2001 J1 2nd Stage A

10/13 第8節 名古屋グランパス−FC東京 (豊田スタジアム)
 現時点で3位につけ、優勝も現実味を帯びてきた東京。今節では鹿島・磐田の上位2チームが直接対決する為、勝利を収めて上位との勝点差を縮めておきたい。だが、ストイコビッチが抜けたとは言え名古屋も強豪であることに変わりはない。更なる高みを目指す為の正念場ともいえる。
 東京は三浦、名古屋は山口・ウェズレイと中心選手がそれぞれ出場停止で欠場する中、竣工間もない豊田スタジアムでキックオフされた。

 試合開始後、最初に優位にたったのは東京。ケリーからの展開で福田、由紀彦らとパス交換でチャンスを作っていく。対する名古屋も、岡山がピッチを縦横無尽に動き回り、ボールを動かしてチャンスを作ろうとする。だが、ピッチがデコボコの状態で、双方ともにイージーミスを繰り返す、なんとも締まらない展開に。
 そんな中、先制点を奪ったのは名古屋であった。29分、中盤でのチェックから奪ったボールを岡山が右サイドの中村に縦パス。中村がそのままペナルティーエリアまで侵入し、クロスボールを送ると、土肥の目の前でマルセロがヘッドで合わせてゴールを奪われてしまう。
 その後はやや名古屋ペースで試合が進んでいくが、ゴール前での精度が悪く追加点を奪うには至らない。東京も選手個々の動き出しが悪い為にボールの回りが遅く、チャンスらしいチャンスを作れないままにロスタイムを迎えてしまう。左サイドでボールを保持していた藤山が中央へロングボールを放りこむ。そこにはアマラオとポジションチェンジしていた福田がおり、相手DFと競り合いながらもアマラオへボールを落とす。それを受けたアマラオが右足でシュートを放つとゴールに吸い込まれ、東京が同点に追いついて前半を終えることに成功した。

 後半も共に決定的なチャンスを作るが、やはり得点までには繋がらない。東京は下平や浅利が積極的に攻撃に絡んでいくが、あと一歩のところで得点に結びつかない。名古屋も岡山が相変わらず奮闘するものの、FW陣との折り合いが悪く、決定的なチャンスには至らない。
 時間が進んでくるとピッチの影響もあるのか、互いの運動量が落ちて中盤が省略され、ゴール前での攻防が増えてくる。東京は途中から投入された喜名が粘り強いキープ力を見せて攻守の中心となる。名古屋も途中出場のアドリアーノらがチャンスを作ろうとする。しかし、守備陣の奮闘もあり互いにゴールを割れないまま、勝負は延長戦にもつれ込んだ。

 延長戦でペースを掴んだのは東京。左サイドで基点となった加賀見から喜名・アマラオらを経由して右サイドの由紀彦に執拗にボールを預け、由紀彦もその期待に応えるかのごとく、幾度も決定的なクロスを供給する。しかし、そのクロスに合わせたシュートはことごとく名古屋GK楢崎のファインセーブで止められるか、枠を外してしまう。前半終了真近には逆に名古屋が決定的なチャンスを得るものの、土肥が好セーブを見せて得点を許さない。延長後半も流れは変わらないものの、得点の期待は徐々に薄れていき、結局、1−1のまま試合終了。勝点1を分け合う結果となった。

 山口・ウェズレイが欠けた名古屋に従来の凄みがなかったのは事実。その名古屋相手に勝ちきる事が出来なかったのは東京にとっては痛い。特に後半中盤からは完全に東京が主導権を握っていただけに悔やまれる引き分けであった。攻守に於いて重要なウェイトを占める三浦の欠場が痛かったのは確かだが、警告が貯まってきている選手も多く、今後も誰かが欠場せざるを得ない状況がやってくるのは明白である。また、福田もアマラオとの頻繁なポジションチェンジなどで持ち味を発揮してきており、更なる期待が持てるようになってきた。結果を悔やんでいても先には進めない。次節まで間隔も短いが、ベストパフォーマンスを次の磐田戦で期待したい。

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10/17 第9節 FC東京−ジュビロ磐田 (国立競技場)
 前節の名古屋戦を引き分けで終え、続いて迎えるはジュビロ磐田。1stを圧倒的な強さで優勝し、この2ndも前節で首位に立っている。年間勝点でもダントツのトップにあり、名実共に現在の日本で最強のチームであることに間違いない。ここ最近は中心の名波を怪我で欠いてはいるものの、洗練された戦術と個々の高い意識によってチーム力は一定の水準を保っている。迎え撃つ東京も三浦が警告累積による出場停止から復帰し、現時点でのベストメンバーで臨む。小雨の残る国立で決戦の幕は落とされた。

