13号
 小さいから楽しいホテルの経営
                     平成16年1月23日
                           vol 013
                        金曜日発行

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[小さいから楽しい。古いから味がある
         大きいホテルに負けるな!]
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      支配人とホテルスタッフとの関係    
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支配人とホテルスタッフとの関係についてお話します。
前回は、ホテルスタッフがモチベーションを維持するに必要なのは、
第一にその本人の心構えですとお話しました。今回はその続きです。

◆モチベーションを高め、それを維持するために、次に重要なのは
会社としての基本方針や運営方針です。そしてオーナー・支配人の
スタッフへの対応です。
「支配人とホテルスタッフの関係」はそのまま、スタッフのお客様
へのサービスに反映してしまいます。

◆他の業種でも言えることですが、顧客満足(CS)を高めるため
には従業員満足(ES)を満たさなければ成り立ちません。

◆世界最大のスーパーマーケットである米ウォルマートの成功要因
は色々あるのでしょうが、本当の成功の要因はマネージャーと従業
員が良好な関係を築いてきたことにあると言われています。

◆当初、ウォルマートの経営者は利益を上げることに熱心なあまり、
人件費を出来るだけ押さえようとしました。
しかしある時、従業員と利益を分配すればするほど、会社の利益が
上がることに気が付いたのです。
これは、経営者の従業員への接し方が,そのまま従業員のお客様へ
の接し方になるということを理解したためでした。

◆これによって、従業員がアソシエイツ(仲間)と呼べる仕組みが
ウォルマートに定着し、これが大きく躍進した原動力となりました。
このことはウォルマートという大きな会社のことばかりでなく、私
たちのホテルに対しても同様の考え方が出来ると思います。

◆ホテルも会社として利益を出さなければなりません。ただ、その
利益源を安易に人件費の削減に結び付けるよりは、ホテルスタッフ
に効率よく働いてもらえる環境を作った方が大切だと考えます。
生活が保障され満足してこそ、モチベーションを高めることになります。

◆そして、会社としてホテルスタッフを大切に考えていることを言
葉や形で表わす必要があります。また職場の雰囲気作りにも気を使
わねばなりません。

◆どういうことかと言いますと、先にもお話しましたように、支配
人とホテルスタッフの関係がそのままホテルスタッフとお客様への
対応に表われてきます。

◆ホテルの上下関係が徹底されて、支配人がスタッフに対して厳し
く、いつもスタッフの仕事をチェックしている緊張感のあるホテル
では、キビキビとした仕事はしますが笑顔が少なくなります。
口調も話している言葉は丁寧ですが、事務的で冷たい感じがするよ
うになってしまいます。

◆逆に、お互いを大切にし、互いのコミニュケーションがよくなさ
れる関係ですと、職場はいつも笑顔があり、お客様に対しても自然
と明るい笑顔があふれ出ます。
ホテルの社内環境は常に明るく楽しくなければなりません。

◆支配人とホテルスタッフが明るく楽しい関係であれば、お客様へ
のサービスも明るく楽しいものになります。
また、支配人はサービスアップについても、常にスタッフの考えを
汲み上げるよう努めることも大切です。
お客様のことを一番知っているのはフロントで接客している人です。

◆ホテルの仕事をする人の中で一番重要な仕事をしている人は、お
客様を接客するフロントマン達ホテルスタッフです。
支配人はそのための環境を作り、オーナーは支配人が仕事しやすい
ようバックアップするのが「勤め」です。
お客様へのサービスにおいては、オーナーは一番下に位置していま
す。
 
◆そのような環境の中で、支配人とホテルスタッフの関係が良好で
あれば、自然とスタッフのモチベーションも上がり、どうしたらお
客様が楽しく過ごせるかを考えていくようになります。

◆支配人はスタッフがお客様のことを考えられる環境を作ることが
「勤め」です。自分たちが楽しくなければ、お客様を楽しくしよう
と思う気持ちが生まれるはずがありません。その中に新しいサービ
スの方法が考え出されます。

◆時々聞く話ですが、そのホテルのオーナーがホテルロビーに現れ
ると、お客様を二の次にして、そのオーナーの方に気が行ってしま
うホテルスタッフがいます。またそのオーナーもそれには気が付か
ないようです。

◆もしかしたら、本人達はたいしたこと無いと思っているのかもし
れませんが、お客様は敏感です。その時にその場景を見たお客様は
どう感じるでしょうか。
これを防ぐのはホテルオーナーの考え一つです。
そのような場景は上下関係が強い会社に起きることが多いです。




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■□サービスに関する考え方については今回までです。
次回はホテルとしてのサービス理念の参考資料を紹介します。□■

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     山地伸幸
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□■編集後記■□
今回は主に従業員満足(ES)についてお話しました。
それはホテルでもスタッフの能力を高め、育てていく原動力になり
ます。

でも現在、人件費削減から社員を減らしアルバイトやフリーターを
増やす傾向にあります。
まだ、ホテルの仕事は誰でも出来るモノと思っているのでしょうか。

少し前の「日経ビジネス」に船井電機の社長の船井氏の話が載って
いました。
「この間ブリジストンの栃木工場で大火事があり、1年前は三菱重
工業の長崎造船所で建造中の豪華客船が火を出しました。長崎は戦
前に戦艦武蔵を作った一流の工場ですよ。」

「ブリジストンや新日本製鉄も名門企業です。火事や事故が続けて
起きるのは、日本の製造業に大きな欠陥が生じている表われだと思
います。」

「工場の管理職クラスは優秀でも、現場作業員はフリーターやパー
トなど、経験の浅い人ばかりになってしまった。上が危機意識を持
っても生産現場の意識は緩んでいて、結果的に火の不始末などの過
失を犯しているんじゃないでしょうか」と述べています。

この状況は全ての業種に言えます。優秀なフリーターやパートもい
ますが、それはごく一部です。
フリーターやパートも補助的に入れるのは良いですが、人件費削減
だけのために正社員を辞めさせ、新たに採用されたフリーターや
パートに同じことをさせようとしても、時間でしか働きません。決
められた以上のことはしません。

現に社員を大幅に減らし、パートに変えたホテルを知っていますが、
電話応対一つとっても雲泥の差が出ています。
本当にそれでホテルのサービスレベルを維持し、それなりのお金を
支払っていいただけるお客様を維持できるのでしょうか。
私は疑問に思っています。
改めて言います。ホテルスタッフは誰でも出来る仕事ではないので
す。

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