2001 JFL 前期

前期第1節 横河電機−佐川急便SC
(4/1 西が丘サッカー場)
 16チームに拡大した2001年のJFL。その開幕は、今年のJリーグと同じく東京ダービーで始まった。昨年は不本意な最下位に沈み、雪辱を期す横河電機。対するは昇格初年で関東リーグを制し、地域リーグ全国決勝大会をも制してJFL昇格を果たした佐川急便。東京を本拠地とする2チームが開幕戦で対戦した。
 試合は開始から佐川ペース。シンプルにボールを繋ぎ、横河ゴールへ迫っていく。そして14分、佐川MF・山本がチームのJFL初ゴールを決めて先制する。これで佐川が勢いに乗り、17分にはFW・嘉悦が2点目を奪う。
 立て続けに2点を奪われた横河だが、DFの連携が悪い上に1対1にもことごとく破れ、その後も幾度となくピンチを招く。攻撃面でも、中盤からの球離れが悪く、前線にボールが渡る頃には佐川DFがしっかりマークについている状態で、シュートまで持っていくことが出来ない。更に38分には佐川MF・米山に3点目を奪われてしまう。
 後半に入り、佐川の運動量が低下したこともあって、引退を撤回したFW・申在範を投入した横河が攻勢に転じる。56分、横河サイドのハーフウェイライン付近からのFKが一気に前線へ。これを受けた横河FW・登内が軽くドリブルしてからシュートを放つ。これが決まって3−1。横河が反撃態勢に入る。
 しかし、ボールが登内に集中してしまい、新加入のFW・岡元との周囲の連携も見られずに効果的な攻撃は構築できない。動きの落ちた佐川も、横河の攻めのまずさに助けられて2点差をキープしていく。
 88分、横河DFの裏に抜け出た佐川MF・山本が駄目押しの4点目を決めて勝負あり。開幕の東京ダービーは新加入の佐川が制した。
 佐川は地域リーグ決勝大会を制した実力を遺憾なく発揮した。シンプルにボールを繋いで前半で3点を奪ったが、後半に動きが落ちてしまった点が今後の課題となるであろう。一方の横河は、昨季限りで引退したDF・五十嵐和也(現横河コーチ)の穴を埋めきれず、波立を補強したDF陣の連携不足が露呈した。早急に立て直さなければ、今後も苦しい戦いが続くものと思われた。

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前期第4節 佐川急便SC−アローズ北陸
(4/21 江東区夢の島競技場)
 昇格初年度ながらここまで2勝1分けで2位につけている佐川急便SC。会社が近くにある夢の島競技場でアローズ北陸を迎えた。あいにくの雨となったが、会社から社員が多数応援に駆けつけ、約1000人の観衆が集まった。
 試合開始から5分、アローズ陣内ペナルティーエリア10メートル手前でボールを受けたMF山本がシュートを放ち、これがゴールに突き刺さる。この山本の虚をついたロングシュートで佐川が先制する。
 佐川はFW嘉悦が少し引いたポジションでボールを受け、落ち着いたキープからFW尾島やMF山本にパスを配給して攻めを構築していく。一方のアローズは両アウトサイドを起点として佐川ゴールを狙う。
 そして20分、佐川が追加点を奪う。センターサークル付近から出されたグラウンダーのパスがアローズDF陣の間を通り抜け、それに反応していた山本が落ち着いて決めて2−0とする。
 その後は雨とあまり整備されてない(ように見えた)ピッチの影響で、双方ともにパスが弱くなる場面が多く見られ、中盤で一進一退を繰り返しながら前半を終える。
 後半に入り、佐川は怪我から復帰したDF時岡を投入(伊藤と交代)。アローズは徐々に出足が鈍り、サイドからクロスの放り込みが目立つようになってきた。55分、アローズ陣内でボールをキープした嘉悦がパスではなくドリブルで突破を図り、アローズDFの中央を切り崩そうとしたがはね返される。だが、そのこぼれ球をMF米山がダイレクトでシュート。これが決まって佐川が得点差を3点に広げた。
 そして、佐川は点差キープの為、アローズは反撃の為にそれぞれ選手交代を行う。アローズはオフェンスの選手を投入するも、なかなか攻め込むことが出来ない。佐川は決して無理をせず、前がかりになる相手の裏を突いてカウンターを仕掛けていく。
 75分、アローズのパスをインターセプトしてそのまま攻め上がったリベロの鈴木が、センターライン付近で相手選手と接触し負傷、そのまま退場してしまう。佐川はすでに3人の交代枠を使い切っていた為に交代ができず、10人での戦いを余儀なくされてしまう。アローズはここから3トップ気味にして猛攻をしかける。しかし佐川も、両アウトサイドを下げて4バック・2ボランチの体制を敷き、さらにGK佐野の好守もあって失点を許さない。アローズはどうしても得点が奪えないまま、試合終了。佐川はこれで負けなしで勝点を10に伸ばした。


