with 水口京子
私は「寝そべる女」である。 バラ色の石鹸 色褪せた天体写真 和紙に印刷された胎蔵界曼荼羅 今、頃は、夜半 中天に十六夜月が掛かる 月光は鱗雲を透かし 太白(きんせい)の煌きは風の御心のまま ―――ね、ころがり 怠惰なる、た、めいき 月光を肌に染ませば 次の闇月に光るのだ 錆びた窓枠が 神秘の陰影を醸す ―――よ、い、ながめ 寝っころがって キセルで一服 紫煙は少し澱んで ワタシの輪郭をけぶらせる 投げ出した脚が、白い 月明かりのもと長長と寝そべる女体 此処に画描きがおればよいのに 半ば眠り 半ば覚醒 このモードでいるとアヤカシが見えるな 庭の椿が、 痩せた少年に変化(へんげ)している 床の間の香炉を、 凝視しているノッペラボウ よいよい 今、とても善い気持ちだから ―――み、のがしてや、る |
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