課題研究(第8回 6月22日)
4章 学習意欲を育てる実践
1 目標設定の指導を通して
漢字学習の指導を通して
(1)課題の与え方
漢字学習は、与え方によって抵抗感を増したり、楽しくさせたりする
漢字学習が嫌い → 国語が嫌い
(理由)
・漢字が覚えられない
・覚える漢字が多すぎる
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│ 覚える漢字が多すぎるということに焦点をあてて、課題の与えかたを工夫 │
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★単元の始めに読みだけの指導
★書きについては、一日一字を確実に覚えるように指導
★「漢字辞典」と名前を付けた漢字記入用プリントを配布し、字の成り立ちや読み、
筆順等を毎日一字分ずつ記入し、覚えさせる
★漢字の小テスト
・10問
・出題範囲をあらかじめ教える
・2日に1回
・内容は出来具合によって、全く同じものをやったり、1〜2字新しい漢字を混ぜる
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│ くり返しテストをすることによって成功のチャンス、「今度こそは」という気持ち │
│ を与え、覚える能力の低い子でも「やればできる」と感じさせる │
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(2)目標の立てさせ方
練習する字数については教師が指示するが、練習量については自分に応じた目標を立てる
テストするとき「10問のうちどれくらいできるか」という目標
・学習の具合や前回までの結果をもとに
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│ テストを受けるときに、目標を立てると │
│ ・自分の学習の反省 │
│ ・自分がやったことの確かめ │
│ ・次の学習への意欲づけになる │
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(3)評価のしかた
・漢字目標カードを持たせ、目標と結果を記入させる
・教師はそのカードをもとに評価する
(目標に達していれば、○ 以下であれば、× がんばったけれどももう少し、△)
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│ 前回の結果と自分の勉強の度合いを参考にさせ、どれくらいならできそうかを予想 │
│ させ、それと同じか少し上を目標に立てさせる │
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↓
目標の立て方がうまくなり、自分自身で目標を立てて課題に取り組めるようになる
<学習状態の把握>
学習したにもかかわらずできなかったのか、さぼっていたためにできなかったのか
↓
・学習方法の点検
・個別指導
・その子に可能な課題を用意 ← *学習方法が身につき自分でできる
・その取り組み状況を点検 ようになるまで指導
・励まし
子どもは成功する機会が増える
↓
漢字テストを楽しみにする *低学年ほど顕著
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│ 小学校の間は、教師から与えた課題の場合、教師側でそれをきちんと評価して │
│ やらないと、成功経験につながらず、効果が半減しやすい │
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家庭学習の指導を通して
(1)家庭学習の意義を考えさせる
保護者会
「うちの子は宿題がないと家へ帰ってからちっとも勉強しないんです。もっと宿題を出して
いただけないでしょうか」
「ちょっと机に向かった方と思うと、すぐにテレビを見たり、マンガを読んだりして長続 きしません」
子どもの方も親から「勉強しなさい」と言われると
「今日は宿題がないんだもん」
「もう、宿題はやったからいいんだ」
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│ 家庭での学習は、教師から言われたことだけをやればよいという考え │
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│ 何のために勉強するのか、 誰のために勉強するのか を考えさせる │
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★意義を考えてやってきたのと、義務でやってきたのでは効果が違う
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│ 勉強は自分のためにやるものである。よくわからない場合は、自分がしっかり努力 │
│ したかどうかを考える
│
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★「これを自分で考えておくとためになる」とか「これをやってみるとうまくなる」
という形で課題を提示
(4)目標を立てさせる
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│ 「自分は何をどの程度やるのか」を考えてから、課題にとりかかる │
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・適当なアドバイス
・教師側の最低希望線
★軌道に乗るまではある程度指導を加えて修正
教師側からの課題・・・・作文、読書
計算練習や漢字練習・・・分量はできるだけ自分で決めて取り組ませる
(3)評価のしかた
教師側から出した課題
↓
厳しく点検
分量については、本人が立てた目標について達成できているかどうかを評価
・きちんとした目標を持たずにやっている子には、次の目標の立て方を指導
・きちんとした目標を立ててやっている子にも、月に1回は目標の見直し
・途中でも目標変更、修正
(十分達成できている → 目標を上げるかどうか)
(達成不十分 → 目標を下げた方がよいか)
★学習表を掲示
・自分のやった分量を記入
・目標に到達→赤 もう少し→青 全然ダメ→白のまま
★目標の設定が定着するまでは教師の指導
★ある程度目標が立てられるようになっても、教師が適切な評価をして見守る
2 理科の授業を通して
はじめに
学習意欲が高まる授業についての研究や実践報告
○研究室サイドの研究(達成動機づけ訓練など)
○教育現場的サイド的研究(実践報告的研究など)
↓
学習意欲はあがるだろうという教育方法
このような教材を使えば学習意欲はあがるという教材についての研究
★実際に学習意欲が高まったかどうかの測定がまったくといっていいほどなされていないなされたとしても、測定不能な事柄
↓
子どものまなざしが生き生きとしていた
目がキラキラしていた
<実際に教科の一単元を使用した実験の結果>
学習意欲の高い群と中ぐらいの児童においては、ほぼ同じ水準で推移するが、学習意欲の低い児童においては、学習意欲が高まる授業をすると学習意欲が高くなるが、その授業が終了すると低下する。
★授業終了後の学習意欲の低下は、児童自身すなわち、学習者側に問題が
あるのではないか?
