2001 J1 2nd Stage @

8/11 第1節 FC東京−柏レイソル (東京スタジアム)
 ファーストステージを9位で終えた東京。今季の目標でもあるタイトル奪取の可能性はこの日から開幕するセカンドステージ、天皇杯しか残されていない。その為にも、と言う訳ではないが、大事な開幕戦は今後の勢いにも繋がる為、決して落とせない。呂比須・内藤が離脱したが、布陣は1st終盤戦から変わらない。
 対する柏は優勝候補の呼び声も空しく前期6位に終わり、監督を西野氏からペリマン氏に交替して臨む初戦。黄善洪・柳想鉄をツートップに、洪明甫をボランチに配している。年に1度の『サンバナイト』も開催され、サンバショーで彩られた東京スタジアムで2nd開幕のホイッスルが吹かれた。

 試合は柏のペースで進んでいく。小峯が位置取る東京の右サイドを狙い、中盤から韓国人ツートップへ向けてロングボールを送って崩しにかかるり、時折中央からMF大野がゴール前にパスを送るもののゴールにまでは至らない。特筆すべきは伊藤哲の働き。この試合を通じて、鋭い出足でのパスカットやボールが渡っても激しいマークでピンチの芽を摘み取っていた。
 攻撃面では左サイドの小林成が沈黙し続けた影響か、右サイドからの突破に偏ってしまう。好調を維持する由紀彦は幾度もチャンスを作るが、いかんせん一本調子の感は否めず、洪がボランチに上がってやや不安定な柏DFを崩すことが出来ない。それでも三浦が積極的に攻撃に絡んでいくことで何とか試合を互角の状態に持ち込んでいく。
 柏がやや優勢のまま膠着状態に入っていた34分、フィールド中央付近で攻めにかかろうとしていた柏からケリーがボールを奪い、そのままドリブルを開始。ケリーから前線にいたアマラオにボールが渡り、アマラオは左側を追い越していったケリーに向かってすかさずパスを出す。柏DFを引き付けたケリーはグラウンダーの横パスを送り、中央に走りこんできた三浦を通過したボールは逆サイドの由紀彦へ。由紀彦は落ち着いてボールを処理して柏ゴール右隅にシュートを突き刺した。やや劣勢ともいえる状況の中でのカウンターが見事に決まって東京が先制する。
 この先制点を契機に柏の攻撃がヒートアップし、東京ゴール前で何度かFKの好機を得るものの、東京もなんとか踏ん張って得点を与えない。東京も返す刀でチャンスを掴んだが得点できないものの、リードを奪ったまま前半を終える。

 後半に入り、両チームとも選手交代で流れを自らのものにしようとする。東京は沈黙を続けた小林成を増田に代える。柏はFW北嶋を投入して柳を中盤に、洪をボランチからDFに下げて守備の安定と攻撃の活性化を同時に図った。試合は前半終盤の流れを引き継いだかの様に攻め合いが続く。
 55分、柏自慢のアウトサイドの一角、左の平山からクロスが送り込まれる。このクロスは土肥がパンチングで逃れるが、中央に攻め入っていた柏自慢のアウトサイドのもう一角、右の渡辺光がペナルティーエリア付近でそのクリアボールを抑えて大野に繋がる。大野がミドルシュートを放つと、ここしかないというコースにボールが吸い込まれ、柏が同点に追いつく。
 その後は中盤でのマークが緩くなり、両ゴール付近での攻め合いが繰り返される。柏が東京DF裏に抜け出そうとするプレーには土肥の鋭い飛び出しで事なきを得る。東京も小峯が再三攻め上がって柏DF裏へパスを送ろうとするものの精度が無くチャンスを潰していく。それでも小峯のパスが三浦に渡りGKと1対1になるチャンスも、シュートがGKの正面を突いて勝ち越せない。
 どちらが得点してもおかしくない流れで迎えた75分、交代出場していた喜名がボールを奪い、それを受けたケリーが右の由紀彦へはたく。ドリブルで攻めあがった由紀彦は鋭い切り返しで柏DFを振り切り、中央に走り込んできたケリーに折り返す。ケリーはそれをダイレクトで蹴り込んでゴールネットを揺らした。積極的な守備からの素早い攻撃を繰り出し、前日に長女が誕生したばかりのケリーのバースデーゴールで東京が勝ち越した。
 残り時間は15分。同点に追いつくべく柏は猛攻をかける。逃げ切るべく東京はカウンターをちらつかせながら守備を固める。そして約3分のロスタイム。ドリブルで突っかけた増田がボールを奪われ、そこからつながったCKは土肥が難なく処理。土肥はパントキックで大きく前線へ送るが、相手GKが抑えてすかさずMF明神→大野へとボールが渡る。ハーフウェイライン上からペナルティーエリアに蹴りこまれた大野のクロスボールに、CKで攻め上がったままだったDF渡辺毅が飛びついて中へ折り返す。それにいち早く反応した柳が押し込む。試合終了まで残り僅か、東京にとっては悪夢の、柏にとっては起死回生の同点ゴールが飛び出した。

