バシッ!!


かなり前のことではあるのだが。
時は、夏。時刻は夜。
私は二階の子ども部屋を覗いた。
この暑いのに窓が閉まっている。(クーラーなんてモンは無いのである。)
当時、家の前は広い駐車場だった。
だから、南と北の窓を開けると、風がある日なら結構気持ちよいのだ。
風通しの良さで、辛うじてクーラーが無くてもやっていけたのだ。

「何で閉めてるのよ・・・。暑いじゃないか。」
面倒くさがりの私は、部屋の電気もつけないままガラガラと窓を開けた。

バシッ!!

真っ暗で何も見えない私のオデコに、何かがいきなり当たったのだ。窓を開けたとたんに。
「え・・?なに??」
私は部屋の電気をつけた。
窓と私を結ぶ延長上の部屋には押入れがある。
振り向いて押入れのほうを見る・・・。

ゲゲゲッ!!

ソコには、真っ黒に黒光りする特大サイズのゴキちゃんが!!
そう。ゴキブリは飛ぶのであるよ。
普段、台所の隅なんかをゴソゴソ這い回ってばかりいるから忘れてたけど・・・。
きっと、夏の太陽が沈んで、いくらかしのぎやすくなった頃、夜間遊覧飛行の最中だったのかもしれない。
駐車場の上は広々としてて、気持ちよく飛び回っていたのかもしれない。
一休みで、うちの窓のあたりに留まろうとした、ちょうどその時に私は窓を開けてしまったのだ。
で、オデコに・・・。
ゴキちゃんも焦ったのだろうが、私だって驚いた。
ゴキちゃんは仕方なくそのまま直進し、押入れに留まった訳だ。

「ぎゃぁぁぁ〜〜〜。誰かぁ〜〜〜!!」

私の叫びが・・・。


這っているゴキブリもイヤだけど、飛んでるのはもっと怖いよ・・・特にぶつかられると・・・。