2001 J1 1st Stage A

5/12 第9節 柏レイソル−FC東京 (日立柏サッカー場)

 前節・札幌戦でシステム・スタメンを変更して勝利を収めた東京。今季初の連勝を狙う。対する柏は昨季年間最多勝点を上げ、今季の優勝候補に挙げられながらも波に乗り切れずにいる。

 試合は柏がボールキープする時間の長い展開となる。大野のパスからポスト役の北嶋、少し下がり目に位置する黄善洪にボールが渡るが、サンドロ・小峯の両CBが2人を封じ込む。柏自慢の両アウトサイドも攻撃が中央から前線に展開されることが多く、あまり機能しない。東京も左サイドでは小林成が、右サイドでは由紀彦がケリー・アマラオと連携して突破するものの、守備重視のために攻撃に人数がかけられず、決定的なチャンスを作れない。

 25分、土肥がGKは6秒以上手でボールを保持してはいけない、いわゆる『6秒ルール』の反則を取られてPA内で間接フリーキックを与えてしまう。このピンチもなんとか凌ぎきり、一進一退の攻防が続く。そんな中での40分、場内が騒然となる事件が起こる。

 ピッチ中央、やや東京陣地よりでボールキープた柳想鉄に背後から三浦がファウル。これに激怒した柳が三浦の足を踏みつけ、報復行為で退場を宣告される。さらにこの行為に怒った由紀彦が詰め寄り、柳の胸を自らの胸で小突いてしまう。由紀彦も退場を宣告されるが、柳は由紀彦の顔面にチョップを見舞う。これで両チームが入り乱れ、乱闘寸前の一触即発のムードに。どうにか事なきを得るが、由紀彦は奥歯を2本折ったうえ、2試合出場停止処分を受けてしまう(柳は4試合出場停止処分)。

 そのまま前半は無得点で折り返し、10人対10人で戦うことになった両チーム。東京はトップ下にいたケリーが右サイドに流れて由紀彦の穴を埋める。ボランチの柳を失った柏は明神のワンボランチにて対応する。

 51分、三浦が左サイドをタッチライン際まで突破してFKを得る。ケリーの蹴ったボールは柏GK南の頭上を破り、直接ゴールにねじ込む。東京としては公式戦約2年ぶりのFKからの直接ゴールで先制する。

 この後、柏がさらにボールをキープし、洪明甫を攻撃参加させ、両アウトサイドを一気に交代させてまで東京陣内へ攻め込む。だが、浅利が大野を徹底的にマークして効果的なパスを配球させず、DF陣の身体を張った守備、GK土肥のファインセーブにより得点を与えない。更に柏は、大野を下げて根引を投入。DF渡辺毅を前線にあげるパワープレーに出る。対する東京も下平を投入し、崩れかけた中盤のバランスを修正して1点を守り抜く。

 そしてロスタイム、柏陣内での内藤からのスローインを受けたケリーが、相手に囲まれながらも中央へ折り返す。パスの先にはアマラオ。アマラオは狙い済ましてヘディングシュートを柏ゴールに叩き込む。ロスタイムのゴールで2−0として、そのまま試合終了。東京は今期初の無失点試合で初連勝を決めた。

 アマラオをトップに敷いた4−5−1システムに変更して結果を残している東京。J2時代とほぼ同じシステムであり、中盤の運動量も戻ってきている。カウンター時のスピードに不満もあり、アマラオが抜けた場合に同じ闘い方が出来るか不安も残るが、一時の不調は脱せた様である。

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5/19 第10節 FC東京−アビスパ福岡 (東京スタジアム)

 コンフェデレーションズカップの為にこの試合を最後に一時中断するJ1。東京は3連勝で勝敗を五分に戻したいところ。福岡は怪我から1年振りに復帰した山下が好調で、日本代表候補にも選ばれた(注:山下は一旦は代表から外れたが、柳沢(鹿島)の怪我により追加登録された)。だが、攻撃の要となるビスコンティを出場停止で欠いている。東京も由紀彦が柏戦の退場処分で、今節は出場停止。その代役には戸田が選ばれた。

 試合開始早々の2分、東京が大きなチャンスをものにする。アマラオからボールを受けた小林成が、相手選手3人に囲まれそうになったところで左サイドに流れてフリーだったケリーにパス。ケリーがドリブルの後にクロスを中央へ入れると、走りこんでいた戸田が左足インサイドでダイレクトボレー。福岡ゴールに突き刺さり、東京が先制点をあげる。

 この先制点で東京は勢いに乗ってさらに攻めにかかる。トップ下のケリーが縦横無尽に動き回り、小林成・三浦らと共に左サイドでチャンスを作り、そこから送られるクロスに飛び出してくる戸田が合わせる形が幾度となく見られた。戸田は先週のサテライト戦での好調を維持しており、決定機に何度も絡む。

 対する福岡は全体的に運動量が少なく、また、DFラインの押し上げも無い為に中盤に生まれたスペースを東京に好きなように使われてしまう。攻撃もDFからのロングボールに頼らざるを得ない状況で、簡単に東京DFに跳ね返されてしまう。

 だが東京の攻撃も徐々に左サイドに限定され始め、チャンスの数も減り、追加点をあげることの出来ないまま前半を折り返す。

 後半に入るとそれまでの流れが一変し、福岡が試合の流れを掴む。運動量の落ちてきた東京とは対照的に福岡が積極的に動き回る。迎えた51分、東京側ペナルティーエリア右前で福岡がFKを得る。福岡MFバデアが蹴ったボールに中央でフリーになった久永がヘディングで合わせて同点に追いつく。

