69号
小さいから楽しいホテルの経営』
                                 平成17年3月4日
                                      vol69
                                   金曜日発行

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[小さいから楽しい。古いから味がある
         大きいホテルに負けるな!]
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         ホテル建築・改築時の一考
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今回からはホテルの建物に関してお話します。

◆一般的な話しとして、新しい物が良い物だと考える気風が日本人
に多いのではないでしょうか。

◆車は3年〜5年乗っては新車に替えたり、住宅も15年20年、
そして住宅ローンが終わったばかりなのにまた建替えたりしていま
す。

◆古くなれば汚いと言うイメージがあるように思われます。
でも本当でしょうか。
自分が気に入ったものを、ジックリと手を掛け、大切にしていくこ
とで、その物の良さが現れてくるのではないでしょうか。

◆このことについてはホテルも同じですし、このメルマガを始めた
時にお話したと思います。
そしてメルマガの副題にあるように「古いから味がある」のです。

◆そのためにも、建築時には使う素材に気を掛けなければなりませ
ん。耐久性の無い、単に安いだけものよりは、少しお金をかけてで
も質の良い素材を使うべきでしょう。
結局その方が長持ちしますし、使い込んでいけばそのホテルの歴史
になります。

◆使い込み、時間に磨かれたものの価値はお金では買えません。
使い込める素材を使うことが結局長持ちして、得することになると
思います。

◆ここでお話しすることは、建築家でもデザイナーでもない私がお
話しすることですので、あくまでも参考になればと言う程度でお聞
きください。

◆初めはロビーです。
やはりロビーはホテルの顔です。
お客様がホテルに入った時の第一印象は、フロント周りのロビーで
決まるでしょう。

◆ロビー全体が明るく清潔で、センスの良い色合いでまとまって、
優しい笑顔で迎えられれば、「いいホテルだな」と思っていただけ
ます。

◆新しいうちは、どのような建物もきれいです。
内装も表面的にはそれ程、材質によって違いがあるわけではありま
せん。
でも、時間とともに汚れが目立ちます。

◆ロビーに布やビニールのクロスを使った場合、日焼けやタバコの
汚れで黒ずんで来ます。拭いても取れません。
ペンキ塗りも同じでしょう。

◆やはりそこに使われる壁は、クロス貼りやペンキ塗りより「木目
のツキ板貼り」か「石貼り」の方が汚れが取りやすかったり、味わ
いが出てきます。

◆「石貼り」の壁は汚れれば、拭き取れます。
「木目のツキ板貼り」の壁は、軽くホコリを取る「から拭き」程度
でいいです。
日焼け等は味わいとして、時間とともによい味が出てきます。

◆「木目のツキ板貼り」とは、「チーク「や「ナラ」「タモ」など
の銘木を0.3ミリ位の厚さにスライスし、それを薄いベニアに貼
り付けたものです。それを耐火ボードの上に貼ります。

◆私のホテルでもチーク材のツキ板張りにしています。
10年以上経ちますが、益々いい味わいが出てきています。

◆これがクロスやペンキですと日焼けやタバコの汚れで、もう2回
ほどは張替えや塗り替えをしていたでしょう。

◆次に床ですが、床はジュウタンでも石でも良いでしょう。フロー
リングの床も時々見受けられます。

◆石やフローリングに似せたビニール系のロンリューム(商品名)
は耐久性はありまが、長く使っていても「味わい」が出てきません。

◆それぞれは価格のこともあり、一長一短です。

◆石についてですが、床に使われる石は御影石がほとんどでしょう。
御影石は堅く耐久性があり、価格は一番高い床材ですが、敷き方を
注意することが大切です。

◆御影石を玄関やロビーに使うと、雨などで表面が濡れ、滑り易す
なるので、使う場所を充分考えてください。

◆「鏡面仕上」はきれいですが滑ります。「バーナー仕上」のモノ
は滑りにくいですが、少し地味です。
それをうまく組み合わせることになります。

◆「バーナー仕上」とは、石の表面を火炎で短時間あぶり、均一な
粗面に仕上げたもので滑りにくくしたものです。

◆床を御影石にしようとした時、どうしてもデザインが先行して石
を貼ります。でも、滑る「鏡面仕上」と、滑りにくい「バーナー仕
上」が隣り合わせに張っていると危険です。

◆滑ったり、滑らなかったりして、「全面鏡面仕上げ」より危険で
す。
デザイン性ばかりでなく、安全性を考慮して計画してください。

◆滑りにくいワックスも出ています。私も以前使ってみましたが、
結構価格が高くまた、濡れた状態によってはあまり効果が無い場合
があります。



次回も使用材料の話しの続きです。

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■発行者 SHCC 
     山地伸幸
住所 札幌市西区発寒7条12丁目 株式会社ニシモク

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□■編集後記■□
「相部屋から個室へ」。これは病院の話です。

札幌のある病院が、2年前から相部屋の病室を一掃して、全て個室
にしたそうです。その上差額ベット料も不要とのこと。

当初は改装費や看護婦さんを増やさなければならないなど、コスト
が上昇したそうです。それが「患者が集まらなかった」病院が、今
では入院患者が満室状態との事です。

病院も医療技術の向上を競うばかりでなく、快適さやキメの細かさ
を売り物にしてきたのでしょう。

戦前に新橋第一ホテルが出来た時も評判を呼びました。
それまでは相部屋の商人宿が当たり前でした。
その中で「全客室個室のホテル」としてオープンしました。
それが日本のビジネスホテルの始まりでした。

やっと「医もサービス業」としてとらえる病院が出てきたのかとの
思いです。


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