2001 J1 1st Stage B

7/7 第13節 FC東京−鹿島アントラーズ (東京スタジアム)

 今年からFC東京のホームとなった東京スタジアム。しかし、東京はリーグ戦では開幕戦以来ここで勝利をあげていない。前節までで星を五分に戻した東京は白星先行を狙い、ホームに鹿島アントラーズを迎えた。昨年、リーグ・天皇杯・ナビスコカップの3冠制覇を果たした鹿島だが、怪我人などで昨年同様のベストメンバーが組めずに調子が上がらず、下位に低迷している。

 序盤、東京はアマラオを基点としつつ、右サイドから崩しにかかる。東京の右サイドは鹿島の左サイド。鹿島DF相馬の長期離脱により未だに埋めきれていない穴を狙って、由紀彦が仕掛けていく。結局得点には繋がっていかないものの、試合のペースを掴んでいた。また、アマラオは巧みなボールキープで簡単には鹿島DF秋田に潰されなかった。

 だが、20分を過ぎた辺りから鹿島が反撃に出る。こちらも不慣れな右SBに入った小峯のいるサイドを狙って、FW平瀬・鈴木が流れてきて基点を作る。しかし小峯も1対1で奮闘し、それに影響されるかのようにDF陣全体が引き締まって鹿島のチャンスを防いでいく。
 そして31分、浅利→小林成と繋がったボールが左サイドに引いてきていたアマラオへ渡る。アマラオは逆サイドのDFの裏へ浮かせたパスを送る。そこに走りこんでいたのはケリー。ピンポイントでやってきたボールをケリーはダイレクトでシュート。綺麗に鹿島ゴールを破り、東京が先制する。その後、東京・鹿島共に一人ずつ流血する程の激しい展開を見せるが、1−0のまま前半を終える。

 後半、ボールの支配率で上回ったのは鹿島。同点に追いつく為に前がかりになる。しかし、FW平瀬は中盤と息が合わないのか、出されたパスに追いつけない場面が多く見受けられた。もう一人のFW鈴木も、小峯らの対応に満足な仕事が出来ない。東京は鹿島の攻撃を文字通り身体を張って防ぎながらも、隙あらばカウンターを仕掛ける。

 56分、土肥のゴールキックをアマラオが相手に競り勝って前線へ送る。そこにいたのはまたしてもケリー。対応した相手DFを軽やかなステップで交わして放ったシュートは、GKの手をかすめるようにしてゴールに吸い込まれた。鹿島を突き放す貴重な追加点が生まれた。
 2点のビハインドを負った鹿島は、続々と選手を入れ替えてさらに前がかりの布陣とし、何とか反撃を試みる。だが東京はファウルを犯しながらも一人一人が集中力を切らさずに対応し、鹿島の攻撃を防いでいく。終盤、東京も選手を入れ替えて逃げ切りを図る(時間稼ぎの意図も含まれる)。結局、最後まで鹿島にゴールを許さないままタイムアップ。攻守共に機能した東京が鹿島を完封した。

 イベントの影響もあり、48521人という満員の観衆の中で今季最高の試合を見せることが出来た。
サイドからの攻撃はあまり目立たなかったものの、それを補って余りある、ケリーとアマラオの好調さが試合を決めたと言っても過言ではないだろう。
だが、相手攻撃をファウルで止めざるを得なかったことも事実。その影響で、この試合で良い働きを見せていた、ケリー・小峯が警告累積で次節は出場停止となってしまった。次節・ガンバ戦へ向け、彼ら2人のいないポジションをどう埋めていくかが大きなポイントであるだろう。

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7/14 第14節 FC東京−ガンバ大阪 (東京スタジアム)

 前節は大観衆の中で快勝し、今季初の3連勝を飾った東京。1stホーム最終戦となるこの試合はガンバが相手。東京はケリー・小峯を警告累積による出場停止で欠き、加賀見・内藤がその穴を埋める形に。対するガンバはMF稲本のアーセナル(イングランド)移籍がほぼ確実な状況であった、前節東京V戦で5−0で圧勝する程にチームの状態は上昇していた。そして稲本の移籍は正式決定し、この試合が移籍前の関東でのラストゲームとなっていた。