 試合は完全な磐田のペースで進んでいく。中盤でゆったりとパスを回していくかと思えば、いきなり急所を突くかのように速いパスを前線に送り込んで決定機を幾度も作っていく。藤山のカバーリングや土肥の好セーブに助けられ、何とか無失点で凌いでいく。磐田の中盤のバランスが良く、なかなか前へボールを進められない東京ではあったが、試合が落ち着き始めた前半半ば頃から、カウンターに活路を見出して徐々にチャンスを作り始める。
 31分、三浦・ケリー・由紀彦のパス交換から、右サイドで由紀彦が相手DF裏にパスを送り、そこに侵入したケリーがグラウンダーで中へパスを送る。ニアサイドへ走りこんだアマラオが磐田GKヴァンズワムと重なる形になりながらもゴールに押し込み、東京が先取点を奪った。と思われたが、主審はアマラオのGKへのファウルを取り、ゴールは無効になってしまった。だが、東京はこの難解な判定に気落ちすることなく、さらに勢いを増して試合の流れを掴んだ。磐田のプレスが甘くなった事もあり、ケリーがタメを作って右サイドからチャンスを幾度も作る。福田・アマラオ・ケリーらがシュートを放つものの、惜しくもネットは揺らせないままに前半を終了する。

 前半終盤の東京の攻勢をなんとか防いだ磐田が、ハーフタイムを挟んで再び主導権を握る。中盤の底に位置する服部が供給するパスに、攻め上がる福西、交代出場の清水らが絡んで東京ゴールを攻め立てる。この猛攻を何とか防ぎきった東京に先制点がもたらされた。
 54分、伊藤哲・ケリー・由紀彦で作った東京の後半最初の好機は一度は跳ね返されたものの、そのこぼれ球を拾った三浦が再び伊藤哲に戻す。伊藤哲が中央にクロスを送ると、アマラオがヘッドでペナルティーエリア内でポストに入ったケリーへ渡し、そこに走りこんできた三浦がすれ違うようにボールを受け、相手DFと競り合いながらも右足でゴールに流し込んだ。貴重な先制点に国立のスタンドも大いに盛り上がった。
 その後数分は攻守を繰り返す激しい展開になるが、すぐに磐田のペースに戻っていく。パスを繋いで中盤での主導権を握る磐田の攻めに呑み込まれて行く東京。64分、右サイドでフリーとなった西が逆サイド前方の中山にロングパス。それを胸で落としたところに、勢い良く走りこんできた金沢がスピードに乗ったままシュートを突き刺して、呆気なく同点に追いついた。嵩にかかった磐田の猛攻は続き、守りに追われる東京はパスを繋ぐ事もままならない。そして72分、東京DFの一瞬の隙を突くかのように藤田がスローインをDF裏で受けると、その折り返しを清水がヘッドで決めて逆転ゴールを喫してしまう。勝負どころを逃さない磐田の強さが垣間見えた逆転ゴールであった。
 この失点の直後、東京は加賀見・喜名・山尾と立て続けに選手を入れ替えて勝負に出た。この積極策はすぐさま功を奏し、79分、喜名が由紀彦にボールを預ける。由紀彦は十分に相手を引きつけた上で喜名に戻し、それを受けてペナルティーエリア深くまで侵入した喜名がグラウンダーで折り返すと、正面の加賀見がゴール右上にダイレクトで叩き込んで同点に追いついた。湧き上がるスタンド。これで勝負は再び振り出しに戻った。
 だが、そう思われたのもほんの束の間であった。直後の81分、右サイドの西が中央へグラウンダーのクロスを送ると、サンドロがカットし損ね、こぼれたボールが不運にも磐田FW清水の前へ。清水はなんなくこのチャンスを決めて、またも磐田が東京を突き放した。再度追いつこうとする東京は、山尾・サンドロも前線へ上がって必死の反撃を試みる。しかし、その裏を突かれてしまい、85分には河村のシュートを土肥が弾いたところを清水に押し込まれてしまい2−4。続く86分にはサンドロと土肥が交錯したところを河村に繋がれ、最後は中山が決めて2−5。その後も東京は前へ進み続けるが得点を奪う事はできずに試合終了。スコア的には大差がついてしまった。

 決めるべきところを逃さない磐田のしたたかさにやられてしまった。実力差も明白ではあった。しかし、怯むことなく敢然と立ち向かい、失点を重ねても攻めの姿勢を持ち続けた東京の選手たちに気迫を感じ取る事ができた。彼我の間に隔たる差はさしてないのかも知れない。だが、それを埋めるのは簡単ではないのも事実である。その為にも、この日見せてくれた姿勢を持ち続けてほしい。いつの日か、この試合が重要なターニングポイントになる、と実感した試合であった。

