利尻・礼文のお花畑 《02年5月》  - ウミネコと礼文へ -

稚内から利尻へ

 

 利尻島からフェリーで礼文島へ向かいます。たくさんのウミネコがフェリーについて飛び交います。どこまで見送ってくれるのかと思っていましたが、見送りではありませんでした。飛び疲れたのでしょうか。しばらくして省エネモードに入ったウミネコはフェリーに降りてチャッカリ羽を休めています。フェリーの後を飛び交って、シャッターチャンスを提供しながら、人間に愛想を振りまくことが、彼らの乗船券なのかもしれません。

 

 礼文島での最初の目的地はメノウ海岸です。近くに地蔵岩があるのですが、崖崩れのため遠目に地蔵岩を見るだけです。でも道端の岩肌にはイワベンケイとエゾイヌナズナが咲き競っています。私のイワベンケイのイメージは岩に張り付く背の低いお花というものでした。でもこちらのイワベンケイは茎の背が高くて花も弾けています。季節が違うのかもしれませんが、随分とイワベンケイに対するイメージが変わりました。


 
 地蔵岩をバックに記念撮影を終えて、メノウ海岸に戻ります。ツアー参加のみなさんは海岸に降りてメノウ探しを楽しみます。でも私は目に入った黄色のお花が気になって、思わず反対方向に向かいました。ギジムシロでしょうか、とても可憐なお花です。ウレシィー。

 昼食を終えて、久種湖近くの水芭蕉の群生地に向かいます。ここからはフラワーガイドさんが私たちを案内してくれるということで、車内でイヤホンが渡されます。フラワーガイドさんの説明が離れていても聞けるようにとの嬉しい配慮でした。

 礼文島には3人のフラワーガイドさんがいるそうですが、私たちの相手をして下さったのは徳田さんです。なんと旅行に出発する前にサイトチェックして情報を収集させていただいたホームページ(http://hana-rebun.hoops.jp)のウェブマスターです。まさか本人にお会いできるとは思いませんでした。ナイスです。


このHPをご覧下さった徳田さんから「そんな事、言ってないゾ〜!」と教育的指導のコメントを頂きました。文末に掲載しました。どうぞご参考にして下さい。
また私のあやふやな記憶をお許し下さいm(__)m。

 フラワーガイドの徳田さんの案内で、水芭蕉の群生地の中を歩きます。残念ながら水芭蕉の見頃は1週間ほど前に終わってしまったとのことで、既に水芭蕉は巨大化し始めています。そうした中、キバナノアマナやエゾノリュエキンカの黄色のお花が目を楽しませてくれます。

 水芭蕉の群生地を抜けて、徳田さんの親心でしょうか。近くの牧草地に私たちを案内して下さり、かわいい水芭蕉を見せてくれました。

 その後「オオバナノエンレイソウの群生をお見せします」と、久種湖の沿岸でバスを止めてくれました。利尻島のオタトマリ沼で数株のオオバナノエンレイソウを見つけましたが、それに比べると一面の大群生です。花弁も大きくてまさにオオバナ、白がまぶしく輝いていました。


 
 オオバナノエンレイソウに別れを告げて、澄海岬に向かいます。澄み切った海が売り物の澄海岬。でも霧が多い礼文島ではバスガイドさん泣かせの名所のようです。「どこが透きとおってるの?」「この霧の向こうなんですけど...」というやりとりがよくあるのだそうです。でも今日のバスガイドさんは嬉しそうです。とてもいい天気で、蒼く透きとおった海が目の前に広がります。バスガイドさんも自信をもって、これこそ「スカイ」と説明してくれます。私たちは本当にラッキーでした。

 霧は澄海岬には天敵 (?) かもしれません。しかし、海抜ゼロメートルから高山植物が咲く礼文島にとって、霧はまさに天の恵みです。これから始まるお花の季節では、いま間近に見ることができる利尻富士も、ひと月に数えるほどしか見ることができないくらいに霧が多いそうです。暖流の関係で積雪時期も少なく、霧の多い礼文島だからこそ、高山植物が十分に成長して、大きなしっかりした色の花を咲き誇らせることができるのだそうです。

 澄海岬を後にしてスコトン岬に向かう途中、「岩肌一杯のエゾエンゴサクの群生をお見せします」とフラワーガイドの徳田さんがバスを道端に止めました。バスを降りると、海岸線を走る幹線道路の左側にそびえる岩肌一杯にエゾエンゴサクが咲き誇っています。それは見事です。しかも、ここのエゾエンゴサクはツートンカラーです。かわいいんです。

 「普通の道端でこんな群生を見れるなんて、礼文島って素晴らしいでしょっ」と自慢げの徳田さん、私たちがエゾエンゴサクに夢中になっている間に、道路の反対側にたった1株だけ咲くレブンコザクラ(礼文小桜)を見つけて声をかけて下さいました。ツアーのみなさんと一斉に道路を渡って、交代でレブンコザクラを撮影しました。そこはコンブを干す場所のようで「おばちゃん達が除草剤を撒いたので後2・3日で枯れちゃいます。」と徳田さん、「どうせ枯れちゃうなら持ち帰れないかしら。」と密かに思った人が若干名いたようでした。
 
