すみれは鉢で育てる
すみれは宿根草(多年草)ですが、そのほとんどは寿命が2〜5年です。
また、環境のより好みが激しく、気に入らない環境では閉鎖花を作ってタネを飛ばし、すぐに枯れてしまいます。このため、庭に植えて長く楽しむのには向きません。鉢に植え実生や根伏せで株を更新しましょう。
なお、鉢で育てているもののタネを採り、庭に蒔いてやると、好みの場所で根づいてくれることもあります。すみれの中では株の寿命が比較的長い、タチツボスミレの仲間、ビオラ・ソロリアの仲間、ニオイスミレの仲間は、環境が合えば群生させることができます。
市販の育てやすい種類を選ぶ
日本には野生のすみれがやく60種類あるとされています。しかし、北海道特産、沖縄特産といった特殊なすみれが多く、その生質多種多様で上手に育てるには専門の本で勉強するなど、知識と経験が必要です。一般の方が観賞目的で栽培するのに適した種類は、20種類ぐらいです。
春に園芸店に並ぶすみれは、野生のものを掘り取って植えたものではなく、タネや根から生産者が育てた丈夫な種類ばかりです。たくさんのすみれを育てたいという気持ちはわかりますが、初心者はまずこうした売っている種類ですみれの性質を知り、徐々に野生のすみれへと増やしていくことをお進めします。
なお、すみれは株の寿命が短いため、花が沢山咲いている大株の苗は、余命が短い傾向があります。小さな株が幾つかまとまっていて、株元がしっかりした、あまり徒長していない株を選ぶのがポイントです。
日当たりの良い場所で管理する
市販されている種類はほとんどが日照を好むので、明るく、風通しの良い場所で管理します。ただし、真夏は半日陰の場所に移動するか、遮光します。
冬も、ひどく凍結しない南関東以西では屋外で十分越冬させることができます。
花が終わったら植え替える
市販の鉢植えは、花が終わったら速やかに植え替えます。すみれは根傷みしやすいので、バケツの中で静かに表面の汚い土を洗い流す程度で、無理に根をほどいてはいけません。一回り大きな鉢にそっと植えてあげます。
深めの鉢に、山野草の用土に植える
すみれはその小さな姿に似ず、根を深く伸ばすものが大半です。浅い鉢でなく、普通の鉢や少し背の高い腰高鉢が向いています。
用土は、小粒(3〜5mm粒)の鹿沼土、軽石砂、赤玉土などを、ふるいでミジンを除き、混合して用います。あらかじめ混合された、市販の山野草用土を使うのも簡単です。
パンジーや草花用の混合培養土や腐葉土は、夏の根腐れの原因となるので、初心者の方は使わないほうが賢明です。
肥料の与え方と消毒
肥料は葉が次々と展開する春と秋に与えます。ハイポネックスなど花用の液肥の1000倍液を、週1回から月2回、水代わりに与えます。夏は根腐れの引き金となるので与えません。
害虫は、主にアブラムシ、ハダニ、ヨトウムシ、ナメクジなどがあげられます。それぞれ発生を見たら、蔓延しないうちに捕殺や害虫に合った薬剤散布で対処します。
病気では葉柄に白いボツボツができ、ひどくなると新芽全体が縮れたようになってしまう、そうか病が一番の大敵です。真夏と真冬を除き、月1回ダイセン系の薬剤の1000倍液を散布して予防に努めます。
タネまきで株を更新する
先にも述べましたが、すみれは株の寿命が短いため、長く栽培するためには、種まきなどで株を更新してやることが大切です。
すみれは春以外の季節では花を咲かせずにタネを作ります。この咲かない花を閉鎖花といいます。
果実はほうっておくとはじけてタネを飛ばしてしまいますから、図のA〜Bの時期に莢からタネをかき出し、すぐに小粒の赤玉土やバーミキュライトなどに蒔きます。
発芽までは乾燥させないように気をつけます。早いもので約2週間後、なかには翌春まで発芽しないこともあるので大切に管理します。本葉が2枚になったら、たとえ真夏でも速やかに定植します。
交配品種は根伏せ、茎挿しで更新
タネのできない交配種は、根伏せで更新します。植え替えの際、太さ2mm前後の真っ直ぐに伸びた根をとり、ヒゲ根を取り除き、長さ1.5cm前後にカッターで切り、上下を間違えないようにバーミュキライトに挿します。実生同様本葉が2枚になったら定植しのす。
株元から地上茎を出す有茎種は茎挿しでも増やすことができます。茎が硬くなった晩春に茎を一節毎に切り、ふしが埋まるようにバーミュキライトに挿します。1ヶ月たって枯れなければ発根しているので定植します。
苗やタネの入手方法
春に花の咲いた状態で園芸店に並ぶもの以外では、種苗会社や山野草業者の通信販売があります。しかし、同じすみれが色々な名前で売られていたり、外国種に奇妙な名前つけて売られていることもあるので注意が必要です。
タネは、日本ではほとんど市販されていません。海外の業者がわずかに扱っていますが、名前の怪しいものも、かなりあります。
野生のすみれを育てたい方は、閉鎖花からタネの採取をお進めします。春に花を見た場所に初夏から秋に訪れ、タネを採取します。春とは環境が変わっていることも多く、栽培管理するうえでとても参考になります。花咲くすみれを掘り取る人は、すみれ愛好家失格です。
スミレの種類と性質について
栽培する場合すみれの性質を知って、そのすみれの好む環境を付くってやる必要があります。
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日光を好む
スミレ、アナマスミレ、アツバスミレ、イソスミレ
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半日陰を好む
アカネスミレ、コスミレ、アリアケスミレ、ヒメスミレ、ノジスミレ、オオバキスミレ、キスミレ、ニョイスミレ、マルバスミレ、サクラスミレ、ヒゴスミレ、タチツボスミレ、ニオイタチツボスミレ、他
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日陰を好む
ヒカゲスミレ、エイザンスミレ、ヒナスミレ、シハイスミレ、スミレサイシン、ナガバノスミレサイシン、アオイスミレ