88号
小さいから楽しいホテルの経営』
                                平成17年11月4日
                                     vol88
                        
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     [小さいから楽しい。古いから味がある
               大きいホテルに負けるな!]
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      私が造りたい「小さいホテル」11

◆前回の続きです。                   
ホテルのレストランは運営しやすいように、25席位までとします。
そして、レストランからすぐ庭に出て行けるようにします。

◆そこにはパラソルの下にテーブルセットが用意され、庭でも食事
が出来るようにします。
天気のいい夏の朝は、外で朝食を摂っていただきます。

◆レストランが対象とするお客様は、主体は外部からのお客様です
が、勿論宿泊のお客様もご利用いただきます。

◆このレストランで出される料理は前にお話しましたように、コッ
クを必要としないようなメニューにします。

◆しかし、それでも北海道らしいメニューを作ることが出来ます。
そして、このホテルのレストランだからこその料理も作れると思い
ます。


◆先日、知人から秋刀魚とチーズの薫製をいただきました。
特に秋刀魚は塩味がきき、脂がしっとり含まれ美味しかったです。

◆知人に聞きますと、作る時には塩も一切かけておらず、食べる時
に感じた塩味は、本来海の魚である秋刀魚が持っているモノなのだ
そうです。

◆その知人は自分で作った燻製器で、色々な薫製を作っては人に差
し上げ喜ばれているようです。

◆例えば、ホテルのレストランでもこのような燻製器を作ってもら
い、その土地の食材である肉や魚の薫製、ハム・ソーセージまた
ハーブ料理などを創作すれば、そのレストランだけでしか食べられ
ないオンリーワンの料理になります。


◆話が少しそれますが、先日札幌の大学で市民講座があり、私も話
を聞きに行ってきました。

◆題名は「北海道の食と観光を考える〜美味しい北海道の売り方
〜」で、その講師がパリ・ソルボンヌ大学 総長 ジャン・ロベー
ル・ピット氏でした。

◆色々面白いお話をしてくれましたが、その中で特に興味深かった
のは「なぜ人は観光に行くか」ということです。
それについて少しお話します。

◆ピット氏が言うには、人は「違う価値観を求めて」旅に出ます。
自分が住んでいるところと「異なる風景を見に行き」、「異なるも
のを食べること」なのです。

◆世の中がグローバリー化に進めば進むほど、人は異なる文化に触
れたいと思うようになります。
外国の人も、たとえ言葉が通じなくても、食を通して交流が深まっ
ていきます。

◆その土地で生産された食材はその地方独特の料理として長い歴史
の中で受け継がれてきました。

◆それなのに折角旅をしても、ファーストフードのような、どこで
も食べることの出来るモノを食べては、その意味が無くなります。

◆ピット氏はフランス人らしく、話しの中に食に対してのこだわり
がにじみ出ていました。
確かに「観光」と「食」は切り離すことが出来ないものです。

◆私も以前は色々なところへ旅をしましたが、若い頃はお金が無く、
貧乏旅行でした。

◆アメリカに行った時も、毎日固いパンとソーセージをかじりなが
ら1人旅をしていましたが、ニューオリンズで食べた「生牡蠣」や
「ソフトクラブのサンドイッチ」の味は、30年経った今も、町の
風景とともに思い出します。

◆確かに旅の思い出と食べ物は切り離すことは出来ないものだと、
ピット氏のお話を聞きながら再確認しました。

◆「北海道の食材を生かした観光」というピット氏の話を聞いて、
改めて私が思ったことは、「観光に携る北海道の人達は、本当に食
材と観光を結び付けてきたのだろうか」ということです。

◆私は以前から感じていたことですが、北海道の調理人は素材の良
さに甘えてきたように思います。

◆北海道にはジャガイモ、トウモロコシ、鮭、イクラ、カニなど美
味しいものがあります。
それはそのまま焼いたり茹でたりしただけでも美味しいです。

◆以前はどんな山奥に行っても旅館の夕食には刺身とカニが必ず付
いてきました。
北海道の刺身やカニを出せばお客は喜ぶと思っていたのでしょう。

でも知らずうちにお客様に飽きられ観光客が減ってきました。

◆北海道の調理人は、いい素材を生かす工夫が少なかったように思
います。それはいい素材に囲まれていたからなのでしょう。
極端なことを言えば、たいした料理をしないでそのまま出しても良
かったのです。

◆京都のように新鮮な魚介類などが取れないところでは、必然的に
料理の工夫がなされてきました。それが料理の技術・腕を磨きまし
た。

◆また、大阪の塩昆布も福岡の明太子もその素材は北海道産です。
大阪や福岡にも工夫し加工する技術がありました。

◆北海道では素材は取れてもそれを加工して塩昆布や明太子を作ろ
うとする気持ちもなかったようです。

◆現に以前、北海道の昆布業者が「経験と伝統が違うから出来ない
よ」というのを聞いたことがあります。もうあきらめている様子で
した。

◆現在でも、ジャガイモは沢山収穫しもて、ほとんどが本州方面に
出荷しています。
でも、そこに発生するのはジャガイモの売上だけです。付加価値が
ありません。
それを加工する気持と工夫がなかったため、それ以上は儲けること
が出来ません。

◆カルビーという会社は北海道のジャガイモを使ってポテトチップ
を作り、大きな利益を上げています。
残念ながらカルビーは北海道の会社ではありません。

◆北海道には食材にしても物品にしても作ることは出来ても、売る
工夫がないと思われます。
「製品」を作っても、それに売る工夫をして付加価値を付けてこそ、
それが「商品」となって売れ、多くの利益を得ることが出来のです。

◆真面目にモノは作りますがそれを「商品」にする工夫がないため、
工夫が出来る会社や地域に持っていかれてしまうのです。

◆今大事なことは、北海道には他と違う「自然や風景」、「豊富な
食材」という宝物があるということを、私達北海道に住む人達が認
識して、それに如何にして付加価値を付け、商品化していくかとい
うことです。
そのようなことをピット氏の話を聞いて改めて確信しました。


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■発行者 SHCC 
     山地伸幸
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□■編集後記■□

明日から毎週土曜日、朝の10時から16時まで経営の講義を受け
に行きます。5回ですから来月の3日までです。

久しぶりの講義を受けますので、時間中眠らないように今日は早め
に寝ます。


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