飛行機


かなり困ったもんだと思った。
3〜4年前、ぐりの友だちが少林寺を習いに中国へ行ってみると言って、その出発の日。
朝早く発った彼を思って、私がこぼした一言。

「今ごろどの辺かなあ。もう着いたのかなあ。まだ飛行機飛んでるのかなあ・・・?」

確か4時過ぎだった。

それを横で聞いていたぐらがすかさずこう言った。

「そんなにいつまでも飛んでられるわけないじゃん!!」
「???」
「だって、飛行機は助走(滑走のことだと思う)の勢いで飛んでるんだから!」

ますます私は「???????」

ぐりと私は顔を見合わせた。
「今コイツ、なんか変なこと言わなかったか?」

えっ?えっ?助走の勢いで飛行機が飛ぶ??

もちろん二人で吹き出した。
「それじゃあ、紙飛行機だろ!!」
「じゃあ、ジェット燃料はなんのためにあるんだっ!?」
・・・・本当にその歳までそう思ってたんだろうか。

それだったら、遠くへ行くにはたくさん滑走距離をとって勢いをつけなければならないことになる。
その上、目的地にあわせてその度に滑走距離を変えなければならないことになる。
滑走路には目的地にあわせた踏み切りラインが、何本も引かれているのか!?



「ご搭乗のお客様にご連絡いたします。
当機は当初名古屋空港へ向かう予定でしたが、踏み切りラインをオーバーランしてしまいましたので、
名古屋には下りられません。伊丹空港に変更となります。・・・ピンポ〜ン」

ということなのか?
更に、滑走距離が短すぎた場合など悲惨なことになる。


「ご搭乗のお客様にご連絡いたします。
当機は機長がせっかちな為、踏み切りラインより大幅に手前で離陸してしまいました。
那覇空港にたどり着くわけがありません。現時点で洋上に不時着することは決定的ですので、
皆様、予め救命胴衣を着用の上覚悟しておいてください・・・ごめんね・・・ピンポ〜ン」

そんな危険極まりないものに、誰が乗るんだろうか。
馬鹿言ってんじゃないよ。


どうして、そんな妙な考えをもっていたんだろう??
ありえないことだ。

こちらは『当然知っているもの』と思っていても、そうじゃないことってあるんだな。
とは言え、ぐらの『飛行機』の話は極端すぎるか・・・。

しかし、このあと私とぐりは「もしも、ぐらの言うとおりの方法で飛行機が飛んでいたら・・・」という仮定で、
ありとあらゆることを想像し、いろんな馬鹿げたことを言い、タップリ楽しませてもらった。