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前期第5節 横河電機−YKK FC
(4/29 武蔵野陸上競技場)
 開幕2連敗の後連勝で星を5分に戻した横河電機。前節と今節の間に中国遠征を行う強行日程の中、地元と言える武蔵野陸上競技場にてYKKを迎え撃った。対するYKKも今季よりの加入組ながらここまで無敗で3位につけている。
 試合はYKKペースで進んでいく。平均身長は同程度ながら体格に勝るYKKがその利点を有効に生かして中盤を制圧し、ツートップのポストプレーを絡めてゴールへ迫る。1対1で勝てない横河は、この日より復帰したDF渡辺を中心になんとかシュートまでは持ち込ませない。双方が荒れたピッチコンディションでボールキープがままならない中、横河はロングボールで幾度かチャンスを作るものの散発に終わる。得点は生まれないがYKKが終始ペースを掴んだまま前半を終える。
 後半開始早々、先取点を奪ったのは押されていた横河だった。48分、左サイドのスローインを受けた池上が相手DFに競り勝ってペナルティーエリア内に侵入。そのままゴール付近まで単独で持ち込んで放ったシュートが、YKKのGKの頭上を破ってゴールイン。開幕以来、良い動きを見せていた池上の今季初ゴールで横河が先制する。
 先制した途端に前半から一転し、横河の動きが俄然良くなってくる。56分には中盤からのパスを受けた平井が、ペナルティーエリア左斜め前でボールをキープした後、意表を突いたシュートがそのままYKKゴールに突き刺さり、横河が追加点を挙げる。
 YKKは後半に入ってから運動量が落ち、ツートップにボールが入っても中盤の押し上げが無く、チャンスを作れない。選手を入れ替えた70分過ぎから反撃を開始し、83分には長谷川が得点を挙げて横河に追いすがる。その後も猛攻をしかけるものの、横河にかわされてタイムアップ。2−1で横河が3連勝を飾った。
 横河は攻撃力のある申を右SBに、上田をワントップに配置して中盤を厚くする布陣が定着して3連勝。昨年の勝利数を早くも上回った。ロングボールに頼る場面も多く見られたが、池上がチームにフィットしてきており、この日欠場した岡元も加えて中盤の熟成度を増していけば、より成績は向上すると思われる。

 

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前期第11節 佐川急便SC−栃木SC
(6/17 多摩市立陸上競技場)
 コンフェデレーションズカップによる中断から3週間。JFLも再開し、中断中にJクラブとの練習試合を多くこなした佐川急便SCは、久々に都内で試合を行なう。相手の栃木SCは4勝4敗(2分)という5分の星で再開を迎えている。

 試合は暑さのためか、双方チャンスらしいチャンスを作れずに進んでいく。佐川は梶山・川瀬の両アウトサイドがあまり攻撃に出る場面が見られない。中盤でワンタッチでパスを繋いでFW山本が突破を図るか、FW山口にボールを当てて、MF小幡がそのボールにからんで行くかという中央からの攻撃の形しか作れない為に栃木DF陣を崩すことが出来ない。とは言え、栃木SCも佐川以上に攻撃を形作れず、ワントップの横濱に頼るしかないために、試合のペースは佐川が握っていた。
 後半43分、右サイドからの佐川のフリーキックにFW山口がヘッドで合わせて先制点を奪う。幾度か掴んだ得点チャンスを逃していただけに、貴重な得点を奪って前半を終了する。

