2001ヤマザキナビスコカップ

1回戦第1戦 FC東京−ヴァンフォーレ甲府 (4/4 東京スタジアム)
 JFL・J2時代はカップ戦でJチームを相次いで倒し、「カップ戦に強い」と言われた東京。だが、J1昇格1年目の昨年はナビスコカップ・天皇杯ともに初戦敗退。その屈辱を晴らすべく、ナビスコカップに挑む。しかも、昨年の天皇杯でまさかの敗戦を喫した甲府が相手である。そのリベンジの意味合いも含めて、是非とも勝っておきたい相手である。

 東京は加賀見・梅山のレンタル復帰組を先発で起用。加賀見はトップ下に、梅山は右サイドバックに置かれた。磐田戦であまり機能しなかった呂比須に替わり加賀見がポスト役をこなす。格下の甲府相手ではあるが、加賀見がボールをキープすることで前線の起点となり、両サイドの攻め上がりを引き出す。しかし、シュートが枠に飛ぶどころか決定的なチャンスもなかなか作り出せず、サポーターの不満が募っていく。時折、浅利がミドルレンジからシュートを狙うものの枠から大きく外れていく。

 対する甲府は両サイドが高い位置を保ち、ダイレクトパスで容易に東京の中盤を切り裂くが、サンドロ・伊藤のCBコンビが立ち塞がり、こちらもシュートにまでは至らない。30分を過ぎると東京がペースを握るが、全体的に動きが少なくチャンスらしいチャンスは皆無のまま前半を終了する。

 後半に入ると、東京の動きが一変する。序盤から積極的に甲府ゴールへ襲い掛かる。53分、中盤で三浦がカットしたボールを呂比須がドリブルし、そのまま攻め上がった三浦にパス。ペナルティーエリアに侵入した三浦を甲府DFが倒してしまい、PKを得る。このPKを呂比須が決めて東京が先制する。

 この先制点で試合の主導権は東京に一気に傾く。56分、右サイドからケリーが斜めにドリブル突破し、3人をかわしてペナルティーエリアまで持ち込んでシュートを打つが決まらず。だが、この直後の58分、ケリーの左サイドからのCKを加賀見がゴール右上にヘッドで直接叩き込んで2点目。加賀見自身、嬉しい今季初ゴールとなった。

 67分にはそれまで好プレーを見せていた増田に代えて由紀彦を投入。その由紀彦も最近の不調を振り払うかのごとく好プレーを多く見せる。交代直後の69分。中盤にいた呂比須から右に流れた加賀見へパス。加賀見はドリブルで持ち込み、甲府GKのタイミングをずらしてセンタリング、ニアサイドに詰めたケリーはおとりとなりボールは呂比須へ。トラップをもたついたものの、呂比須が冷静に決めて3−0。だが、このプレーで加賀見が負傷退場。替わって戸田がピッチに入る。その戸田もレギュラー奪取をアピールしようと積極的に動き回る。

 東京のゴールラッシュは続く。73分、1点目と同じような形で、中盤で三浦がカット→呂比須がスルーパス→攻め上がった三浦へ。ボールを受けた三浦は飛び出した甲府GKの鼻先をかすめるようにシュート。これで4−0。甲府も何とか一矢を報いようとするが、東京のカウンターを喰らってしまう。79分、由紀彦のFKはクロスバーを叩き、惜しくも得点ならず。終了間際の89分、甲府サイド中盤の辺りで戸田が倒されて得たFKを、由紀彦が判断良くゴール前フリーの呂比須へ。呂比須が難なく決めて5−0として、第1戦で大きなアドバンテージを得ることができた。

 後半だけ見れば圧勝だったが、前半の戦いぶりはいただけない。解散の危機にある甲府の健闘もあったが、運動量が少なく、ゴールへ迫ることが出来なかった。早いうちから動きの量を増やしていかないと今後も続くJ1勢との戦いは厳しい。リーグ戦連敗の中で弾みはついたが、前半に関しては不満の残る内容でもあった。


Back Top

 


1回戦第2戦 ヴァンフォーレ甲府−FC東京
(4/18 小瀬スポーツ公園陸上競技場)

 第1戦での5−0という結果を受け、アウェイ甲府に乗り込んでの第2戦。東京のスタメンはサブメンバー中心に構成。GKに今季加入の小澤(←横浜FM)、ボランチに山梨出身の宮沢(←中央大)が東京では初出場。宮沢とWボランチを組むのは下平、右SBには梅山。リーグ戦第2節(神戸戦)以来ベンチからも外れていた小林成、14日のレッズ戦でJ初ゴールを決めた戸田が起用された。

 先日J2今季初勝利を収め(4/14 対水戸戦)、勢いに乗る甲府は前線から厳しいプレッシャーをかけ、カウンター気味の速攻でチャンスを掴もうとするがシュートにまでは持ち込めない。第1戦でも見せた、ダイレクトでボールを繋ぐスタイルはより多く見られた。

 東京は全体的な組織が機能しない上に一人一人の運動量も少なく、チャンスを作れない。DFラインでボールを持ち過ぎることで甲府FWのプレスに遭い、危うくボールを回す場面も見られた。ボランチと攻撃的MFの間が広くなりすぎて2ライン気味になり、ルーズボールを甲府に拾われることも多々あった。それでも徐々に東京がリズムを掴んでくる。

 ケリーと呂比須、あるいはケリーと戸田の連携でチャンスを作るが、それに連動する動きがなく、さらにクロスの精度が低い為に決定的なシュートを打てない。CK・FKの場面では宮沢が精度の高いプレースキックでゴールを狙うが、枠を惜しくも外れたり、甲府GKの好守に阻まれてゴールを奪えない。双方に低調な動きのまま前半を終える。

