細長い枠を右手で扱うことにして、枠の取っ手が右に来るように
置きます。輪を枠からはずしたり、枠にはめたりするのは、左手で
扱います。(2進法との対応を考えると枠の取っ手が左の方が良い
のですが、筆者は上のきを選びました。なるべく左手を使う機会を
多くしようという心理が働いているように思います。)
9つの輪には左から順に1、2、3、4、と9まで番号をつけま
す。
いくつかの操作に記号をつけましょう。「操作に」であって「状
態に」ではないことに注意して下さい。
輪 n (のみ)を枠からはずす(おろす)ことを n_ で、輪 n (の
み)を枠にはめる(あげる)ことを n^ で表します。
n の輪が上がっていて 1 から n-1 までの輪が下がっている状
態から、1 から n までの輪がすべて下がっている状態にする操作を
dn で表します。(d は down のd)。
逆に、1 から n までの輪がすべて下がっている状態から、n の輪
が上がっていて 1 から n-1 までの輪が下がっている状態にする操
作を un で表します(u は up のu)。
このときどちらも、 n+1 以上の輪の状態は任意で構いません。
始めのいくつかの例を示します。
d1 = 1_
u1 = 1^
d2 = 1^ 2_ 1_
u2 = 1^ 2^ 1_
d3 = 1^ 2^ 1_ 3_ 1^ 2_ 1_
u3 = 1^ 2^ 1_ 3^ 1^ 2_ 1_
ここで次の事実に気づく事が肝要です。
すなわち、2の輪が上がっていて、1の輪が下がっているとき、
そしてそのときに限り、3の輪を自由に上げたり下げたりするこ
とができます。
もっと一般に n-1 の輪が上がっていて、1から n-2 までの輪が
下がっているとき、そしてそのときに限り、 n の輪を自由に上げ
たり下げたりすることができます。
このことから
d2 = u1 2_ d1
u2 = u1 2^ d1
d3 = u2 3_ d2
u3 = u2 3^ d2
と書きなおせることに気づきます。
dn と un は互いに逆元の関係だから、これらはそれぞれ一つ
前の d(n-1) による共役の形です。
すなわち漸化式
dn = u(n-1) n_ d(n-1)
un = u(n-1) n^ d(n-1)
が得られて、ハノイの塔の漸化式と同じ形となりました。
したがって2進法との関係も明白です。
4桁までの2進法、4段のハノイの塔、四連環の解法が「同型」
となる対応を とくとご覧下さい。
A B C D ハノイの塔 四連環
------------------------------------------------------
4321 6 6 6 9
1 1 1 1
432 1 9 6 6 9
2 10 10 2
43 1 2 9 9 6 9
3 11 1 1
43 21 6 9 6 9
4 100 100 3
4 3 21 6 9 9 9
5 101 1 1
41 3 2 9 9 9 9
6 110 10 2
41 32 9 6 9 9
7 111 1 1
4 321 6 6 9 9
8 1000 1000 4
321 4 6 6 9 6
9 1001 1 1
32 41 9 6 9 6
10 1010 10 2
2 3 41 9 9 9 6
11 1011 1 1
21 3 4 6 9 9 6
12 1100 100 3
21 43 6 9 6 6
13 1101 1 1
2 1 43 9 9 6 6
14 1110 10 2
1 432 9 6 6 6
15 1111 1 1
4321 6 6 6 6
四連環で 6 6 6 9 とは 1 から 3 までの輪が下がって、 4 の
輪だけが上がっている状態です。そこから 6 6 6 6 、すなわち、
すべての輪が下がっている、つまり枠がはずれた状態までの動きを
示しています。
ここで2進法の欄は 「操作」を表していて、ハノイの塔と四連
環の欄は 「状態」 を表していることにご留意下さい。
ちょうど「植木算」の植木と間隔の関係と同様です。植木が状態
に、間隔が操作に当たります。
ところで、九連環というゲームは、9 9 9 9 9 9 9 9 9 を
6 6 6 6 6 6 6 6 6 にするものですから、これを dn や un で表
そうとすると不自然になります。練習問題と思ってやってみて下さい。
そこで新しく、 9 9 9 9 を 6 6 6 6 にする操作を D4、その逆で
6 6 6 6 を 9 9 9 9 にする操作を U4 などと表すことにします。
すると
D1 = 1_
U1 = 1^
D2 = 2_ 1_
U2 = 1^ 2^
D3 = D1 3_ U1 D2
U3 = U2 D1 3^ U1
D4 = D2 4_ U2 D3
U4 = U3 D2 4^ U2
などとなります。
漸化式は
Dn = D(n-2) n_ U(n-2) D(n-1)
Un = U(n-1) D(n-2) n^ U(n-2)
となります。
九連環の解き方は、 D9 がその「答え」です。
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