Back

雑記帳

夕陽のさす部屋で



レシピ:たぶんカレー


材料
 無駄な時間     ・・・あるだけ
 やる気       ・・・あるだけ
 愛情        ・・・大さじ一杯
 冒険心       ・・・少ない方が無難

 その他
  米とか野菜とかカレールーとか ・・・食べるだけ もしくは 鍋に合わせること


つくりかた

野菜を切る。
一口サイズが推奨されているが、やる気が多い場合は米粒大でも可。この場合、やる気とは作品を食す側がいちいち匙ですくうためのやる気も含むことを忘れてはいけない。
ここで、野菜を切ることくらい簡単だと安易に気を抜いてしまうのが多くの失敗パターンである。相手は俎板の鯉だと甘く見てはいけない野菜なのだ。ふと目をそらすと脱走兵が続出するということになりかねない。厳重なる監視が必要である。
また、ジャガイモを剥くときは包丁にて、皮は全て一続きで剥くことが望ましい。しかしここでも、その任務が完了したからと言って包丁を持ったまま浮かれすぎることは非常に危険である。よく注意されたし。
私は、野菜として人参、玉葱、馬鈴薯といった定番素材の他、南瓜、茄子、そしてパプリカをお奨めする。

肉を斬る。
必ずしも肉を斬らせて骨を断つ必要はない。むしろ骨は取り除くか、あらかじめ取り除かれたものを用意するのが常識的判断と言える。
また肉においても一口サイズが推奨されている。このとき、俎板の肉用の面を使うことを忘れてはならない。さもなくば今後長きに渡って、生臭いサラダを食さねばならないという事態に陥らざるを得ない。
また、切り終えた肉片には下味をつけると尚良い。切り口に塩や胡椒を塗るという行為は、我々に対して行った場合は耐えがたき痛みの上塗りとなるが、相手は食肉である。非人道的だと躊躇することはない。容赦なく振掛けなければいけない。
肉は、鶏でも豚でも牛でも、羊でも馬でも兎でも猪でも鯨でもかまわない。ただし筆者は味の保障はしないことを忘れてはならない。そして、現在のところクレームは受け付ける予定がない。今回は、冒険心が少々足りなかったのでその代わりに鶏肉を使用するものとする。

炒める。
間違っても傷めてはいけない。悼めてもいけない。この間違いは後々重大な欠陥として作品に影響してくるので心しておくこと。
乾いた鍋に油を敷き、火にかける。ここで間違って濡れた鍋を使用すると、水と油の不和に巻き込まれとばっちりで攻撃を受ける危険性もあるので気が抜けない。
鍋が赤熱し始めるよりはるかに前に、野菜を投入することをお奨めする。むしろ、油が煙を上げてしまったら既に遅すぎだと判断してよいだろう。玉葱から始めて、人参等、そして次第に型崩れしやすいものを加えていく。型崩れしやすいブラウスなどは入れてはいけない。
その後、肉も同様に投下するべし。肉は型崩れを心配する必要はまず無いので心配なきよう。それは杞憂と言うものである。

煮る。
分量の水を加える。カレーの辛味に耐えるのはマゾヒスト的行為だと頭から信じて疑わない輩はここで牛乳などを加えてみるもよし。
加熱をするにつれ、灰汁が浮いてくると思われる。灰汁は悪ではないなどと無駄な冗句を飛ばすのも、観客がいないところであれば構わないが私は無視して制作手順を続けよう。
悪ではないかもしれないが料理には不必要であるため、灰汁を適度に除去するのがよろしい。取りすぎると、思い余って全ての水分を取り除いてしまいかねない。物事には中庸が大事であるとここで学んで欲しい。 しばらくの間大鍋で煮込めば、魔法の薬の完成。ではない。まだルーを入れていない。ルーを入れて混ぜれば完成である。違った。魔法の薬などどこから出てくるか。カレーの完成である。
手順は至極簡単であろう。誰でもできる。ただし、サルにはできないなどというくだらない発言は却下する。
この後も弱火で煮込みを続けると、また味わい深くなる可能性が無きにしも非ずである。しかし場合によっては苦味が深くなることもありうる。カレーに苦味を求める奇特な方以外はお奨めしない。

盛る。
間違っても毒を盛ってはいけない。カレーを盛るのだ。
炊き立てのご飯を用意する。手順の中に書いていなかったからと言ってここまで来てから米を磨ぎ炊き出すのは無能である。行間を読んで、事前に準備しておいて頂きたい。
ここで私は、一ひねりしてキャロットライスを用意しておいた。少量の人参をおろし金にかけ、水に浸した米とともに炊飯器にセットしておくのだ。また、バターなどもあるとほんのひとかけ落とすとまた面白いかもしれない。
ともかく、ご飯が用意できていれば問題はない。タイ米であろうと玄米であろうともち米であろうと籾であろうと私は否定しない。否定はしないと言ったが私が食べる場合に限り話は別である。口出しもしくは手出しはさせていただく。

食する。
つべこべ言わずに食べろ。



Back