「風景」
雨の雫が輝く午後
自分でコーヒーを入れる
君が入れてくれたコヒーは美味しかったのに
自分で入れると何も思わない
君を失ってから
僕の日記は真っ白のままだよ
いつまでかわからないけれど
真っ白だから紫陽花の
花びらを挟んでおこうか
by 貴水水海
「白い窓際」
ざらついた舌
いつまでたっても口が潤わない
今日は雨の日
ほら
牛乳がこぼれて
全部真っ白
ほら
牛乳がこぼれて
全部真っ白
しとしとと
窓やノートに誘われて
ほら真っ白
by たけしいたけ
「スリップと恋愛論」
カーテンレールに
君の抜け殻が揺れてる
突然降って来た雨
味方についた ね
口実ができた 君は
濡れた抜け殻
わざと窓辺に干して
僕は 風邪を心配するふりで
もつれこんで ふたり
笑って
熱々のコーヒーも
忘れられたままで
無駄に厚いは恋愛論
言葉は とうに逃げ出したあと
by 甘井サブレ
『雨のひととき』
ぼんやりと
そう
私はぼんやりとしていた
こんな雨の一日は
退屈すぎて
カモミールのお茶をいれ
「ハーブ料理」の本を取り出す
パラパラとめくり
それでもまだ
雨はしとしとと降り続けている
あの人は・・・
ううん
そんなこと考えるのはやめよう
もう終わったことなのだから・・・
去年浸けておいた金木犀の花弁
そう
こんな日は
琥珀色のゼリーでもつくってみようか
退屈なこんな日は
花びらをすくって
そっと口に運んでみようか
思い出は
食べてしまおう
ふふっ・・・
あら?雨があがりそう・・・
だわ・・・。
by 日高 響
「柔らかく、僕の目の前で開かれた真っ白なノート」
ぼうっとしすぎて
ーーー苦笑
窓から迷い込んだ風を感じるまでは
生きてる事すら、忘れていました
貴方の残り香が
まだ
首筋に漂っています
貴方の全てを
もっと
もっとと…
そう思うから
こんなにも、つかの間の離ればなれが切ないのでしょうか
魂が抜ける事は
美味い酒に酔う様に
まぶたを重くして
そして
指先を、真っ白なノートに迷わせる
空っぽな僕から
空っぽな言葉が生まれ行く
虚ろな指先が
乾いた音をキーボードから響かせて
正体不明の
灼熱が切ない…
あ・あ…あああ
真っ白なノートさん
君を汚す僕の灼熱を
どうか
どうか飲み干して下さいね
by 熱燗
〜やわらかい午後〜
紫陽花の葉が濡れる音が聞こえるぐらいの
やさしい雨の午後でした
窓につたう雫をひとつひとつと数えていたら
いつの間にか寝むっていました
書き始めた日記帳の真っ白なページに
顔をうずめて
夢の中にはあなたがいて
いつものように笑っていて
ほんの少しだけ湿っていた心も
いつの間にか また晴れました
こんな優しい雨は大好き
こんなやわらかい午後は大好き
by ルナク
〜匂い雨〜
ほんのり甘く
あなたが匂います
雨あがり
洗いたての窓ガラスに
美しい涙
やんわりと優しく
あなたが匂います
雨あがり
磨きたての窓ガラスに
恋心溢れるばかり
会いたいな
会いたいな
冷たい雨からかばってくれた
あなたのジャケットの匂い
思い出す
会いたいな
明日もまた
会いたいな
by 七海月香
やさしい雨と
かなしい雨は
きっと そんなに変わらない
あとには虹が、でるよ
さよならしたって
きっと そんなには変わらない
はず
ずっとずうっと考えて
ホットミルクは冷めちゃいました
by いさな
〜空白の日記帳〜
外は雨です
真っ白な日記帳には
書くべき言葉がみつかりません
雨にかすんだ外の景色が美しいとか
そんなことばかり考えて
記したかったのは
そんなことではなかったはずなのに
ペンを持つ手は動きません
今日は書くことがありませんと
日記帳を閉じようとしたとき
視界の端で揺らいだのは白いカーテンで
ささやかな草原の風のようでした
わたしはペンを取ります
一口だけ苦い珈琲を口に含んで
きっと明日は晴れる
たった一行だけ
それが今の全てでした。
by 小竜
深呼吸する
朝
僕は
ありふれた
風になり
ましろい
森の時間に迷い込む
冷めたコーヒー
消えたエンピツ
ゆれているのは花
ゆらしているのは雨
ページの端は夏の海
石の階段かけあがり
エメラルドグリーンの
深い森に小舟を漕ぎ出せば
とろけるようなキスの雨
by tamago
ねえ、わたし退屈なの
退屈なのよ
でも幸せなの
こんな雨の午後は
眠気と戦いながら
古い小説を
読んでいたいの
眠っちゃダメ
眠っちゃダメって
自分に言い聞かせながら
でもたぶん寝ちゃう
たぶん
by チアーヌ
〜雨曜日〜
お気に入りの詩集と
ハーブティ
ひとりの時間
窓辺は雨模様
雫に映った顔は
微笑んでいる?
by 落合朱美
君の残した日記の中には僕の知らない君がいた
同じ出来事を眼にしていながら
いったい何を見ていたのだろう
誰に向けられたのでもない君の言葉は
そのままに想いを残していた
伝えてくれたらと君を責める前に
なぜ僕は気づかなかったのか
君は僕の無理解と無関心を
あきらめながら期待していたのに
一番近くにいるはずの僕が
本当の君を何も知らなかった
してあげられたはずのことを
いくら嘆いても仕方ないけれど
誰より大事なはずの君を
守りきれなかったことが悔しくて
ごめんよ 君の愛してくれた奴は
君が思っているよりずっと愚かだった
笑って許してくれた君はもうここにはいない
by 一筆