 スコトン岬の手前でバスを降りて、フラワーガイドの徳田さんの案内で散策をしました。今の時期はエゾエンゴサクが一面に咲いています。斜面によって微妙に咲く時期がずれて、その時々に訪れる人を楽しませてくれるそうです。そして一週間後に同じ場所に来ると、別のお花畑に変わっていて、またまた楽しませてくれるのだそうです。
 
 徳田さんは礼文島の素晴らしさを話しながら、目に付いた高山植物を次々と紹介してくれました。時には1m四方を指して「何々の群生です。」とルーペを貸してくれます。ルーペを覗いて「ホォー、これがね。確かにお花だ」でも自分のビデオに収めることはできません。ビデオに収めることができたのはヒメイチゲと白のエゾエンゴサクだけでした。
 
 スコトン岬に着いたのは午後の3時半、けっこう冷たい風が吹いていました。お土産屋さんを覗いて、トド島をバックに記念撮影をしたところでブルブルしてしまい、早々にバスの中に戻りました。

 ホテルまでの車中、徳田さんが手作りの写真立てをツアー客全員に配ってくださいました。なんて心遣いでしょう。頂いたのは「大花の延齢草」と「礼文金梅草」です。きれいな写真にお花の説明と礼文島の魅力を伝えるメッセージが添えられていました。感謝です。

 ホテルに着くと、中庭には植物園のように礼文に咲くお花が植えられています。ここで初めて、ウルップソウ、ハクサンイチゲ、キバナシャクナゲを見ることができました。そしてエレベーターホールにはオオバナノエンレイソウが活けられています。さすがは礼文島のホテルだと感心しました。
 

  
 ツアーで礼文島に来て、バスでいくつかの名所を案内して頂きました。バスで移動するのはお手軽なのですが、礼文島の西側には道はついていません。フラワーガイドの徳田さん曰く、「次に来るときはレブンウスユキソウ(エーデルワイス)が群生する礼文林道コース(ハイジのお花畑)や西海岸の奇岩とお花畑を楽しむ4時間・8時間コースを是非歩いて下さい。天国のようですから。」とのこと。フムフム。

 そしてバスツアーだけでは礼文島の素晴らしさを満喫できないのでと、フラワーガイドの徳田さんはホテルとタイアップして、ふたつの素敵な企画を用意してくれていました。ひとつは夜の徳田さんとの懇談会、そしてもうひとつは早朝のお花畑散策です。

 夕食後の徳田さんとの懇談会では、徳田さんが愛用のノートブックを持参され、自身で撮影されたたくさんのお花の画像を次々と見せて下さいました。徳田さんは撮影した場所と時期とともに、そのお花の素晴らしさを生き生きと話して下さいます。お話を聞いていて、徳田さんは本当に礼文島を愛していらっしゃるんだなぁと思いました。
 

 翌朝は6時にホテルを出発ということで5時半に起きました。窓を開けると残念ながら雨です。雨具を着てホテルのマイクロバスに乗り込みました。案内はもちろん徳田さん、サンダル履きでの登場です。今日のコースは桃岩展望台の散策ですが、徳田さんにとっては我が家の庭ということでしょう。フラワーガイドの徳田さん、雨のなか嬉しそうに傘も差さずに、見つけたお花を説明して下さいます。

 徳田さん曰く、「礼文島は雨が多くてこれが普通。朝起きていつものように花の香りが漂ってきて嬉しくなりました。お花もとても嬉しそうです。」とのこと。ここではハクサンイチゲやキバナノアマナをはじめとした幾つかの新しいお花に会わせていただきました。

 いつかもう一度礼文島を訪れて、フリーでゆーっくりと歩きたいと思いました。

礼文島フラワートレッキングガイド 徳田さんからのコメント

「そんな事、言ってないゾ〜!」というのは、”雨が多いのが普通”という点と、コースですね。礼文薄雪草が最も多いのは、矢張りエーデルワイス群生地です。ただ、礼文島では、ここのみならず、ハイジの丘、月の丘、宇遠内など、各所で群生が観られます。又、礼文島は、訪れる日により、その斜面を彩る花達、日ごとにその表情が変わり、春から秋にかけてず〜〜〜っと、花畑が楽しめるという事。1週間違えば、出逢える花達・花畑の様相は、全く異なります。
今年は、早く花がスタートしたので、前倒しになって?花が早く終わるのでは、と、危惧されましたが、6月から8月1週目まで、涼しすぎる日が続き、今もって、夏の花の中には、夏を感じず、開花を待ってるもの達も居ます。秋にかけて、どんな反応をするのでしょうか。2・3日、暑い日が続けば、一気に開花するとは思うのですが。
エーデルワイスがメインなら、海の日頃にいらして下さい。空にかかる天の川の如く、見事なエーデルワイスの群生が観られます。
本当の自然の厳しさと対峙することにより、人間、本当の意味で、丸く優しくなれるんですよね。
又、この礼文島で再会できますこと、心より、楽しみにしております。


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