9号

     小さいから楽しいホテルの経営


                      平成15年12月26日
                              vol 009

                            金曜日発行

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[小さいから楽しい。古いから味がある
         大きいホテルに負けるな!]
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ポイントカードについて
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◆だいぶ以前からポイントカードの様な、買い物をしたらカードに
スタンプを押してくれ、貯まれば何か特典が付くというものは有り
ました。
その代表的なものとして「グリーンスタンプ」と言うものが40年
ほど前からあります。
当時は画期的なシステムと言うこともあって、設立発起人には松下
幸之助さんのような、当時を代表する経営者が連なっていました。

◆現在のような、新しいタイプのポイントカードは10年程前から
発売され、発行機や管理ソフトなどのシステムと共に販売されてい
ます。

◆ポイントカードは、さまざまな業種に利用されるようになりまし
た。
今のポイントカードの広がりは、電気チェーン店や飲食店が中心で
す。少し形は違ったモノとしては航空会社のマイレージカードがあ
ります。
お客様を「囲い込み」するためのものとして普及しています。

◆ホテルでは現在のようなポイントカードが出来る前から、大手ホ
テルを中心に「ホテル会員制度」があり、登録会員に特典をつけて
いました。

◆以前は、まだ誰でも会員になれるというものではなく、会員にな
るためにはそれなりの資格を満たしてた上に審査がありました。
それはひとつのステータスシンボル的なものでした。

◆今のホテルのポイントカードはその会員制を基にして作れていま
す。
一部のハイクラスホテルは別にして、新しいホテル会員制度はある
程度の必要条件はありますが、大体誰でも入会出来るようにして、
数多くの会員を作ろうとしています。

◆同じホテルという業種であっても、ホテルごとに会員への特典内
容は違っています。
ある程度ポイントが貯まったら、「1泊無料券を差し上げる」とか、
「キャシュバックする」とか、ホテルごとさまざまなサービスを考
えています。

◆大きいホテルばかりでなく、中小ホテルでもリピーター客を増や
そうとして始めているところがあります。
でも私の考えでは中小ホテルがするにはコストばかりかかり、メリ
ットは少ないように思います。

◆他のホテルがしているからといって、それに乗り遅れると大変だ
と思い、そのポイントシステムを導入するところがあります。
しかし、導入する時のシステム費用と、ポイントが貯まりお客様
に還元するため、コスト増となり大変な思いをしているところが多
いと思います。
そして一度ポイントカードの制度を始めると簡単に止めることが出
来ません。

◆中小ホテルにとってこのポイントカードは、お客様の囲い込みと
いう目的はあまり達せられず、コストアップだけになってしまう可
能性が大きいです。

◆お客様は賢いです。ホテルに宿泊しようとする時、お客様の心理
では、少しでも「設備の整った」大きいホテルに安く泊まろうと思
います。
そして宿泊するならノーマル料金ではなく、少しでも価格の安い
「時」を狙ってインターネット予約サイトの『旅の窓口』などを見
て予約します。

◆希望通りのホテルが取れない時に、ホテルのレベルを順に下げて
中小ホテルに来ます。
その時にやはりポイントカードの使えるホテルを選択します。

◆でも、ホテル側にして見れば、その「時」は他の多くのホテルが
満室状態で、一般のお客様には客室をノーマル料金で販売出来る
「時」です。

◆ノーマル料金で売れるのに、カード会員にはポイントカードがあ
るために安くしなければなりません。
その上、ポイントを差し上げるのでまた約1割程値下げになります。

◆ホテル運営を考えると、稼動が低いと予想される時は、安くして
でも稼働率を稼ぎ、稼動が高いと予想される時はノーマル料金で売
る努力をしなければなりません。

◆ただ、ここでは決してポイントカードの全てが駄目だと言ってい
るわけではありません。
ポイントカード制度を始めたら、それだけで自分のホテルにお客様
が来ていただけると考え、導入すると失敗する可能性が大きいと言
いたいのです。

◆ポイントカードを実施しているところはチェーン展開しているホ
テルが多いです。ポイントカードによるお客様の囲い込みが出来る
というチェーンホテルの強みがあります。

◆単独で経営しているホテルがポイント制度を始めるとすれば、
「Aカードホテルネットワーク」のような共同運営されてるポイン
トカードシステムに加盟するのも方法です。

◆「Aカードホテルネットワーク」とは全国で70社以上のホテル
が加盟して、Aカードという「共通ポイントカード」を発行してい
ます。
加盟しているホテルのどこを利用しても利用金額100円に対して
10ポイント付けて、5500ポイントで5000円キャッシュバ
ックするシステムです。

◆ただこのネットワークのポイント還元が約1割ほどのキャッシュ
バックですから、他のホテルのように1割相当の宿泊券を差し上げ
るのとは違い、結構大きな負担になると思います。


◆ポイントカードを導入する時、その目的を「顧客サービス」の目
的ばかりでなく、「顧客管理」とすれば、それにより別のお客様
サービスが生まれます。
DMを発送したり、メールマガジンを発行して、ホテルファン作り
の足掛かりが出来ると思います。


◆私の独断と偏見から言いますと、ポイントカードはチェーンホテ
ルか、単独でもそのホテルが余程魅力的なサービスが出来て、お客
様を引き寄せる独自の仕組みがあるところ以外はやらないほうがい
いと思います。



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■□ 次回からは「サービス」についてお話します。 □■

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◆  このvol009が今年最後のマガジンです。次回は1月2日
   にvol010をお送りします。来年もどうぞご購読ください。


■ご意見ご感想をお待ちしております。

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■発行者 SHCC 
     山地伸幸
住所 札幌市西区発寒7条12丁目 潟jシモク内

■eメール shcc_j@ybb.ne.jp

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□■編集後記■□
私はホテルのポイントカードは持っていませんが、電気販売店の
カードは5枚ほど持っています。

電化製品などを買うと時は、決まったところから買うとは決めてい
ませんが、やはりカードを持っている電気販売店へ行きます。
そして買いたいモノは、どこが一番安いか確認して購入します。
その上ポイントが少しでも多く付く販売店から買います。

航空会社の「マイレージ」は出張の多いビジネスマンにはもう充分
に浸透していますが、航空会社にとっては「マイレージ」が相当な
負担になっているとの話を聞きます。
しかし、もうこれだけ世界的に広まり、マイレージをしていない航
空会社が無いと思われる中では、止めれる状況ではないでしょう。

ただ航空会社の「マイレージ」の場合、お客様はマイル数を貯めよ
うとして、利用する航空会社を限定し、持つカードは一社に絞り込
む傾向にあります。
お客様の囲い込みとしては効果が高い業種です。

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