 後半は佐川選手の運動量が低下し、栃木SCがペースを掴み始める。先に選手交代を行い、全体的な運動量を維持させようとした栃木の意図は当たり、数回得点チャンスを迎えるがゴールまでは至らない。佐川は守備に重きを置きながらも、すきあらばカウンター気味に攻撃を仕掛けていく。65分に山口に替えFW嘉悦を投入。嘉悦はFWから一歩下がった位置でボールを受け、小幡や山本にパスを配給する。だが山本も疲労の色が濃く、シュートミスなどで追加点を奪えない。嘉悦投入時の前後から中盤が無くなり、互いのゴール前での攻防が繰り返されていく。
 そうした消耗戦にもピリオドが打たれようとしたロスタイム。ピッチ中央付近でボールを受けた嘉悦が、右サイドの熊谷へパス。熊谷から相手DFの裏に抜けた小幡へとパスが渡り、最後は山本と交替で入っていた田中が落ち着いてゴールに流し込んだ。試合にダメを押す追加点を奪った数分後、試合終了のホイッスルが吹かれ、佐川急便は3位の座をキープした。
 
 この日の佐川は両サイドからの攻撃がほとんど機能していなかった。中央突破だけではワンパターンに陥ってしまう。回数は少なくとも効果的なサイド攻撃を繰り出すことで、中央からの攻撃も効果を増してくる。
また、JFLは夏の試合でも13:00開始の場合が多く、暑さによる運動量の低下も今後十分予想されるので、留意すべき点であろう。


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前期第15節 佐川急便SC−ソニー仙台FC
(7/14 江東区夢の島競技場)
 4月に開幕したJFLも今節で前期が終了。前節で既に本田技研が前期優勝を決めているが、佐川SCにとっては、天皇杯の出場権を獲得する為に負けられない一戦となる。

 35℃を越える暑さの中、午後1時から始まったこの試合、前半はソニー仙台が主導権を握る。両アウトサイドが高く押し上げて切り崩しにかかる。だが、古邊を中心とする佐川のDF陣もしっかり対応してソニーに決定的なチャンスを作らせない。佐川は中央の熊谷・田中らのダイレクトでのパス交換から突破を図り、山口・小幡にボールを繋いでチャンスを作ろうとする。しかし、両アウトサイドが上がれない為に攻撃に厚みが無く、ソニーDFに押さえ込まれてしまう。双方ともに大きなチャンスの無いまま、0−0で前半を終える。

 後半に入ると、この暑さで選手の体力が消耗し、ミスの目立つ大味な展開に。時間が進むにつれ中盤の構成は影をひそめ、ゴール付近での攻防が多くなる。55分から75分にかけて、両チーム共に選手交代で打開を図るが、交代選手以外の選手の運動量は激減しており、刻々と時間だけが過ぎていく。
 このまま引き分けという結果も有り得ると思われた81分、中盤でボールを受けた佐川MF田中が虚をつくかのようにミドルシュートを放つ。ソニーGKが差し出した手を弾いてゴールに吸い込まれて、佐川が先制点をあげる。
 ソニーはなんとか同点に追いつこうと最後の力を振り絞って攻撃に出る。佐川もGK佐野の好守でソニーの猛攻を食い止める。そしてロスタイム。ゆっくりと中央を攻め上がる田中から、ソニーDFラインと並走しながらタイミングを窺っていた嘉悦にパスが出る。パスが出された瞬間に飛び出してGKと1対1になった嘉悦は冷静にゴールに流し込んだ。その直後にタイムアップの笛が鳴り、佐川がソニーを2−0で下した。

 酷暑の中の消耗戦では、ちょっとした集中力・運といった違いが試合を左右する。この日は佐川に勝利がもたらされたが、なんにせよこの様な状況でベストゲームを期待することは出来ない。運営側にはもう少し選手にとって楽な条件での試合開催を望みたい。
 何はともあれ、佐川は昇格初年度の前期リーグ戦を10勝2分けの勝点32で終えた。失点一桁台も立派の一言に尽きるだろう。この時点では天皇杯出場は決定していないが、ある程度の自信を得たであろうから、後期はより一層の飛躍を期待したい。


 同日夜に行なわれた、大塚製薬−アローズ北陸戦が引き分けに終わった為、佐川SCは大塚を勝点で上回って前期2位となり、JFL枠での天皇杯出場を決定した。


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