コーヒーがいつごろから人々に飲まれ出したのか、真実はわかりません。ただ十世紀初頭、アラビアの医師ラーゼスが残した記録には、バンと呼ばれる乾燥したコーヒーの実を砕いて水に浸して煎じ、バンカムと呼んで医薬にしていたとかかれています
その約100年後に医学者で哲学者のアビセンナが、バンとバンカムについて、やはり「薬用」だと書き残しています。
当初、コーヒーは妙薬だったようです。
その後長い間、コーヒーはイスラム教寺院の中だけに、門外不出の秘薬として伝えられていきます。
夜通し行う宗教儀式の前に眠気を払う霊薬として飲まれたのです。
豆を煎って飲むようになったのはおそらく偶然で、
13世紀頃からと言われています。
1454年になって初めて、一般信者にその存在が知られると、寺院の回りはコーヒーの露天であふれかえり、人々はお祈りの前にコーヒーを儀式的に飲むようになりました。
それからメッカへ、カイロヘ、ダマスカスへと伝わっていき、
1554年には世界最古のコーヒー店「カーネス」がコンスタンチノープルに作られています。
コーヒーの余りの人気に賛否両論が起こり、ついにメッカの地方長官カイル・ベイが「コーヒー禁止令」を発布して最初のコーヒー弾圧をしましたが、当時のエジプト国王・サルタンが大のコーヒー好き。
それを知って激しく怒り、すぐさま禁止令を撤回して「コーヒーを飲むのはコーランの教えや宗教上の罪悪にはならない」と宣告しました。
以後コーヒー弾圧は何度か繰り返されます。
それだけコーヒーに魅せられる人が多かったということでしょう。
こうして16世紀中ごろにはトルコへ、その後ヨーロッパへと上陸していきます。
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