地球劇場24幕


地球劇場 チリ舞台(前哨戦?)


お詫び

 諸般の事情により、更新日が随分遅くなりました。記憶があいまいな点が多く、かなり事実と異なる点があることをまずはお詫びいたします。
 また、第一幕を8月中に書き上げたにもかかわらず、二幕以降は間を置きながら書き綴ったため、文体等に統一感が全くございません。読みにくい文章ですが、お許しくださいませ。                                 
 
                                                    筆者




☆第一幕  

・ババ 「すいません、秋の予定だったチリ転勤が、お盆明けすぐということに急に決まりました。9月半ばに子供も産まれるというのに・・・・。もしかしたら、最後の小歩危アタックになるかもしれないので、ぜひ皆で小歩危に集まりましょう。」
・ナレータ こんな電話から、彼がチリに行く前に四国で送迎会をやろうではないかということになった。
8月13日夜。三重から四国に向かう車の中
・タクマ 「マ○ダさん、吉野川にカヤックで行った人間全ての中で、マ○ダさんが一番カヤックの経験が少ないですよ、きっと。カヤックに過去二回しか乗ったことがないのに、三回目が吉野川なんて、ありえないですよ!」
・マ○ダ 「いや、でもね、二回も宮川で漕いで、まだ一度も沈してないし、結構簡単ですよ。宮川の瀬も、楽勝ですし・・・・。」
・タクマ 「マ○ダさん、宮川の瀬の落差が、20cmとしたら、大歩危の三段の瀬なんて、2mです。そうとう気合入れないと、怪我をするかもですよ・・・。」
・マ○ダ 「死ぬことはないでしょう?」
・タクマ 「いや、死ぬかもしれません。でも大丈夫です。ワタクシ、葬儀を挙げることくらい、お手のものですから。」
・・・・・それでいいのか、本当に!・・・・でも、車はどんどん進む・・・・
・タクマ 「ほぼ予定通り、午前2時30分、池田ダム到着ですね。さ、一杯やりましょう。」
・マ○ダ 「いいですねえ。明日は、たかが大歩危。がんがん飲みましょう!」
3時、命知らずの面々は曇天の空のした、ベットを組み立てて、眠りに落ちていった・・・・
・タクマ 「昼過ぎにオーキタ、MIUと合流ですから、それまでにうどんを食べに行きましょう。四国3日間で、最低でも5食はうどん食べたいっすね。」
・タクマ 「ここ池田の、竿蔵寺の前のうどん屋がうまいですよ。そこに行きましょう」
・マ○ダ 「いいねえ!」
・タクマ 「すいません、注文いいですか?  釜揚げうどんの中と、冷たいぶっかけうどんの中。」
・マ○ダ 「えっ?朝からそんなに食べるんですか・・・?」
数分後・・・・
・マ○ダ 「すいません、温かいかけうどんの中、もう一つ追加でお願いします!」
・タクマ 「うまいですよね?」
・マ○ダ 「これが、四国流朝飯ですね。うまいです・・。じゃ、もう一杯・・・、って、これ以上食べたら、カヌー出来なくなりますね。」
:・タクマ 「いいですよ、ついでにビールも飲んで、今日はダウンリバーじゃなくて、ダウンレバーと行きましょう!」
午前10時、小歩危・曲り戸の瀬の上の吊橋にて・・・
・タクマ 「・・・・・」
・マ○ダ 「・・・・あれって、けっこう波が立っていますよねえ・・・・。行けるんですか?」
・タクマ 「・・・・・なんで俺、わざわざ四国まで来て、こんな怖い想いをせにゃあかんのだろうか・・・。マ○ダさん、見なかったことにして、行ってしまえばなんとかなると思いますよ。ちなみに、前回はチンダツをしましたが・・・。」
11時、モンベルショップ
・マ○ダ 「あれ、たくまさん、Tシャツを買うんですか?」
・タクマ 「ええ、自分への土産です。この゛激流゛Tシャツは、ここしか売ってないんですよ。3,000円もするんで、奮発します。」
・マ○ダ 「あれあれ、たくまさん、その手に持っている゛WERNER゛とか書いてあるパドルはなんですか?」
・タクマ カミサンへの土産です。ン万円もしますが、それは愛の証ですよ!
・マ○ダ 「・・・・へー」
13時、大歩危豊永の瀬のスタート地点
・MIU 「おひさしぶりです!今日はたかが大歩危、ガンガン行きましょう!」
・オーキタ 「久しぶりです。タクマサン、すいませんがパドルを一本貸してください。この、゛WERNER゛って書いてある一番安っぽいので結構ですので・・・。」
・タクマ 「こら、オーキタ。それはカミサンのパドルだから、簡単には貸せない。他にしてくれ。」
