ミーとぐりとじじ
ぐりがまだ、1歳になるかどうかのハイハイをしていた頃、家にはミーという名前の真っ白い猫がいた。
正確にはぐりが生まれる前、私が結婚してこの家に来た時からミーはいた。
もう随分長く飼っているオバサンの猫だった。
それでも、出産前は「赤ん坊をかじったり、引っ掻いたりするかしら?」と心配したが、
幸いミーはタチの良い猫だったので大丈夫だった。
ぐりが座布団に寝かされていても、ミーは上に乗ることも無く、足元の所で丸くなって一緒に昼寝してたりした。
ぐりはミーが大好きだった。
ミーの餌はオカカ御飯と茹でたモヤシ。
私も最初は不思議だったが、ミーはモヤシが好物だった。
台所の隅にオカカ御飯とモヤシがいつもあって、ミーが勝手に食べられるようになっていた。
ぐりがハイハイをするようになると、ミーと目の高さがほぼ同じになる。
家の中を動き回るうちに、ミーの餌を食べてしまわないかと思ったが、「ミーのマンマねえ〜。」といつも
みんなが言っていたせいか、食べてしまうことは無かったようだ。
ある日、私は買い物に行こうと思い、家にいたじじにぐりを頼んで出かけた。
色々買い込むときは、赤ん坊はいないほうが楽である。
小一時間して家に帰ってみると、これは一体どうしたことか??
玄関にモヤシ、ソファの上にもモヤシ、廊下も、台所も、階段下も、モヤシ、モヤシ、モヤシ!!
「なあ〜にこれ!?どうしちゃったの??」
居間に行ってみると、テレビが付けっぱなしでじじは座椅子にもたれて居眠りしている。
ぐりはハイハイでミーのあとを追いまわしていた。
ミーおばさんは、(ああ、うるさい・・・ほっといてよ、かまわないでよ。)というように、面倒くさそうに逃げていた。
ぐりをよく見ると、片手にモヤシを掴んでハイハイしている。ミーに食べさせたいらしい。
(そうやって追い掛け回しているうちに、家中モヤシだらけになったんだな・・・。)と、私は思った。
すっかり寝ているなら、テレビを消そうと、もう一度じじを見た私は「あ〜ら〜、やだあ〜!!」
ぐりの上に乗ることは無かったミーだが、追い回されてじじの上は乗り越えたらしい。
スヤスヤ眠っているじじは、全身モヤシまみれだった。