57号
小さいから楽しいホテルの経営』
                              平成16年12月3日
                                   vol057
                                 金曜日発行

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[小さいから楽しい。古いから味がある
         大きいホテルに負けるな!]
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     飲食サービス7
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前回はレストランの運営委託契約のことをお話しました。
今回は、その具体的な内容についてお話します。

◆まず実際に交わした契約概略内容です。

1)レストランの運営責任者及びコック・ホールスタッフは運営
 受託会社から派遣されます。

2)レストランの運営はホテルのお客様を第一として運営されます。
 よって365日間の朝食は必ず出すこととします。

3)レストランの毎日の売上は運営受託会社がお金を精算し、ホテ
 ル金庫へ投函します。
 ホテルは翌朝売上精算書と現金が間違いなく有るかを確認し仮受
 金処理します。
 この売上金をホテル側が仮受入金することで、運営受託会社に対
 する保証金の代わりとなります。

4)運営受託会社は売上の10%をホテルに施設使用料として支払
 います。

5)ホテルが預かっていたレストラン売上を運営会社へ支払するの
 は毎月5日とします。
 ホテル側は前月売上から「施設使用料として売上の10%」と
 レストランにて使用したガス・水道・電気・ゴミ代を差し引いて
 運営受託会社に支払います。

6)レストランにて使用する食器・家具・調理器具等はホテル側か
 ら無償貸与します。
 使用して破損した分は運営会社が補います。そのため契約時に設
 備備品の状態と数量を双方にて確認し、書面に残します。写真付
 だとより良いでしょう。

7)営業方針・営業日・営業時間などはホテル支配人の方針に従い
 ます。

◆次にホテル側及び運営受託会社側、それぞれのメリットを挙げて
みます。
  
◆ホテル側のメリット
A:宿泊のお客様に食事のサービスが出来る。
B:レストラン従業員の人事採用などの心配が要らない。
C:レストラン売上の10%が必ず雑収入として入って来くる。

◆運営受託会社のメリット
A:敷金や保証金また、テナント料として固定されたものは無く、
  売上に応じた施設使用料(売上の10%)の負担でよい。
B:内装費や設備・備品などの投資が要らない。初期投資が少なく
  て済む。
C:ホテルの宿泊客が利用するという、そのお客様の売上が最初か
  らある程度見込まれ、その分売上が保障されている。後は自分
  の力量で売上を伸ばすことが出来る。

◆レストランの運営を受託した会社は、このような契約は初めてで
はなく、他のホテルでも同じような運営をしていました。
でも、最終的に契約が長く続いたのは私のホテルだけでした。

◆続いたその理由は、レストランを実際に運営する現場責任者と、
ホテル支配人との意志の疎通と連携がうまくいったためと思います。

◆運営受託会社の社長とその会社の従業員であるレストランスタッ
フとの間は、あまり良いものではありませんでした。
約束をした額の給料を支払わないとか、その支払も遅延するとかで
ゴタゴタしていました。

◆その社長は当初は毎日のようにレストランに顔を出していました
が、少しずつ来なくなり、出て来るのが1週間に1回になり、その
うち電話したら出てくるという状態になりました。益々レストラン
スタッフとの間が悪くなっていったのです。

◆そのような状況の中ではレストランスタッフにとって相談出来る
のは、ホテル支配人である私しかいなくなりました。
ですから、他社社員であるレストランのスタッフは、私やホテルの
スタッフとの連携が強く感じるようになり、一生懸命仕事をしてく
れました。
少人数の割には売上が上がり、利益も出ました。

◆先にお話しましたように、この会社は他に3ヶ所くらいでも受託
契約をしていましたが、他のホテルでは上手く行かなかったようで
す。そのうち全てが契約解除になりました。
その起因はホテル側の運営受託会社社長に対する不信感でした。

◆私はこの運営受託会社とのやり取りを通して勉強しました。
ホテルのレストランを運営受託するというそのシステムは問題あり
ません。良いシステムです。
また、この「契約内容」や「取決め」に問題があるわけでもありま
せん。

◆大切なのは実際にする運営する者の気持ちです。
ホテル側とレストランスタッフとの連携が上手く行くかどうかにか
かっています。
それはホテル支配人の考え方1つだと思います。
そして、支配人がレストランスタッフをホテルスタッフと同じよう
に対応することが出来るかにかかっていると思います。

◆私は、このような経験を通して、自分のレストランを客観的に見
ることが出来ました。

◆レストランを運営受託する経営者が「希望することや困ること」、
またホテル支配人として「期待することや不安に思うこと」なども
わかりました。

◆以上のことを踏まえたうえで、ホテルが独自にレストランを運営
する時、今までと違う新しい考え方、やり方が少し見えました。

◆ポイントは、宿泊スタッフとレストランスタッフを同じような就
業条件や給与で待遇してはいけないということです。

次回はこの続きをお話します。特にスタッフとの雇用内容を「請負
契約」に変えた場合をお話します。

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