31号
小さいから楽しいホテルの経営』
                              平成16年5月28日
                                 vol 031
                               金曜日発行

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[小さいから楽しい。古いから味がある
         大きいホテルに負けるな!]
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     販売価格に対するホテルの戸惑い
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◆前回はインターネットの急激な普及によって、価格の設定が絶え
ず変わり、そのことによってお客様が戸惑っていると言うお話をし
ました。
同じようにホテルの経営者やスタッフの中にも戸惑いがあります。

◆特に、小さいホテルを経営している経営者や支配人にとっては戸
惑いが大きいです。
一人一人のお客様が身近に感じられるようなサービスをしているの
で、そのお客様ごとに価格が変えることに対して抵抗感、極端に言
えば拒絶反応が高いと思います。

◆「販売価格に対する戸惑い」は、お客様の顔が見えるサービスに
徹底している「小さいホテル」のオーナーが抱く気持ちでしょう。
しかし、これは価格競争の中で生き抜くためには、克服しなければ
ならない壁です。

◆でも、逆に『私どものホテルには二重価格はありません』と宣言
するのも、そのホテルの「お客様主義」を示す方法かもしれません。

◆どちらかと言えば、「販売価格の都度変更」については、大手ホ
テルの方が割り切って考えています。

◆それでも、旅の窓口等のインターネット予約サイトが急激に広ま
った最初の頃は、大手ホテルででもその導入に戸惑いがありました。

◆あるホテルでは、インターネット予約サイトに加入していました
が、問題が発生したため途中で脱退したとの事でした。

◆その問題とは、ホテル会員からのクレームです。
ホテルが契約しているインターネット予約サイトの価格が、ホテル
間の競争のため低くなり、そのホテル会員から「会員価格より安く
するとは何事か」とのお叱りを受けたということです。

◆そのホテルはハイクラスのホテルなので、会員は選ばれたお客様
という意識が高く、事実ホテルにとっても大事なお客様でした。

◆それなのに、そのホテルを初めて予約したお客様の方がインター
ネットで安く宿泊できるということはおかしいという理由です。

◆「インターネット予約の仕組みは取り入れなければならない。し
かし一方、大切なお客様であるホテル会員より安い料金設定は出来
ない。」と言うジレンマに陥ってしまったのです。
会員組織のあるホテルでは、同じような悩みがあったのではないで
しょうか。

◆その後、そのホテル会員もインターネットの普及と共に少しずつ
理解して来たのでしょう。現在ではそのホテルも積極的にインター
ネット予約に参加しています。

◆ただ一方では、今でもホテルのスタッフの間でも戸惑いはありま
す。
特に、旅行会社と送客契約をしているところでは、客室販売管理責
任者と旅行会社の営業担当者との間で価格に対する認識の相違が発
生しています。

◆旅行会社へ提出している価格は、それなりに低い価格を設定して
います。そして、その旅行会社のパンフレットの中で、パック商品
として発売されます。パンフレットに載せますから、半年に1度位
しか料金の見直しは出来ません。宿泊価格は固定します。

◆客室販売責任者はインターネット上で毎日の適正な価格を出すた
め宿泊価格は変動します。時には極端に安い価格を設定します。

◆しかし、それが旅行会社を刺激します。インターネット上で安い
料金を見た旅行会社は、ホテルの旅行会社担当者に対して同じよう
に安い料金の提供を求めます。

◆それではホテルとしては採算が合わなくなりますから、その担当
者は「インターネットであまり安い料金を出さないでくれ」となり
ます。

◆そうすると客室販売責任者はインターネット上で状況に応じた
「適正」な料金提示が出来なくなります。よくある話です。

◆ここで大切なことは、「販売チャンネルが違えば販売価格が違う。
それは決して不公平なことではない。」と言うことをホテルスタッ
フが充分認識していなければなりません。

◆それでも問題が起きた時こそは、支配人が問題解決して、進めて
いくことが大切です。それが支配人の仕事です。

◆現在はこれだけインターネットが普及して携帯電話からも予約が
出来るようになると、お客様の意識も変化してきます。
これからは益々、今までと尺度が違う状況や環境が作られる可能性
が高いです。
変化に対応してゆける柔軟性がホテルスタッフに求められています。


■□ 来週はホテルのアメニティーについてお話します。  □■

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■発行者 SHCC 
     山地伸幸
住所 札幌市西区発寒7条12丁目 株式会社ニシモク

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□■編集後記■□

インターネット予約サイトが登場した頃、各ホテルではいろいろ混
乱がありました。

全国にチェーン展開しているある大きなホテルは、早い時期からイ
ンターネット予約サイトと契約して、予約を増やしていました。

ところがここでも問題が発生しました。
そのインターネット予約サイトには、お客様が宿泊された感想を書
く「投稿ページ」があります。
問題は、そのホテルの「投稿ページ」に書かれていた感想が、お褒
めの言葉よりクレームの割合が多かったことです。

そのホテルはチェーン展開している大きなホテルですから、ホテル
数も多く、そのため投稿されるクレームの数も多くなり、目立った
のです。

それを見たホテルの社長達会社の上層部は、ショックを受けたよう
です。
そのショックが大きくて、早速その予約サイトの会社に対して「投
稿ページ」掲載を止めるように申し入れをしました。

自分のホテルの欠陥をインターネット上で公表されていると思った
のでしょう。

しかし、その予約サイト会社はその申し入れを拒否しました。
仕方がなくそのホテルは契約を解消し脱会したのです。

確かに、それまではクレームというのは、お客様からホテルに対し
て直接示されていました。公に出ることはなかったのです。
それがインターネット上で公表されると言うことは大変なことで、
ホテルにとって衝撃でした。それは私も実感しました。

現在のように急速に情報公開が進む中では、ホテルも否応なくそれ
に適応することが求められています。

インターネット上でクレームが出ることはマイナスですが、その対
応が良ければ逆に評価の対象になります。
インターネット上で評価を受けることは、ホテルにとって大変な広
告宣伝になります。

その大きなホテルは一度脱会しましたが、今は復帰しています。

このホテルの偉いところは、脱会したのを機会に独自のインターネ
ット予約システムを作り上げてしまいました。

そのインターネット予約サイトに加入して稼働率を上げ、脱会して
それが下がったことで、改めてインターネットによる集客の凄さを
他のホテルより早く実感したのでしょう。

結果そのホテルは他のホテルより先がけて、早い時期から独自のイ
ンターネット予約の仕組みを作り上げることが出来たのです。

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