72号
小さいから楽しいホテルの経営
                             平成17年3月25日
                                   vol72
                                金曜日発行

  -------------------------------------------------------      
[小さいから楽しい。古いから味がある
         大きいホテルに負けるな!]
-------------------------------------------------------
      
                        
         ホテル建築・改築時の一考4
   =======================================

今回はホテルの外壁についてお話します。

◆外壁は予算によって決まることが多いでしょうが、その素材はモ
ルタル、レンガ、御影石が主でしょう。

◆モルタルは工事費は安いですが、定期的に塗装や割れ止めの処理
が必要になります。そのための足場を組んだりするため費用は大変
なものになります。
また、何もしないでそのままにしておくと壁が崩れてきます。

◆タイルや御影石を使うとメンテナンスはほとんどいりませんが、
空気の汚れや雨の汚れが付くので、10年おきに「洗い」をした方
がきれいです。

◆手をかけず、そのままの方が良いと思えば、時間とともに深みが
出て来る種類のタイルや御影石を選ぶと良いでしょう。

◆ビルの外壁素材として御影石は高すぎますので、余程でなければ
全面貼はせず、1部に使用するのが多いです。

◆やはり、多くのホテルの外壁で使われるのはタイルでしょう。
今は新しい技術で、タイルそのものの表面に「二酸化チタン」を塗
布しているものがあり、汚れを太陽の紫外線で分解するというとい
う効力があります。

◆「二酸化チタン」については今までも何回か紹介してきましたが、
太陽などの紫外線が当たると、それに触れる汚れは酸化され、消し
てしまう力があります。

◆「二酸化チタン」のようなものは光触媒と言われ、最近注目され
ている物質です。
新しいタイルはタイル製造する段階にそれを密着させたモノです。

◆製品化されているタイルは、TOTOの製品で「ハイドロテクト
タイル」といわれるものです。
このタイルは半永久的に汚れを消してしまう特性があります。

◆外壁の汚れの中には、光触媒でも取れない汚れがあります。
それはタイルの上に流れ出てくる、「白華現象」といわれるもので
す。
その原因は、タイルを接着させているモルタルの中から出てきた、
「白い汁」がタイルの表面を汚すためです。

◆これはなかなか取れません。
これがひどいと建物そのものが、みすぼらしくなります。
「白い汁」は炭酸カルシュウムというもので水に溶けません。

◆発生源はモルタルです。
モルタルはセメントが主なもので、接着のためにタイルの裏に付け、
躯体に貼り付けます。

◆しかしタイル施工が悪いとタイル裏のモルタルのところに空間が
出来ます。そこを雨水などが流れる時、モルタル中のカルシュウム
が溶け出し、科学変化して水に溶けにくい炭酸カルシュウムになり
ます。

◆特に雨水の入りやすいところの、笠木や窓枠のところが要注意で
す。
そして、その発生の一番の原因は施工です。
施工が悪いと必ず「白華」が起きます。
ですから、前もって施工責任者にしっかり施工してもらうよう、充
分話し合いをすることが大切です。

◆ただ、取れにくい「白華」も希塩酸で拭けばすぐ取れるそうです。
でも、その都度足場を組ん拭いても、何年か後にはまた発生してし
まいます。
それを少しでも防ぐには希塩酸で拭き取った後は、特殊な塗料を塗
って壁全体をコーティングする方法があります。

◆初めから「白華現象」を起こさせないために、工事の方法を変え
るという方法もあります。
それは「白華」の原因となるモルタルを使わない「乾式工法」とい
う工法です。

◆今までのようにモルタルを使っての施工は「湿式工法」といわれ
ています。

◆「乾式工法」というのはモルタルを使わないで、タイルを外壁に
取り付けたレールにはめ込んでいく方法です。
ただし、「乾式工法」の方が工事費は高くなります。

◆私の個人的な趣向ですが、この「白華現象」も赤レンガに出てく
ると、少しの量であれば良い雰囲気が出て来て好きです。
素焼調の赤レンガを外壁に使うと、時間とともに味わいが出て来ま
す。

◆次に、外壁がすぐ汚れてしまうことの別の原因は、窓の枠から流
れる雨の水滴にあります。
窓下の両サイドから雨が壁を伝って涙のような痕を作ります。

◆建築したばかりの時は白くてきれいなビルが、しばらく経つと窓
のところが黒い汚れが付いて「もったいないな」と思う時がありま
す。

◆これを防ぐには、窓下の水切りの両サイドに「ツバ」をつけ両サ
イドから雨の水滴が流れるのを防ぎます。
それにより窓の汚れを洗い流した雨水は、壁を伝わらず水切りから
直接落下していきます。

◆2年ほど経つとその処置を「している建物」と、「していない建
物」の違いがはっきりわかります。

◆設計者や建築施工者でこのことを知っている人もいますが、中に
は知らなかったり、面倒なのでその処置をしなかったりしますので、
こちらから要求する必要があります。


◎実際の写真を私のホームページに載せて起きますので、よろしけ
ればご覧になってください。
 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

============================================================
★過去のメールマガジンは私のホームページにもあります。
 よろしければご覧になってください。
============================================================



■ご意見ご感想をお待ちしております。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

■発行者 SHCC 
     山地伸幸
住所 札幌市西区発寒7条12丁目 株式会社ニシモク

■eメール shcc_j@ybb.ne.jp


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


□■編集後記■□
先日聞いた話です。
食事をする時、人は食べる前にその料理の96%美味しさを味わい、
味覚は数%くらいの感覚でしかないということだそうです。

その意味は、テーブルコーディネイトなどのセッティングが良いと、
「美味しそう」と思ってしまうことなのです。

これは特に年を取られ、少し食欲が落ちた人達がそう思うそうです。

若いうちは料理も「質より量」、それが年齢とともに「量より質」
にこだわるようになります。

それが年齢とともに、料理の味覚も大切だけれど、美味しそうと思
わせる「器の形や色」、「テーブルクロスの色」「飾ってある花の
種類や色」等が重要と思うようになるとの話でした。

それは年配者が感じることではなく、食事を楽しむ事が大切だと思
う人が共通して抱く思い出はないでしょうか。

喫茶店のモーニングセットで出てくる「トースト」と「卵料理」そ
れに「コーヒー」という定番モノも、ホテルの朝食ではパンはクロ
スに包まれてカゴの中に入れてあり、大き目の白い皿の上には黄色
いスクランブルエッグと少し焦げ目のあるベーコン、それに赤や緑
の温野菜。

カップはあらかじめ暖められていて、コーヒーは少し大きめのポッ
トにたっぷりと入っており、簡単な保温台の上にのっています。
セットの横には花一輪。

同じような内容の料理でも、目を楽しませる工夫で料理の美味しさ
が増し、それなりの料金がいただけます。

料理人さんの中には生花を勉強している人が多いと聞きますが、思
うところは同じなのでしょうね。

 トップページに戻る  

メールマガジン73号