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10/31 第11節 FC東京−横浜Fマリノス (東京スタジアム)
 前節の福岡戦。優勝争いからの脱落となる敗北を喫したばかりか、ケリー・伊藤哲・三浦が試合中の負傷で戦線を離脱してしまう。さらには加賀見・喜名も怪我、アマラオは警告累積で出場停止。
今節はメンバー構成が非常に苦しいものとなってしまった。相手の横浜Fマリノスは降格争いに名を連ねてはいるものの、4日前のナビスコカップ決勝で磐田をPK戦で破って初優勝を果たし、勢いに乗って残留を果たしたいところではある。
 東京は1トップに福田、左MFに小林成、ボランチに下平、CBに山尾、そしてトップ下に鏑木享を起用した。鏑木の名がコールされた瞬間、スタンドはどよめきと歓声に包まれた。皆が驚き、期待を持ったのではないだろうか。

 前半はやはりアマラオ・ケリーの不在が響き、攻撃がチグハグな印象でチャンスを作れない。福田も久々のFW起用でポスト役としてボールを呼び込むものの、自身の状況判断の悪さ、落としたボールに対する周囲の展開の悪さにより、チャンスらしいチャンスをなかなか作れない。復調の兆しを見せ始めた中村、左サイドで存在感を示すドゥトラなどの動きによって横浜が主導権を握る。しかし、こちらもチャンスは作るがゴール近くでのプレーの精度が低く、得点には繋がらない。すぐにDFラインでボールを回す悪癖も顔を覗かせ、そこからのロングボールに頼らざるを得ない場面も多々見られた。
 それでもボール支配の時間が長いだけあり、横浜は半ばを過ぎた辺りで連続攻撃を見せるが、土肥の攻守などにより、東京が失点を免れていく。この頃から東京も福田がシュートを何本か放っていくもののゴールは奪えず。横浜有利なまま、前半を終える。

 後半に入り、互いにチャンスを作れない中、東京が先に動く。下平に代えてリーグ戦初登場となる宮沢を投入する。続けて小林成と戸田を入れ替え、戸田をトップに据える。ここから東京が流れを握り始める。宮沢の供給するパスに前線が反応し、スムーズに展開出来るようになった。
 しかし、その攻勢が一息ついた65分辺りから、それまでも積極的な攻撃参加を見せていた松田がその頻度を更に増やしだし、横浜が主導権を握り返す。
 そして迎えた73分。横浜のゴールキックをサンドロに競り勝った横浜FW城が前方へ流す。ゴールを背に向けてそのボールを受けた安永がヒールでパスを送ると、そこに走りこんできたのは中村。出足の遅れた東京DF陣を置き去りにし、ゴールに流し込んで横浜が先制した。この日の東京の調子から見ても、この1点は非常に大きいものに思われた。
 しかし、得点直後の75分、横浜の選手交代の隙を突いたかの様に、藤山が中に切れ込んで宮沢にパス。宮沢はダイレクトでペナルティーエリア右付近にフワリとした浮き球を送り込む。横浜DF・GKが迫る中、真っ先に追いついた由紀彦が苦しい体勢から中央へ浮き球で折り返す。ボールは飛びつこうとした戸田の頭上を抜け、その後方から走りこんでいた鏑木享の元へ。鏑木享はダイレクトボレーでゴールに突き刺してJ1初ゴール。東京がすぐさま同点に追いついた。
 その後は一進一退N攻防を繰り返すものの得点は生まれず、勝負は延長戦に突入した。

 延長に入ってからも、同点後の流れを引きずるかのように攻防が繰り広げられる。95分、土肥のキックミスでボールがすぐ近くにいた松田の元へ。すかさず放ったシュートはゴール外側のサイドネットに突き刺さり、東京は何とかVゴール負けを逃れる。
 東京は徐々に運動量が減り、攻撃もままならない状態に追い込まれていく。横浜も散発的にあったチャンスを決められない。浅利が負傷し、小林稔(これもJ1初出場)が登場するも流れは変わらないままに、結局、引き分けとなった。

 冒頭でも述べた通り、東京は負傷者続出で非常に苦しいメンバー構成になったものの、なんとか負けずにこの非常事態を乗り切ることが出来た。鏑木享・宮沢・小林稔など、これまでトップ出場の機会に恵まれず、サテライト戦で努力を重ねていた選手たちが奮闘したのも大きな収穫だと思う。
 今後もメンバー的には苦しい状況が続くとは思われるが、彼らが踏ん張る事で、チームの底上げに大きく寄与することにも繋がってくる。彼らにはこの経験を無駄にしないよう、更なる向上を目指して貰いたい。
 降格も優勝も無い、微妙な位置にいるのは確かだが、次節の対戦も降格候補のC大阪。相手は死に物狂いで向かってくることは必至なので、受身にならないよう、勝利へのモチベーションをしっかり保っていてほしい。

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