 そのまま延長にもつれ込み、双方共にチャンスを作り出す。柏はDFを投入して由紀彦をケアし、東京は土肥が気迫のこもったセービングを見せて互いにゴールを割らせない。120分戦い抜いたが、結局同点のまま試合終了。東京にとっては勝点2を失った試合となってしまった。

 最後まで諦めずに同点に追いついた柏の粘りは見事だったが、勝ち越した後の東京の試合運びにも疑問は残った。DFラインは引きすぎてしまわなかったか。ロスタイムに入ってまで無理して攻め込む必要があったのか。CKを防いだ後にすかさずボールを蹴り出すことはなかったのではないか。全ては結果論になってしまうが、より安全に、より確実に、逃げ切る為の方策というものがあったのではないかと思ってしまう。追いつかれてもなお突き放すという展開は今季初めて見たのだが、その精神的な強さを最後まで持続させることが出来なかったのが残念で仕方ない。
 試合の流れから、延長で負けなかっただけ良かったとも言えるが、はっきり言って『勝てた』試合であったことに変わりは無く、今後に一抹の不安さえ感じさせる試合であった。

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8/25 第3節 FC東京−清水エスパルス (東京スタジアム)
 前節、札幌に5−2と大勝した東京。アマラオ・ケリー・由紀彦・三浦らによる右サイドからの攻撃は次第に威力を増している。この勢いに乗ってホームでのリーグ戦3勝目を狙いたい。対する清水は1st最終節で東京に敗れてそれまでの2位から4位に転落、賞金を逃している。さらに前節(鹿島戦)敗れており、連敗だけは避けたい所。市川・アレックスの両ウイングバックからの突破が清水の攻撃の最大の武器であるが、右サイドの市川をDFの位置に下げ、従来の3バックから4バックにして東京のサイド攻撃を封じる為の陣形を敷いてきた。
 
 試合の立ち上がりは清水がボールを支配する。いつもよりも高めに位置するアレックスが突破を図るも小峯が持ち前のマンマーキングで自由にプレーをさせず、サイドからの突破もままならない。仕方なくFWバロンにパスを送るもののサンドロがことごとくはね返す。そのために清水はペナルティーエリアの中にボールをなかなか運べない。東京は由紀彦の好調さに陰りは無く、清水が4バックの為に常にDF2人がチェックに来る厳しい状況のなか、幾度か右サイドからクロスを送ってチャンスを作る。
 徐々に東京がボールを支配する時間が長くなるものの、チャンスを生かせないうちに膠着状態に陥っていく。右サイドから徹底的に崩そうとするものの、さらに警戒を強める清水DFは由紀彦に渡る前段階、つまりはケリー・アマラオがキープした時点で押さえにかかり攻め口を封じていく。清水の攻撃も4バックに変更したせいかいつもの鋭さは見られずじまい。互いの持ち味を殺した結果、双方無得点のまま前半を終える。

 後半に入り少しずつ試合が動き出す。開始早々、アレックスのFKがバーを叩いたのを皮切りに双方のゴール前で幾度もチャンスが生まれる。中盤での守備が無くなってきたことによるものだが、大事な場面でのイージーミスにより得点までは至らない。東京は64分に浅利に代えて喜名を投入、そのキープ力で中盤を制圧し主導権を握ろうとする。そして70分、中盤のルーズボールを拾った三浦からケリーへ。DFに囲まれながらもケリーが右サイドに繋ぐと、それを受けた由紀彦からファーサイドのアマラオへクロスが渡る。ヘディングで折り返されたボールにケリーがバックヘッド気味にゴールへ送り込む。ゴール右に吸い込まれて遂に東京が先取点を奪う。
 これをきっかけに東京が勢いを掴み、喜名のキープを基点にチャンスを得る。しかし清水もFW2人を入れ替える策が的中する。先制点から6分後、後方からのロングボールをアレックスがペナルティーエリア内でフリーになってシュート。ポストに跳ね返されるも東京はクリアも出来ず再びアレックス、そして斎藤と立て続けにこぼれ球を拾ってはシュートを放つ。最後には交代したばかりのFW横山に押し込まれてしまい、試合は振り出しに戻る。
 ここから清水が攻勢に出て、アレックスの2度に渡るフリーキックをはじめ、幾度となく東京ゴールに襲い掛かる。東京もこの猛攻をなんとか防ぎきり、同点のまま延長戦に突入する。

