西三河におけるフクロウ用巣箱とその利用数
フクロウStrix uralensisは,繁殖に自然木にあいた洞を利用するが,西三河地方では
営巣木の減少から地上で営巣する個体も観察され,住宅難による個体数の減少が心配される.
そのためフクロウ用巣箱の必要性を感じ,大木のある神社仏閣を中心に巣箱を架け,少しづつ
成果を挙げてきている(杉山.1998).
フクロウの巣箱は縦横30cm高さ55cmの横穴が一般に知られている(佐藤.1979).
巣箱架けを始めた当初は,ベニヤ板で縦横30cm高さ50cmの横穴の巣箱を作り架けたが,
意外に重く,一人で架けるにはかなりの労力が必要であった.そのために,軽量でより小さ
い巣箱を考案しながら,巣箱の改良,巣箱を架ける場所などを工夫したところ,年々利用数
を増し2002年には18ヶ所の巣箱を利用するに至っている.
そこで,現在使用している巣箱と巣箱を架ける条件,巣箱利用数について報告する.
一つの巣箱を作りそれを森の中に運び木に架ける労力は,一度経験した人で
あれば大変な苦労であることは解っていただけると思う.そんな事を10年も続けてこれたのは,
軽いプラスチックの容器を利用して,簡単に出来る巣箱をフクロウが利用してくれたからだと思っている.
しかし,これで完ぺきな巣箱が完成したわけではなく,まだまだ改良の余地は残っている.今後は一度
架ければ毎年利用してもメンテナンスの必要も無く,永久的にフクロウが利用できる巣箱が課題である.
また,色々な環境に巣箱を架けることで,フクロウが営巣に好む環境が少しながら解ってきたが,それを
第3者に具体的に伝えることは難しく,今後はフクロウが好む環境,子育てが安心してできる環境を具
体的に調査していき,今まで利用されなかった巣箱はより好む環境に架け替えていきたい.
フクロウにとって快適な巣箱ができ上がり,多くのヒナが巣立っていったとしても,その巣立ったヒナ達が,
再び安心して子孫を残していける事のできる環境が無ければ何の意味もなくなってしまう.
営巣環境を保全し創造していくことが最大の課題であると思っている.
(西三河野鳥の会発行の研究年報VOL.5から抜粋です。)
西三河研究年報 VOL1.フクロウ用巣箱の必要性 杉山時雄(絶版)
西三河研究年報 VOL2.西三河地方におけるフクロウの巣間距離 杉山時雄
西三河研究年報 VOL3.フクロウの移動記録について 前田茂雄
西三河研究年報 VOL5.西三河地方におけるフクロウ用巣箱とその利用数 杉山時雄
西三河研究年報 VOL7.フクロウの移動記録について 前田茂雄・杉山時雄
西三河研究年報 VOL.8フクロウの巣箱内におけるビデオ解析の報告 杉山時雄・大原満枝・西垣士郎
西三河研究年報 VOL.8フクロウのテレメトリーによる移動調査 西垣士郎・大原満枝・杉山時雄・前田茂雄
西三河研究年報 VOL.9三河湾スカイラインの排水溝で産卵したフクロウ 石川均・杉山時雄
西三河研究年報 VOL.9フクロウのテレメトリーによる移動調査 前田茂雄.大原満枝・杉山時雄・原田秋男・西垣士郎
詳しくは西三河野鳥の会研究年報を。
一部500円・600円送料別で販売しています
詳しくは 〒470−1213 豊田市桝塚西町北郷63 野田信裕方
TEL FAX 0565-21-3752 郵便振替00850−2−103400まで