MR. Strangelove, M.A., or: How I learned to stop worrying and love IR.

The TA Gazette in Canada

里竹日記「カナダTA時報」

The TA Gazette in Canada



以前の日誌へ|




2002/04/29 3:11
Xデーまであと2日

 雪。古代進の恋人。ではなく、正真正銘の雪。おまけに吹雪いていた。1週間前の日記にも書いたが、何をどうやったら4月の末に雪が積もるのだ? エルニーニョとか、異常気象とかそんな話はもう通用しない。これは何かがある。わたし達の想像をはるかに越えたところで何か大きな力が働いているに違いない。それは例えば空港に及んでいるかもしれぬ。ねぇねぇ、ヒコーキ飛ばなかったらどうしよう? いけない。こんなことを口に出したらホントに飛ばないかも。Xデーは晴れて欲しい。トミー、テルテル坊主で祈ってくれ。


2002/04/27 0:11
Xデーまであと4日

 セドリックの出生地が判明。1年前までわれわれが住んでいた下宿のごく近所であった。当地のダウンタウンで育ち、子役スターとして活躍し、米国で博士号を取り、生まれ故郷でポスドクをやるという人生。カラフルである。
 期末試験の採点のため、TAミーティング。比較的気の合う同僚のインド人女学生(人妻)と話していたら、「あなたって他の人とは違うのね。誰とも似ていない」としみじみ言われた。こういう言葉は、発言する人と、交わされたシチュエーションですくなくとも23通りに解釈できる。


2002/04/26 1:11
Xデーまであと5日

 仮説: 学期末、徹夜続きの大学院生はチョコレートとコーヒーの消費量が異常に増える。
 データ: 里竹のここ1週間の消費量(推定)
      コーヒー 5杯 /1日
      チョコレート 板チョコ3/4枚 /1日

 ねぇねぇ、かあさん、このへたれTAはどうやら糖尿になりたいらしいぞ。



2002/04/23 19:41
Xデーまであと7日

 くだんの投票行動ペーパー。
"Capricious or Strategic? Non-Partisans' Voting Behavior and Party System in Japan, 1993-1996"

 提出したドラフトがギルちゃんからのコメントつき返ってきた。曰く、"great title." もっともそこしか褒めるところはなかったようである。かくなる上は「タイトル付け屋」なる商売を始めようかと思う次第である。手始めにジェイとトミイの学位論文からいってみよう。もちろん本人からの承諾はまだない。論文の要約を送ってくれたら、ひとつかっこいいのを考えるけど、どうかね?ん?



2002/04/22 18:11
Xデーまであと8日

 今日は小雪が舞っている。先日まで20℃あったのに。何をどうやったら4月の末に雪が降るのだ。どういうつもりだ。えぇぃ、こら。答えてみぃ。罵詈雑言も天候にまで及ぶ学期末である。
 ギルちゃんの授業でペーパーのプレゼンテーション。"Capricious or Strategic? Non-Partisans' Voting Behavior and Party System in Japan, 1993-1996" などという Electoral Studies とか Political Behavior にでも掲載されそうなタイトルである。内容はともかく、日本の選挙の話をすると教授を始めクラス学生は「未知との遭遇」を実感したようだった。日本の選挙では候補者の名前を投票用紙に書くのだというと、一様に驚いていた。まじ?と全員の顔に書いてあった。読み書きできない人はどうすんのよ、というわけだ。欧米ではマークシートかパンチで穴あけが常識である。さらに、候補者は投票者が書きやすいように名前をひらがなで表記するのだというと、「おおー」とのけぞっていた。のけぞるな。さらにさらに、ペーパーへの質問はそっちのけで日本の投票風景のことをしゃべる羽目になった。ここ5年ほど投票してないから覚えておらんと告白すると、ペーパーのテーマはおまえ自身か、ということでオチがついた。


2002/04/20 0:11
Xデーまであと11日

 とりあえずペーパーの採点が終わった。採点こぼれ話。わたしの受け持つカンファレンスに南米のカップルがいる。女の子のほうは、ジェニファー・ロペスを清楚にした感じで、ボディはそのままという南米エキゾチック美人(というカテゴリーがあるか知らんが)。男はむさ苦しい南米マッチョ。問題は彼らのペーパーである。同じテーマ、同じケース、全く同じ理論的切り口で、同じ論理の運び、おまけに使用文献も95パーセント重なっているという徹底振りであった。普段の議論の様子から女の子の方が優秀であることは明らかであるので、彼氏君が真似したんだろうな、と想像する。これを問題化することも考えたが、学期末の貴重な時期にわたしが失うエネルギーと時間と、彼らが失うものと(ペーパー零点?)、わたしが得るもの(ほぼゼロ)とを勘案した結果、厳しい点数をつけることで済ませることにした。わたしは別に生徒を罰するためにTAをやっているわけではないので、公平性を保てる範囲でたいがい甘い点数をつけるのであるが、職業倫理と学問上の倫理の観点からすると、わたしの判断は問題ありなんでしょうか。ちょっと悩ましい。悩ましいので自分のペーパーが進まない。進まないのでジェイに電話したりする。ジェイにとってはとんだとばっちりである。すまぬ。