 試合は、開始早々からガンバが積極的にプレッシャーをかけて東京陣内へ攻め込む。いきなり押し込まれた東京は混乱し、ペースをガンバに握られてしまう。それが落ち着いたかに見えた4分、ガンバはゆっくりとボールを回しながら東京陣内へ。MFビタウからフォローに上がってきたMF遠藤へボールが渡ると、遠藤は前線へロングパス。そのパスに反応したFW吉原が持ち前のスピードで東京DF陣の裏に抜け、そのパスに右足でダイレクトに合わせると、飛び出しかけていた土肥の脇を抜けてゴールに吸い込まれた。東京の選手が落ち着かないうちに先制点を許してしまう。

 その後もガンバが優勢に試合を進める。MF二川・ビタウの配給するパスから吉原が幾度となく飛び出し、稲本も積極的に攻め上がって分厚い攻撃を見せる。特にスピードに難のある内藤が位置する、東京の右サイドから突破を図っていく。
 ケリーを欠く東京の攻撃は、1トップのアマラオがボールを受けても何人かに囲まれてしまい潰されてしまう。アマラオとトップ下の加賀見との連携は皆無に等しく、加賀見はサイドに流れて基点となり数回チャンスをつくるものの、得点には繋がらない。東京の選手は各個人の運動量が少ないのと、攻守の繋ぎ目となるはずの下平が効果的な配給を出来ないこともあってなかなかボールが回らず、宮本を中心とするガンバDFを崩すことが出来ない。そのまま大したチャンスを作ることもなく前半を終える。

 後半から、東京は下平に変えて三浦を投入する。三浦は積極的に動き回ってボールを呼び込み、前線へ何度も飛び出していく。この交代が功を奏し、ボールが回りだして東京の攻撃が活発化してペースを掴む。ガンバは速攻から追加点を狙うが、守備に専念していた浅利を含めたDF陣がしっかり対応して失点を許さない。

 何としても同点に追いつきたい東京は、怪我から復帰した呂比須が入った(加賀見と交代)後、三浦がGKと1対1になるが、シュートが枠を外れてノーゴール。最大の決定機を逃してしまう。
 チャンスを迎えながらゴールを割れない東京を相手に、ガンバは無理をせずにゆっくりとボールを回していく。74分、東京陣内でボールをキープしていたビタウは稲本にパスを送る。プレッシャーの弱い東京の中盤を突き進んだ稲本は、ペナルティーエリア内のFW小島にボールを預けて一気に東京DF陣の間をすり抜ける。稲本が小島からの折り返しを受けて、土肥の動きを確かめながら冷静に放ったシュートは無情にもゴールに流し込まれた。2−0。

 突き放された東京は小林成に変えて戸田を投入しするものの、前線に選手が待ち構えてしまいスペースがなくなってしまう。仕方なくロングボールを送り込んでもガンバDFに跳ね返され、僅かに得たチャンスもシュートが枠を捉えることは無かった。結局2−0のまま試合は終了し、東京の連勝は3で止まってしまった。

 この日の暑さも影響したのだろうか、前半は選手が動かずにチャンスを作れなかった。選手個々が積極的に動いていかなければアマラオへの負担が倍増し、潰されやすくなってしまう。結果的にケリーの穴を埋め切れなかった故の無得点ではあったが、こうも動きが乏しければケリーと言えども孤立していたのではないだろうか。相互にフォローし合い、積極的に動き回ることでチャンスを作れることは、三浦が入った後の攻勢で証明されていたし、皮肉にも試合相手のガンバが体現していた。少なくともあと一ヵ月半はこのような暑い中での試合になるであろう。そんな状況下でも運動量を保つことが得点・勝利への道標になるはずである。

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