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雑記帳
想いのはて
弟の憂鬱
私にはひとつ年上の姉がいる。姉と弟という組み合わせとしては珍しいくらいに仲の良い兄弟でやってきたと思っている。
ただ、19年やってきた今、ちょっとした悩みを抱えているのも事実である。
悩みとは何かといわれてどう表現していいのかに困るが、かいつまんで言うと「常に姉は私の一歩先を歩んでいる」ということである。
まぁ年上なんだから当たり前と言えば当たり前なのかもしれない。けれど年子であるだけに、姉の身に起こったことは否応なくすぐ次に私の身にも起こることであるということを、私自身もそして私の周りの人々も強く意識しているということは確かである。
自分の身内を誉めるようなことを書くのも気が引けるが、私の姉は勉強もできるし、言う人に言わせれば「きれいなお姉さん」であるらしい(だったらその姉に似ているとよく言われる私がもうちょっと美男子でもいいと思うのだが…独り言)。実際なかなか自慢できる姉なのかなとも思う。でもそれだけに、「あのお姉さんの弟」であることにプレッシャーを感じないわけにいかない。
高校受験の時もそうだった。姉は中2から塾に通い始め、見事関東圏ではトップクラスの高校に合格した。当時私と姉が通っていた中学校からその高校に合格したのは姉が初めてだったとかで、話題に上ったのを覚えている。すると当然、「じゃあその弟はどんな高校に行くの?」という、周りの人にしてみれば至極当然の興味、私にとっては重圧以外の何物でもない雰囲気が周りに沸き起こったのは想像に難くないだろう。
そのときに私がもし、姉とはかけ離れた成績だったのならそんなに気にすることはなかっただろうし、そもそも周囲がそこまでの期待をかけることもなかったのだと思う。私にとって不幸だったのは、私も、姉には劣るもののそこそこの成績を修めていたということだ。
結局、努力と運の因果により私は姉と同じ高校に入学を果たした。そのとき、合格の喜びよりも「姉に劣るというレッテルを貼られなかった」という安心感が大きかったのを覚えている。しかし実際の高校生活を見るに、同じ高校に入ったということは、また高校生活の間中ずっと姉と比較されつづけるということを意味していたのだとしか言えない。
そして案の定、大学受験の前後においてまったく同じことが繰り返されることとなったのである。比較されることのプレッシャー、そしてそれを跳ね除けたと思いきや大学生活の中でまた姉の存在が大きな役割を占めている今…
現在大学2年の姉は今、志望の学科に進学を決め、忙しくも楽しげに毎日を過ごしているようだ。それに引き換え私は、必修の単位を取れるかどうかの瀬戸際に立たされている次第だ。留年なんかしようものなら、今まで必死に立ち向かってきた周囲の目に、今度こそ押しつぶされてしまうかもしれない。
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「弟」の憂鬱
私は一人の姉を持つ弟である。それゆえなのか、また他に理由があるのかは定かではないが、私は誰に対しても「弟」的なキャラクターであり続けてしまう。もはやそれが習性、というか私そのものがその「弟」的キャラクターとイコールで結ばれるくらいになってしまっている。
多くの人が集まる社会の中でそんな人がいることに関しては、まぁ当然のことだし、それはそれで良いと思っている。ただひとつ問題なのは、「弟」であり続けて来たためにどんな集団においてもおとなびた行動を取れなくなってしまっていることである。集団の中での「おとな的」な行動に慣れていないために、集団のリーダーシップを取らねばならなくなった時にどうしてよいかわからず右往左往してしまう。そして結局、「あなたじゃ頼りないからかわりにやるよ」と言い出す人が出てくる始末だ。そしてそれを否定できない。
またいろいろな場面において、思慮の甘さを露呈してしまうことも多い。「弟」であるがゆえに重要な仕事を任されることもなく、重要な決定を下さねばならない状況に置かれたこともなく、深い思考をしたという経験が浅いためであろう。また「弟」であるがために他人の世話を焼くこと(というとお節介みたいに聞こえるかもしれないが、他人に気を配るとかそういう意味で)に関してもいつも後悔の連続である。もうちょっと考えてから行動に移せば、こんなことにはならなかったのに、他人に嫌な思いをさせることもなかったのに、などなど。
要するに、まだまだガキなのである。しかし私ももう19歳。未成年−法的にも社会的にも子供であることが許容される時期はもう今年だけなのだ。もうそろそろ、「弟」である自分から脱却したいともがいているつもりなのだが、気がつくとまた居心地の良い「弟」に収まってしまっている自分がいる。
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弟の憂鬱・番外編
姉は勉強ができる。姉は、対外的には「真面目で適度に几帳面なひと」という印象をもたれているらしい。その結果は、私に対しての「いいお姉さんを持って幸せな弟だね」という台詞である。
実際はどうか。まぁ勉強については否定しない。少なくとも私よりはできるだろう。しかし「几帳面」かどうかについてはどうも同意できないでいる。
そんなことを言うといつも、相手は「あなたがお姉さん以上に几帳面すぎるんじゃないの?」と言い返される。まぁ私も無駄なところ几帳面であることは否めない。変なところで凝り性を発揮して、周囲にあきれられることも多々ある。しかし……
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