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雑記帳
かざぐるま
春
まどろんだ 午後のひととき 陽をあびて 夢うつつで聞く 古典の世界
東風を 感じて歩く 帰り道 霞む夜空に 昇る麦星
あたたかい 南の風が 吹いてきた 今年も春が もうすぐそこに
ふと気づく 見えなくなった オリオン座 冬の思い出 たくさん乗せて
捨てようと していたノートを 読み返し 昔の落書き 苦笑いする
東風に 目細め歩く 目の前を ハクモクレンの花びら過る
眠い夜 机に向かう 僕の背に 時計の音が 静かに響く
母校には 恩師の姿 すでになく 過ごした日々は 遠き思い出
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夏
白ツツジ 見つけてちょっと 新鮮な 気持になれた 午後の道草
嵐にも 負けずに耐えた 梅の実を 取らぬべきかと しばしためらう
初夏の陽を いっぱいに浴び 冬服を 洗濯に出しに 行く日曜日
プールから 背泳ぎしてみた 青空に ひこうき雲が ひとすじ伸びた
ちょっとだけ 落ち込んでいた 帰り路 大きな虹に 元気づけられ
信号を 待つ間さえ 耐えきれず 入った木陰に アブラゼミいる
雨上がり 雲間にのぞく 星たちに 導かれ行く 散歩道かな
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秋
並木道 黄色いじゅうたん 踏みしめて 一人でのんびり 帰る放課後
またひとつ 小さな町の 静けさを 夜行列車は つきぬけて行く
京の町 一歩外れて 思い出の 地をもう一度 踏みしめてみる
澄みきった 空を染めてく 夕焼けの 色は言葉じゃ 表せなくて
顔洗う 水の冷たさ こわごわと 掌の上 したたる雫
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冬
もやの中 そそぐ光の やわらかさ 出会う仲間と はずむ挨拶
高台に 登って見たのは もやの中 うごめく町の 朝の風景
クリスマス 終えてモミの木 ひっそりと 運ばれて行く 非常階段
いつのまに 落ち葉もすっかり なくなった 並木の下を 木枯らしと行く
ネオン街 人の流れを 逆のぼり わが家へ帰る 大晦日の夜
人絶えた 神社の前に 佇んで 見上げた空に 願いよ届け
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