奇抜なタイトルで詩を書こう!!



甘井サブレさんが始めたこの企画。 どっぷりと、はまってしまいました。
普段なら、想像もつかないようなタイトルで、詩を書く。 この、少し自虐的な企画は意外な作品を書かせてくれます。
また、主催者とのタイトルの交換で、選ばれなかったタイトルを参加者同士が更に交換して書くという、
なんともチャレンジャーな『勇者への道』も辿ってしまいました。 笑



第1回   〜甘井サブレ様 主催〜

お相手 さちのタイトル お相手のタイトル
甘井サブレ様・・・主催者 のり弁のちくわ天ぷら 女神の高いびき 〜失言篇〜
落合朱美様・・・勇者 国民年金加入 最後の女帝の恋の詩


         
      <のり弁のちくわ天ぷら>

                        甘井サブレ

    主役は だいぶ昔から
    いろいろな説があるのです

    ど真ん中にどどんと乗っけられている
    白身魚のフライだろう とか

    のり弁だもの やっぱりのりでしょう とか

    いやいや 実は のりの下に隠れている
    おかかの甘辛味でしょう とかね


    そんな中で
    僕の隠れた好物の
    ちくわ天ぷらの
    肩身はなんとも狭いのです


    ちくわ天はでしゃばりません
    白いころもにちらほらと
    青海苔の香りも上品に
    おかず仲間の隅で そっと微笑む


    そんな 健気な明るさです


    主役にはなれそうもない
    そんな ちくわの天ぷらを
    僕はなぜか 大好きで
    決まって真っ先にひと口を齧って
    後は最後に取っておくのです


    どんなお店ののリ弁も
    白身魚フライとのり段だけでは
    いくら美味しく装っていても
    ひどく 僕は
    さみしくなるのです


    きんぴらはちょっとがさつだし

    桜漬けときたらよそ見ばかり


    いつも 笑っているのは
    ねえ ちくわ天だけだから
    さみしくなるのです



    作業着姿の 腹ペコの僕に
    ほかほか温いのり弁を

    「お待たせしました!」
    と 手渡してくれる
    白い三角巾が良く似合う君の



    明るい笑い顔に

    会えない休みの日のように

   
   
<女神の高イビキ 〜失言篇〜

                         さち

 空想は
 無声映画のスクリーンの中

 ヴィーナスは眠る
 美しい横顔

 滑らかなその頬
 長い睫
 甘い果実のような唇
 緩やかに波打つ胸

 ああ できることならば
 その隣に
 あなたの眠りを妨げることなく
 そっと寄り添いたい


 やがて現実を知る
 映画はトーキーの時代へ

 ・・・!!!!

 ヴィーナスは眠る
 今日も一人

 「女神様、過去の発言は無かったことに!
  これからも 遠くから貴女を見つめるだけにいたします」


 寄り添って眠るのは
 ハナペチャの女
 けれど 安眠は保障された


       
<国民年金加入>

                       落合朱美

  今年のはじめに
  度重なる督促に負けて
  払いましたよ
  溜め込んでいた一年分
  もうもう絞っても血も出ません

  それなのに

  CMで声高に叫んでいた
  江○○キ子も滞納し
  国会議員や閣僚たちも
  がん首揃えて払っておらぬと言う

  なんじゃそりゃ!?

  最初に泣くのも最後に泣くのも
  いつも善良な小市民で
  超高収入者やお偉方は
  その上に鎮座して
  涼やかに笑いながら
  知りませぬ存じませぬで
  すべてをきり抜けなさる

  それにしても

  嗚呼こんな世の中
  老後の為とは言いながら
  とりあえず大事なのは今の生活
  だからもうもう
  無い袖は振れませぬ

  この上は社保完備の会社に
  転職しようかと
  寸暇を惜しんでハローワークへ
  いそいそと出向く私の哀れ


   <最後の女帝の恋の詩

                     さち

 誰もこの部屋に入ってきてはならぬ
 この指先が冷たく震えていたとしても
 誰も抱きしめたりなどしてはならぬ

 私は強く 賢く 
 全てを所有し
 全てを決断し
 全てを切り捨てる

 私は・・
 私は・・!!



 声高に 高飛車に
 そう叫ぶのは
 自分を守る 嘘の鎧

 私に傅く者が
 何人いても
 彼(か)の人が訪れることはないのだ
 わたしを抱いてくれることなどないのだ

 わたしは弱く 愚かで
 ただ一人を狂おしく欲し
 なす術もなく
 想いを残す

 わたしは・・
 わたしは・・!!



 涙を押し隠し
 己の想いから無理にそむけた横顔を
 気丈に
 凛々しいと
 群衆の中で見上げる人よ
 わたしは 女なのだ・・・