 福岡の前線からのプレスの前にバランスを崩していく東京。それを修正しようと下平を投入する(60分・戸田と交替)。一時はもち直したかに思えたが、福岡の動きは益々冴えてきており、前半のような攻撃を仕掛けられない。増田を三浦に替えて投入し(78分)、流れを再び呼び込もうとした矢先、致命的なミスを犯してしまう。80分、福岡FWのプレッシングに遭ったサンドロがGK土肥までボールを下げるが、土肥はキックをミスしてしまいボールはバデアの元へ。バデアはすかさず山下へとパスを送り、崩れた東京DFラインにフリーで侵入した山下は難なく東京ゴールへ流し込み1−2。福岡が逆転する。

 東京は鏑木享を送り込み何とか同点に追いつこうとするものの、守備を固める福岡を破ることは出来ず、そのまま試合終了。逆転負けで3連勝、勝敗五分の夢も吹き飛ばされてしまった。
 
 前半の状態を受け、福岡はピッコリ監督の適切な指示で修正に成功した。東京は前半に活発な動きを見せていた戸田・小林成が、後半に入ると試合の流れから消えてしまうと共に運動量が激減してしまった。言葉は悪いが早めに見切りをつけて修正を図る事も必要だったように思える。磐田戦(3/31)に続く決勝点の直接の原因を作ってしまった土肥には猛省を促したいが、簡単にバックパスを送ってしまったサンドロにも失点の原因はあるだろう。何より、前半のうちに追加点を奪えなかったことも問題である。この時に奪えていられれば試合の流れは変わっていた可能性もあるだけに悔やまれるところだ。

 中断前最後の試合を白星で飾れなかったのは残念だが、今の時点では現在の闘い方が最もよく機能しているので、中断中の調整でより機能するよう、トレーニングをしてほしい。

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6/16 第11節 横浜Fマリノス−FC東京 (横浜国際総合競技場)

 コンフェデレーションズカップの中断明けの初戦、東京の相手は横浜Fマリノス。共に調子が上がらず低迷しているが、横浜はアルディレス前監督を解任し、チームディレクターの下条氏を新監督に迎えて巻き返しを図ろうとしている。しかし中村・小村を怪我で、城を出場停止で、田原をワールドユース出場の為に欠く苦しい布陣。東京は由紀彦が柏戦(5/12)での退場による出場停止から復帰、現時点でのベストメンバーで過去4勝1敗(東京ガス時代からの通算)と相性のいい横浜を迎え撃った。

 試合開始早々は東京が小林成がケリーとの連携でチャンスを掴むものの、すぐさま横浜がペースを握る。ポスト役のFW外池がワンタッチでボールを落とし、スピードのあるFW木島が中盤からのそのボールを受けてゴールに迫り、またMF平間・波戸の両アウトサイドが突破を図り、東京DFを切り崩す。しかし東京DF陣も身体を張ってゴールを許さない。時折、ケリーと由紀彦、或いは小林成が好連携を見せてチャンスを作るものの、横浜優勢の流れは変わらない。

 そんな中で迎えた29分、横浜DFがバックパスを送る。受けたGK川口にアマラオがプレッシャーをかけに詰め寄り、処理にもたつく川口からボールを奪う。アマラオはゴールライン際まで行ってしまうが、そこからゴールへ近づいてシュートを横浜ゴールに突き刺す。あっけない形で東京が先制点を奪う。

 これで流れを取り戻した東京は、アマラオ・ケリーが立て続きに決定的なチャンスを掴むが追加点は奪えずに試合は落ち着きを見せる。このまま前半終了かと思われた43分、内藤がアマラオ目掛けてロングボールを送る。これには横浜DF數馬が対応し、ヘディングで川口にバックパスするが、アマラオはこのプレーを読み切っていた。數馬と無理に競り合わずにバックパスを追いかける。パスが弱かったこともあり、ボールに先に追いついたアマラオは飛び出してきた川口の頭上を越すシュートを放つ。川口も両手を伸ばしてボールを当てるものの、方向を変えることは出来ずにボールはそのままゴールに吸い込まれ、東京は貴重な追加点を上げる。

 後半に入ると、東京は守備の意識がより強まり、横浜はボールを中盤で回すのみで得点の気配が感じられなくなっていく。選手を入れ替えて活性化を図るがあまり効果はなく、鋭いドリブルで東京DFを切り崩し孤軍奮闘していた木島が退くと、横浜のチャンスはますます遠のいていった。東京も安定した守備で横浜の攻撃を受け流していたが、守備に意識を割きすぎたのか前半ほどのチャンスを作り出せない。

 終盤に下平に代わって喜名が投入されると、その喜名が積極的にボールに絡んで幾度かチャンスを作り出す。しかし、ゴールには至らないままに試合終了。前半に上げた2点をセーフティーに守り抜いた東京が再開初戦を勝利で飾った。

 ケリーを起点にして由紀彦・小林成の連携から攻撃を形作れたが、この日の得点は相手のミスを突いたアマラオの勝負強さによることも事実。内藤と中盤の選手の連携が上手くいかなかったことと、DF陣が相手FWにプレッシャーをかけられて危うくボールを奪われかける場面が気にかかった。ナビスコカップ広島戦(6/13)で3失点したDFが無失点で切り抜けられたこと、低調な内容ながら勝点3を得られたことが収穫であろう。

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