2002/04/09 02:11
BGM: Lynda Lemay,"Ailleurs"

 TAクラスのペーパーを受け取った。採点の悪夢、再び、である。先学期のペーパーの採点では、少し苦い思いをした。こちらは教育的効果をねらった親切心でコメントし、なるべく長所を褒め、こうしたら改善するよ、とアドヴァイスした。ところが学生らの反応は、「こんなにも褒めてるのに点が低いとはどういうことだ」というものであった。ということで、今回は、欠点をはっきりと指摘することにした。日頃からの罵詈雑言を生かすときが来たのだ。覚悟したまへ。しばらく更新ペースが落ちると思います。落ちてなかったら、サボっているか、ストレスがたまっているか、どちらかなので、やさしく励ましてください。新連載のほうは続ける予定。チャオ。



2002/04/08 18:11
BGM: Diana Krall,"Maybe You'll Be There"

 休講。以上。

***

 編集後記。クリスからのメール。「里竹へ。今日クラスがあるとは思ってないといいのだけれど」(月曜日、午前8時18分送信)。わたしはメールを10時ごろチェックしたのだが、なぜかクリスのメールは届いていなかった。これほど完璧な行き違いも珍しいであろう。ホルマリン漬けにして標本に残したいくらいだ。わたしは教室に行き、別の授業の準備をしていた。11時30分、ギルちゃんの授業が始まる時間。誰も来ない。35分。ローラが来る。どうやら彼女も情報をつかんでないらしい。わたしの英語が拙いためにギルちゃんのアナウンスを聞き逃していたのかも、という疑念は晴れた。いや、先週、ギルちゃんは授業の最後にアナウンスしたのかもしれない。そして、ギルちゃんのプロジェクトの下で研究している他の学生には伝わったが、そうではないわたしとローラには、その場では伝わらなかったのかもしれない。まぁ、よくあることだ。ただ、哀しい思いが残った。


2002/04/08 0:41
BGM: Diana Krall,"The Night We Called it a Day"

 ときは深夜、日付が変わって月曜日である。10時間後のギルちゃんのクラスでは、学生がペーパーのプレゼンをし、他の学生が討論者を務める。わたしはクリスの討論者をする予定である。ギルちゃんは先週、「そうねぇ、日曜日の午後までに発表者はドラフトをメールしてくれる?」と話しておった。夕方になってもクリスから連絡がなかったので、「急かすつもりはないけど、遅くても日付が変わる前にドラフトを送ってね」と低姿勢でお願いした。が、しかし、である。この段になってもドラフトが来ない。どうやって討論者をやれというのだ。ぶっつけ本番じゃ、無理だよ。ムリムリ。だって聞き取れないもーん。その場でペーパー渡されたって読めないし。知らないよ、わたしゃ。おーい、クリス。これを読んだら、ペーパーを大至急送ってよこしなさい。おねがひ。

2002/04/07 03:21
BGM: Diana Krall,"I Get Along Without You Very Well"

 木曜日のカンファレンスでのこと。ガリ勉タイプのジェシカがペーパーを持って来た。提出前に草稿を添削しろとでもいうのかな、と思ったら、最終原稿だという。す、すごいな、この娘。締め切りは来週の月曜日なのに。わたしなんかいつも締め切り日、しかもオフィスが閉まる直前に持っていくぞ。そんなことを自慢してどうする。カンファレンスの後、ペーパーをぱらぱらとめくってみると、何か足りない。参考文献リストが欠けていた。メールでリストを送るようにと連絡する。「もう、自分が信じられない。ごめんなさい。知らせてくれてありがとう」とすぐに送って寄越した。まったく世話が焼ける。まぁ、あのまま放っておいてもよかったんだろうなぁ、とお人よしの里竹は思う。これもTA評価を恐れる所以の行動か。過剰に親切なTAを演じている。この小心者め。TAの話になると、セルフ・イメージが限りなく縮小していくのであった。



2002/04/06 15:21
BGM: Roch Voisine,"Am I Wrong?"