 後半に入り甲府の出足が落ち始め、東京も戸田に替えて鏑木享を投入するが、全体的な流れは変わらない。そんな中で迎えた59分、小林成との連携で藤山が左サイドを突破する。クロスは1度は甲府DFにはね返されるが、そのこぼれ球を藤山が再び頭で中へ送り、ニアサイドに入っていた鏑木享がまたも頭で後方へつなぎ、それを呂比須がみたび頭でゴールに押し込んで東京が先制する。

 その後、ケリーがシュートチャンスを迎えるなど追加点の兆しはあったが決めきれず、小林成・ケリーに替わって入った由紀彦・増田にも目立った動きは見られずじまい。甲府もFWデイリを投入するなどしてなんとか得点を狙うが効果は薄く、残り15分を切ると双方とも足が止まり、雑なプレーの応酬となる。結局1−0のまま試合終了。2試合合計6−0で東京が2回戦進出を決め、新潟を破った広島との対戦が決定した。

 リーグ戦で出場機会の少ない選手の動きが注目された中で、宮沢の速く・鋭く曲がるプレースキックは、これまでの東京には欠けていた貴重な武器として期待が持てる。だが、モチベーションを保てないのか、総じて動きは低調で、この試合を見る限りでは選手層の底上げには成り得なかったように思える。
いかに大勢が決まっているような試合でも、レギュラー奪取の為の必死さが感じられなかったのは寂しい限りであった。


Back Top

2回戦第2戦 FC東京−サンフレッチェ広島(6/20 東京スタジアム)

 6/13に広島で行なわれた第1戦を3−3と引き分けて迎えた第2戦。東京は内藤がベンチスタート、伊藤哲が先発した以外は第1戦とスタメンは変わらず。広島もDF奥野・FW藤本がベンチに入った他は変わらない。また、新加入の宮沢がホーム・東京スタジアムに初登場した。

 前半は膠着した展開で進んでいく。と言うよりも、中盤でのミスが多く、締まらない試合内容と言った方が適切な状況。東京は全体的に間延びしている印象。それでもケリー・加賀見が左右に流れて基点となって数回チャンスを作り出す。宮沢は何度かシュートに絡んで積極的な姿勢が見られるが、左足でのサイドチェンジは不発で試合の流れに今ひとつ乗り切れていない。広島はFW久保を基点にして、高橋・梅田の両FW、MF山形・DF沢田がドリブル突破でサイドからチャンスを作る。それでも前述の通り、ミスが多いので決定的な形を双方生み出せない。

 44分、サンドロのクリアを拾った下平が前線やや左サイドに流れた加賀見へパス。加賀見は広島DFトゥーリオと競り合いながら前進し、DF上村も加賀見に向かって身体を寄せて潰しにかかる。加賀見はDF二人に囲まれながらも、上村が動いたことでぽっかりと開いた中央のスペースにパスを送る。そこに走りこんでいたのはケリー。全くノーマークのケリーはGKの動きをよく見て、ダイレクトでシュートを広島ゴール右隅に流し込んで東京が先制する。

 後半開始から、温存していた奥野・藤本を投入して逆襲を図る広島。藤本はやや下がり目の位置からボールをはたいて広島に攻撃のリズムをもたらす。さらに広島は51分にも選手交代し、東京の左サイドを崩していく。対する東京は62分、宮沢に替えてアマラオを投入、ケリーが左サイドに回る。ケリーが攻め上がることで広島の右サイドを封じ、アマラオをカウンターの基点にしようとの狙いか。しかし流れは変わらないまま、71分、東京陣内左サイドでの広島のFK。藤本の蹴ったボールは逆サイドにいたFW高橋へ。高橋は落ち着いてゴールへ流し込んで広島が同点に追いつく。

 同点に追いつかれた東京は戸田・喜名を投入して勝ち越しを狙う。特に喜名はそのキープ力で流れを東京に引き込むが、最後の詰めが甘く得点を奪えない。後半終了前には、広島に退場者が出て11人対10人になるものの、結局同点のまま試合終了。2試合合計でも引き分けの為、延長戦に突入する。

 延長戦は数的有利を生かして、東京が押し込む展開。102分にはゴール前でアマラオが全くのフリーになるビッグチャンスを迎えるものの、アマラオのシュートはクロスバーに阻まれてしまう。東京はその後のチャンスも得点に繋げられない。

 110分、延長戦から交替出場した広島FW大木が、ゴール前中央の久保にボールを預ける。久保はダイレクトでそのパスをはたき、走りこんだ大木がそれを受けてシュートを放つ。無情にも東京ゴールに吸い込まれてしまい、延長戦を制した広島が準々決勝進出を決めた。

 東京の2失点は、ともにボールに集中してしまい、相手選手を捕まえきれなかったことから喫してしまっている。前半から飛び込んでくる相手を抑えきれないシーンは何度か見受けられていた。また、セットプレーからの失点も多い。いくら土俵際で踏ん張っても、中盤からしっかり相手を抑えていかなければ厳しい。
 攻撃では小林成が大ブレーキ。過密日程の中での疲労の影響もあるのかミスも多く、チャンスを幾度も潰していた。選手交代をするのであれば小林でも、、、という疑問は残った。得点力欠如は小林一人の責任ではないが。

 ホーム・東京スタジアムでまたもや敗戦。とにかくホームで勝たないことには、せっかく掴みかけたファンも離れかけない。より一層の奮起を望みたい。

Back Top