 延長に入ると東京はDFの配置を組替える。左の藤山を右に、小峯が中央、伊藤哲を左サイドに据えてきた。交代出場してきた相手FW、攻め上がる様になった市川をケアする為のオプションかと思われたが、呼吸がしっかりと噛みあわないまま、後半終盤同様に清水が優勢に立つ。東京もこの日絶好調の喜名がドリブル突破からシュートを放つなど、Vゴールへの期待を抱かせる。
 しかし98分、東京のCKは清水に拾われてアレックスに繋がり、カウンターをくらってしまう。中央をドリブルで駆け上がるアレックスに対し、左に位置していた小峯がその進路を塞ごうと中へ寄った瞬間、それを待っていたかのようにボールが東京の左サイドに走りこんでいたFW山崎に渡ってしまう。フリーの山崎がクロスを送り込むと、ファーサイドに詰めてきていた市川がスライディングシュート。無情にもゴールを割ってしまい、東京はVゴール負けを喫してしまった。

 東京には先制してからの攻撃陣と守備陣に僅かな意識のズレを感じた。勢いに乗じて追加点を狙うのか、守備に意識を置いてカウンターで突き放すのか。清水の同点ゴールはその辺りの意思統一がされてない所を突かれたという印象が強い。また、あまりにも左サイドからの攻撃が少ない。由紀彦の好調さと相まって右サイド重視になっているのだろうが、それだけでは相手も予測しやすくなってしまう。左からの攻撃が生きることで、右もさらに威力を増すだろう。小林成が調子を落としている中で誰が起爆剤となるのであろうか。2週間のインターバルの後は苦手のG大阪戦。東京が上昇するか否かは左サイドにかかっていると言えるだろう。

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9/15 第5節 FC東京−サンフレッチェ広島(東京スタジアム)
 選手の放出が続き、一向に補強の話が出て来なかったが、名古屋からFW福田を獲得。その福田が前節のG大阪戦にスタメン出場し、今節もスタメンに名を連ね加入後東京スタジアム初登場。相手は今季未勝利の広島。1stでは0−3、ナビスコ杯でも第1戦引き分けの後の第2戦で悔しい逆転負けを喫している。そのリベンジを果たすと共に、勝運に恵まれないホームで勝つ姿を期待したい。

 立ち上がり早々、東京は右サイドの由紀彦から立て続けに2本のクロスが上がり、攻勢を予感させる。しかし、先制したのは広島だった。4分、東京の攻撃を食い止めてからカウンターに転じ、フィールド中央の藤本から久保へパスが渡る。久保は右サイドに流れ、ペナルティーエリア外まで前進してきた藤本へリターンすると、藤本はチェックに来た小峯をかわしてシュート。奇麗な弾道を描いたボールがゴール右上隅に吸い込まれ、呆気なく広島が先制する。沈黙するでもなく、何とも言えない雰囲気がスタジアムを包み込む。
 この得点を境に東京はやや弱気なプレーが目立ち出す。しかし、ゴール前まで持ち込んでもシュートを放とうとする意識が欠けているのか、DFをかわそうとしては止められる展開が多く見られた。藤本・久保・大木の3トップ+攻撃的MFコリカによる流麗なパスワークで攻撃を形成する広島を警戒してか、思い切りのよいプレーがあまり見られず、アマラオが前後左右に動き回って何とかボールの流れを作り出そうとする。
 そんな歯切れの悪い展開の中でも、単発ながら放ったシュートは確実に枠を捉えるが広島GK下田の好守により得点が奪えない。注目の福田も周囲との連携はままならず、手を上げてボールを呼び込もうとしても回って来なかったり、ボールが渡ってもトラップミスや判断ミスで止められ、やや空回りな印象を受けた。
 広島も前述の4人によるパスワークで幾度か東京の守備を切り崩すが、あと一歩の力強さに欠けて追加点は奪えず、1−0のまま前半を終える。