 今日の罵詈雑言。昨日のTAミーティングで集まったとき、図書館の本が見つからないという話になった。どうやら学生が隠すらしい。ペーパーを書くとき、トピックに関する重要文献を独占したいがために、そして、他人が自分よりよいペーパーを書けないように。学部生だけでなく、大学院生にもそういった輩がいるという。まことに許しがたい。競争の激しいアイビーリーグの大学ではそんなことは日常茶飯事だと聞く。翻って鑑みるに、わが故国の学界事情も似たようなものかな、とも思う。資料・史料を独占したり、データの公開を渋ったり、まぁ、そんな話はよく聞く。フリーライダーはもってのほかであるが、学問における良心・モラルとは何か、知的蓄積への貢献とは何か、ときどきは立ち止まって考える必要がある。


2002/04/06 0:58

The TA Gazette in Canada Presents
"Mr. Strangelove, or how I learned to stop worrying and ask her out"
Now Available (8)


2002/04/05 18:21
BGM: Diana Krall,"S'Wonderful"

 お昼にTAミーティング。ボスのセドリックと7人のTAが集まり、ペーパーと期末試験の採点について話し合った。いかにわれわれの負担を軽減するかという話から、いつの間にか、いかに学生が愚かな質問をしてくるかという報告会になった。わたしは朝のカンファレンスという一仕事を終えて、ぼーっと座っていた。静かにしているわたしを見たTA同僚のインド人女学生が声をかけてくる。「里竹、大丈夫?」と気遣ってくれている。そのときの会話の再現。

 "Are you OK?" she said. "You look like..."
 "...Look like handsome?" I said.

一呼吸おいて、皆に大爆笑された。失敬な奴らじゃ。教訓。どうやらわたしはブサイクらしい。うすうす気づいていたけれど。


2002/04/05 0:32
BGM: Diana Krall, "Besame Mucho"

 800番を踏んだ方、ゲストブックに自己申告くださいませ。「里竹日誌キリ番ゲット会」(TKクラブ)会員番号8番を差し上げます。そのうち特典がつくかもしれません。お楽しみに。

***

 タイガースが64年ぶりの開幕5連勝を飾ったらしい。大阪でははやくも道頓堀に飛び込む者が出たと聞く。ひとはなぜタイガースを愛するのか。なぜその愛から逃げられないのか。かかる疑問について、後日論じることにする。ここでは、タイガースファンと呼ばれる慢性的共依存症候群におけるその傾向と対策を論じるにあたり、弁証法的手法が有効であることを指摘するにとどめる。ちゃお。


2002/04/04 3:02
BGM: Junko Onishi Trio, "You've Lost That Lovin' Feelin'"

 TAのクラス。ペーパーの締め切りを一週間後に控え、学生の動きが慌しくなってきた。学生がわたしのところに相談に来る。トピックを聞き、リサーチクエスチョンをこう設定すれば?とか、最初に理論的な話をしてケースに当てはめてみな、とか、コースパックの議論も応用できるよね、とか、こういうふうに議論を展開すれば?とかサジェスチョンをするわけである。大体において納得した様子で帰っていく。当てが外れた顔をする者もいるが、それはまあよい。しかし、ここで常に疑問がわくのである。どうして面と向かって話すと通じるものが、20人を前にすると途端に通じなくなるのか?10時間後のTAカンファレンスを前に、ちょっとブルーな里竹でした。

 ちょっと驚いたこと。10人中9人までが、参考文献の数はいくつくらいが妥当か、と訊いてくる。そんなもん、参考にした数だけ、に決まっている、あほか、しょうもないこと訊くな、などと罵詈雑言をぶっちゃける勇気も英語力もないので、多ければ多いほどよい、などと答えた。でもやっぱり変だよねぇ。



2002/04/02 5:21(現地時間)
BGM: Randy Newman, "Every Time It Rains"

 つかぬことを伺うようだが、日照節約時間(要するに夏時間)っていつ始まるんですかね?ロンドンのトミイによると、英国はすでに夏時間に移行したらしい。夏時間になるときは、いつも決まって1時間損した気分になるよねぇ。



2002/04/01 01:21(日本時間)
BGM: 「六甲おろし」

 タイガース、23年ぶりの開幕2連勝。これって、なに?大掛かりなエイプリルフール?


* 本誌は基本方針として、筆者の恣意的な判断基準に則って主観的に取捨選択された事実のみを記述しています。フィクションの場合は「妄想」と明記します。あらかじめご了承ください。それでは楽しんでいきたまえ。チャオ。



以前の日誌へ|


ホームページへ|