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│ 学習意欲の高まる授業の研究においては、実際の授業を使用し、さらに │
│ 学習意欲の効果測定を考慮に入れて研究を行う
│
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学習意欲が高まる授業の視点
@教材
A児童生徒の教材に対する興味や関心の実態
B従来の教材の問題点と修正したカリキュラム
C実験(実践)
教材の選定
「ヒトのからだ」という単元
「理由)
・われわれは、ヒトあり、人間である
(ヒトの動物としての一般性とヒトがヒトとしての種の特異性)
・講義形式の授業(授業への一般化)
・小学校の理科の最後の単元であり、児童の側からは、6年生という重要な点にいる
・ヒト=人間のからだに対する児童生徒の興味関心が高い
授業計画
(1)授業内容
ヒトの動物としての一般性(哺乳類としてのヒト)
ヒトの種としての特殊性(ヒトとしての人間)
<授業を考えた理由>
★児童へのヒトのからだに対する興味に関するアンケートの結果
・脳のこと
・骨のこと
・体の中のしくみ
・心臓や筋肉
・病気やけがのこと
・思考やことばのこと
★動物教材の取り扱い方
・小学校6年間の教科書で扱われている動物は昆虫が多い
・脊椎動物に対しては、魚類とヒトの2種類だけ
↓
小学生において、動物の一般的特徴というものは、まったくと言っていいほど
教えられていない
↓
児童生徒と生物学的動物の概念とに大きなズレ
このズレにより学習意欲を高める授業を行う道が開ける
(2)授業方法
@授業書を配る
A約10分間で、授業書の質問に各児童が答える
B資料を配る
C担任教師が、授業書の質問に対して解説を加えながら、その時限の要点を説明していくD授業の終わりに、児童からの質問を受ける
授業の実際
東京都N小学校6年生、男子23名、女子19名 の計42名
授業期日 1982年 10月
学級の平均(学習意欲)得点においては、あまり効果が見られなかった
↓
学習意欲の高位群(上位から5名)
学習意欲の下位群(下位から4名)
学習意欲の中位群(平均から上位2名 下位2名の 計4名) に分けて分析
★1回目と2回目の間に、高位群が学習意欲が低下し、低位群では学習意欲が上昇
↓
学習意欲の高い児童においては、長期の休みや学校行事はマイナスの効果
学習意欲の低い児童には、これらのことがプラス効果 *
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│ 学習意欲の高い児童にとって、学校の授業が学習意欲をあげる一要因であり、 │
│ 学習意欲の低い子にとっては、授業以外のことが、学習意欲をあげる一要因
│
│ になっている
│
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★3群とも授業が始まって終了するまで(2回目〜4回目)は一応の効果があった
高位群と低位群においては統計的に有意な差
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│ 授業は一般的に効果があった │
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★授業終了後から約2ヶ月後の結果では(4回目と5回目)群により違い
学習意欲の高位群と中位群 → 効果が持続
学習意欲の低位群 → 学習意欲の低下
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│ 学習意欲の低い児童にとっては、一時効果があるが、それが持続しない │
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(原因)
・*による
・学習意欲の低い児童は、失敗回避傾向が強い
・自主的学習態度・達成志向要素の変化
(児童の・関心を中心に教材を考えた効果)
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│ 学習意欲の低い児童は、学習意欲は受身的で流動的なもの │
│ 外的に影響を受けやすいもの │
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<一般の授業を行うにあたっての注意点>
@児童の活動を活発にする授業を各教科で取り入れていく(討論形式の授業)
A児童に目標を明確にさせ、この授業がいったい何を目的としているのかわからせる
B失敗回避傾向の強い児童に対する配慮
・成功経験の積み重ね
・失敗経験の原因を本人の能力不足ではなく、努力不足に帰因するように指導
★学習意欲の質問紙では、低い方であり、変化もほとんどなかった児童
↓
単元終了後に、自主的にこの単元について勉強をした児童5〜6人
↓
そのうち2〜3人は、理科や他の教科も自主的に勉強
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│ 学習意欲の質問紙は、学習意欲を測定する有効な手段ではあるが、日々の教師の目 │
│ というのも重要な手段となる │
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