縦走路へ出、西熊方面に右手へ進む連れ合いと別れ、ザックを道端に置き一人で三嶺
山頂へ上がる。静かな山頂から展望を楽しみ直ぐに引き返す。

【三嶺山頂より】
西熊への登りから振り返れば今日歩いた1806m峰へ続く尾根が祖谷渓へ向かって下がっている。

【右端が三嶺、左が歩いた尾根】
西熊手前で追い付き、あとはのんびりお亀岩・天狗峠へのハイウェイ上の散策コース。お亀岩から振り返れば西熊山もくっきりと。
気温も高く半袖で充分な陽気。
天狗峠からの下山途中のブナの大木は、前回残っていた枯葉も落ち裸になり枝を複雑に伸ばしていた。

【ブナ】
途中の作業道を経由し車に戻ったのが16時40分。
薄暗くなり向かいの斜面の民家に点々と灯る明かりを見ながら林道を下り、定例のさまちの湯を目指し帰途につく。
我々軟弱ペアーには少し厳しい行程ではあったが、12時間近くの歩きのすべてに満足した静かな「自然との触れ合い」で
した。
それにしてもびっくりさせた動物達には「ご
めんなさい」でした。
【注
意;今回のコース上に登山道はありません。
残置テープも勿論皆無です。
地
形図・磁石等で自己の責任で歩いて下さい。】
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