 後半に入ってやや膠着した展開になるが、55分過ぎ、サイドライン際で守備についた福田が倒されながらも両足でボールを挟みこんで奪い取る。この気迫を前面に押し出したプレーで流れが変わったか、直後の58分、東京が同点に追いつく。ケリーがキープしながら攻め上がり、ペナルティーエリア付近でシュートを放つ。下田が好反応で弾くものの、こぼれたボールは詰めていたアマラオの足にあたって福田の下へ。福田はDFひとりを切り返しでかわしてからシュート。右足で放たれたボールは二アサイドに突き刺さり、移籍後初ゴールが貴重な同点弾となった。
 試合は一気にヒートアップし、前半及び後半立ち上がりとは一転して一進一退の攻防に。広島がMF森崎を基点に前がかりに攻め込んで再び突き放そうとすると、東京は返す刀のカウンターで逆転を狙おうとする。78分、東京陣内で広島が連続して攻撃を仕掛ける中、小峯がファウルを犯してペナルティーアーク付近で広島にFKが与えられる。そのFKからコリカが放ったグラウンダーのシュートは、東京が築いたカベの足元を抜け、左ポストに当たってゴールイン。再びリードを許してしまうことになった。

 その直後、福田に代えて加賀見、浅利に代えて喜名を投入して再度の同点への意思がベンチから送られる。守備を固めて逃げ切ろうとする広島。東京は85分には小峯を下げて山尾を入れ、前がかりになって薄くなった守備の安定化を図る。そして86分、左サイドにボールを持ち込んだ三浦から、フォローに回った加賀見へ。加賀見は状況を冷静に判断した後、ゴール前へクロスを送る。その先にはアマラオがフリーで待ち構えており、ヘッドで広島ゴールへ叩き込んだ。アマラオの東京スタジアム初ゴールでまたも同点に追いついた東京。流れは完全に東京へと傾いた。
 ロスタイムに入った直後、ボールをキープしていた加賀見が右サイドの由紀彦へパス。由紀彦はインサイドで優しくダイレクトパスを前方へ流す。そこへケリーが中央から走りこんでシュートのモーションを見せるが、スライディングで止めようとした広島DFを嘲笑うかのように真横に流す。そこにフリーで走りこんでいたのは加賀見。難なくボレーで合わせて3−2。同点の勢いに乗り、遂に逆転に成功した。
 残りのロスタイムをしっかり凌いだ東京が、リーグ戦ホーム3勝目を鮮やかな逆転勝利で飾った。

 2度も突き放されながら追いついて逆転というシチュエーションは、今季の東京では見られなかっただけに、その粘り強さ、勝利への意思は素晴らしかったと思う。動き回る相手攻撃陣への対処やセットプレーからの失点など課題もあるが、この勝利の勢いをもって修正してくれる事だろう。福田にしても、合流してから2週間で完全な連携を望むのは酷な話だが、移籍後初ゴールで自信を掴んでくれたことと思う。連携度が深まってくれば、東京はより脅威の存在になっていくはず。図らずも好位置にもついている。更なる高みを目指し、勝利を重ねてほしい。

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9/29 第7節 FC東京−浦和レッズ (東京スタジアム)
 1stでは東京サポの応援方法をきっかけにして、一部の浦和ファンによるアウェイブロック席入口包囲事件が起きた浦和戦。試合自体は3−1で逆転勝ちしている。東京は9月に入ってから先行されても粘り強く戦う姿勢が結果に繋がり始めて、ここまで3勝1敗2引分で4位と好位置につけている。浦和は小野がオランダに移籍後、エメルソンという現在のJで最速のFWが加入、トゥットとのツートップは脅威の的ではあるが、それが結果に結びつかずに苦戦を続けている。

 試合開始早々、トゥットに倒された三浦がエメルソンがボールをぶつけられ、それに激昂してエメルソンを突き飛ばす。その後もややファウルの多い、荒れた展開になった。
 試合のペースは浦和が握り、ツートップに永井を加えたスピードのある3人のコンビネーションでチャンスを数多く作り出す。特にエメルソンはその驚異的なスピードで東京DF陣の裏を狙い、またサイドに流れてスペースを作り出すなど浦和の攻撃の核となっていた。東京はそのエメルソンを警戒し過ぎて引き気味になり、自由に浦和に攻め込まれてしまう。17分、浦和の左からのコーナーキックはアマラオがヘディングで跳ね返すものの、そのクリアボールを浦和MF鈴木が拾い、ワントラップの後に放ったミドルシュートがゴール右上隅に吸い込まれる。鈴木のJ初ゴールで東京はまたしても先制されてしまう。
 その後も浦和に攻め込まれるが、この嫌な流れを断ち切ったのが、日本代表候補にも選ばれ心身ともに充実している由紀彦であった。21分、中盤でアマラオがヘディングで前方に送ったボールは、福田と相手選手の競り合いで更に前方に流れる。それが中央に侵入していた由紀彦の元へ繋がり、周囲の相手DFとの間合いを見計らいながらノートラップでシュートを放つと、ダイブするGKの手をかすめてゴール右上隅に突き刺さり、同点に追いつく。少人数で攻撃出来る為に守備に人数をかけられる浦和の前に、由紀彦は右サイドで思うような仕事が出来ずにいた。だが右に拘らず中央に流れていた事で、劣勢の試合を振り出しに戻し、流れを東京に呼び込む重要なゴールを決めた。
 ボールは浦和にキープされるものの、東京は奪った後の速攻が仕掛けられるようになり始める。29分、アマラオがトゥットからボールを奪ってカウンターに転じ、ケリーと由紀彦でボールを繋ぎながらゴールに迫る。ケリーがペナルティーエリア付近でDFを引きつけてから左に位置していた福田にパス、福田が切り返してから放ったグラウンダーのシュートはGKに弾かれるものの、詰めていたケリーがそのこぼれ球を押し込んで2−1。東京の十八番とも言えるカウンターで、先制されてから10分少々で逆転に成功した。
 しかし浦和もこれで気落ちせず、次々と攻撃を仕掛けてくる。中盤の底からMF阿部がボールを配給し、エメルソン・トゥット・永井の3人のコンビネーションで攻め込まれる。完全に押し込まれながらも東京は失点を許さず、40分のペナルティーエリア正面からの阿部のFKも土肥が見事なプレーで弾き出すなど、このまま前半を終えるかと思われた。しかし前半終了間際、ペナルティーエリア付近でエメルソンからボールを受けたトゥットが密集の中でボールキープ、そして右サイドへパスを送る。そこで待ち受けていたのは、ボールを預けた後に右に流れてフリーになっていたエメルソン。自らの懐に呼び込んでから放ったシュートは福田のブロックも及ばず、逆サイドのゴールに吸い込まれた。ロスタイムでの同点ゴールという、非常に嫌な流れのまま前半を終了する。

 後半は立ち上がりは一進一退ではあったが、徐々に流れが浦和に傾きかけていく。東京はその流れを食い止めようと、ここ数試合の定石とも言える選手交代のカードを切る。58分に喜名(浅利OUT)、68分には加賀見(福田OUT)を投入する。特に加賀見はこの数試合の好調さを維持したままで、左から効果的な動きを見せる。
 この2人の投入で流れを引き戻した72分、ドリブルで左から中央に侵入してきた藤山がペナルティーエリア付近で待ち構える加賀見へ預ける。加賀見はキープしながら状況を見極めて、DFの裏に抜けようとする由紀彦に絶妙のスルーパスを送る。飛び出してくるGKをかわした由紀彦がゴールライン際から中央へ折り返したボールは、カバーに入っていた浦和DF井原に跳ね返されるものの、詰めていたケリーからダイレクトでアマラオの元へ。アマラオは冷静にゴールに蹴りこんで浦和を突き放した。これまでも途中出場ながら得点に直接絡む仕事をしてきた加賀見の、またしても決定的なプレーが勝ち越し点につながった。
 これ以上敗れるといよいよ苦しくなる浦和はアドリアーノを投入、守備を固めた東京に対し再びボールを支配する。しかし、東京は選手個々の身体を張った守備で同点ゴールを許さない。イエローカードが合計7枚も飛び交う荒れた試合ではあったが、東京が今季ホームで初の連勝を飾った。

 試合の大半は浦和にリズムを掴まれてはいた。しかし、効果的なカウンター、決めるべきポイントできっちり決められた事が勝利に繋がった。加賀見・喜名といった途中出場選手が勝利を決める仕事をしている事も見逃せない。順位でも3位に浮上し、10月からの名古屋戦・磐田戦に向け、いい状態で臨めそうである。
 だが、押し込まれる時間が長いと言う事は、守備に割かれる時間・体力が多くなってしまうことでもある。浦和が攻撃にかける人数が少なかったことにも助けられたが、より多くの人数で高い攻撃の完成度を誇る名古屋・磐田を相手にした場合はどうなるのか、と言う思いもよぎる。前線の選手を抑えるのか、そこに繋がるパスの出し手を抑えるのか、そのどちらかを遂行するだけでも試合の流れは変わってくるはず。
 正念場と言って差し支えの無い10月からのリーグ戦。その為にも2週間の中断期間を有効に活用して、今後の試合に臨んで欲しい。

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