・マ○ダ 「ワタクシ、今回が生まれてから三度目のカヌーですので、皆さん、レスキューをお願いします。ところで、ありえないくらい水温が低いのですが、普段からこの川はこんなに冷たいのですか?」
・MIU 「本当だ。こんなに冷たい吉野川なんて、ありえない。これじゃ、まるで、雪解け水の会津の川みたいだよ!」
・タクマ 「マ○ダさん、ちょっと着ている装備が寒そうですので、ワタクシのパドリングジャケットを着ますか?私は大丈夫ですよ、この水量ならチンしませんから!」
・マ○ダ 「気持ちだけ頂きます。ワタクシも、そんなに沈まないと信じていますから・・。」
・MIU 「行きますか!」
・MIU 「おっ、誰だ、もう沈んだのは?まだまだ豊永の瀬の核心までは随分と距離があるのに・・・。あっ、マ○ダさんだ・・・。」
・マ○ダ 「いや〜、びっくりしました!生まれて初めて、こんな大きな瀬を見ました。ここって、この川で一番大きな瀬じゃないですかね?
・タクマ 「・・・・・・、気を取り直して、さ、出発!」
・MIU 「あれ、また誰か流れてきたぞ!・・・あっ、マ○ダさんだ!だいじょうぶですか?」
・マ○ダ 「いや〜参った。すごいでかいホールに完全にやられました。ここが噂の゛曲り戸゛でしょうかね?すごかったです。今まで下ったことがある、宮川なんて、全く問題外ですね・・・・。オマケにこの水温・・・。死ぬかもしれませんね・・・・。」
・オーキタ 「豊永の瀬で2チンですか!ふふふふっ、世界記録更新の可能性がありますね!」
・タクマ 「マ○ダさん、気にしないでください。わたしも、前回この瀬で2チンダツをしていますから!全然楽勝ですよ!
・オーキタ 「・・・それって、゛大丈夫゛の根拠があるんですかねええ・・・。」
・MIU 「いよいよ、三段の瀬ですよ!気合入れていきましょう。でも、とりあえずは、下見をしましょうか?」
・オーキタ 「核心の大波さえ突破すれば、後は何処に行っても大丈夫ですよ。ただし、核心部の大岩の右には行かないようにしましょう。」
・タクマ 「そうしましょう!GWはあそこで人間洗濯機を経験してきましたから!」
マ○ダ 「・・・・・ここ、本当に行かねばならないのでしょうか・・・・。」
・MIU 「なんだ、面白くないですね、全員無チンで突破ですか!」
・マ○ダ
・タクマ
・オーキタ
「一杯 一杯です・・・。生きててよかったあああ。」
・オーキタ 「うああ、三段の瀬の次の瀬も、結構大きなホールじゃないですか!明日から、4段・5段の瀬と呼びましょう!」
・MIU 「そんな大した事ないよ、それより、次のモンベルの瀬、プアオーバーの大岩の右のルートと、左のルートがあります。多分、左のルートの方がいやらしいので、右のコースをお薦めしますよ!」
・タクマ 「下見していると、なんか、右のコースの方がイヤなんだけど・・・・・。」
・MIU 「左ルートに行ったら、がっつりホールに捕まっちゃった。やはり、右が正解だね・・・。あっ、右に行ったオーキタが沈んだ・・・。あっ、タクマサン、迷っているうちに、大岩に正面から突っ込んじゃった!オトコの突入ルートだ・・・。あっ、マ○ダさんもちゃんと右に行ったぞ・・・・、でも、沈んだ・・・。あれ???」
・マ○ダ
・オーキタ
「MIUさん、左ですよね!?」
・MIU ・・・・・・「多分ね・・。」
・タクマ 「しかし、マ○ダさん、カヤックに乗って、まだ3回目の大歩危アタックで、チンダツ3回ですか!上出来ですよ!」
・MIU 「ありえないです。」
・マ○ダ 「いやいや、タクマサンも、最後のモンベルの瀬で、すごいルートを攻められたじゃないですか!男気を見せましたね。」
・MIU 「ありえないです」
・タクマ 「もう、あんなルート二度と行かん!」
そして、翌日・・・

☆第二幕

 そして、翌日を迎えた。この日は広島から・バッタ君と・ハマーも合流し、加えて、愛知県のシミズも女房・子供(一歳)を河原に残しつつも合流し、一大パーティーとなって、大歩危に乗り込むことと相成った。しかし、このパーティー、多いのは人数だけではないと、誰もが思っている。そう、沈んで流れる数がきっとこの吉野川という川にチャレンジするパーティーの中で、抜群に多いのであろう・・・、きっと・・。


 曇天の中、南小川の合流地点からカヤック6艇とダッキー1艇を下ろし、いざ出発。すでに正午を回っているが、誰も腹が減ったなどという精神的な余裕はない。ともあれ、長い長い豊永の瀬に順々に突入していく。・MIU,ワタクシと最後の落込みをガチンコ勝負をし、フネを上流に向ける・・・。ワタクシは左岸側にフネを着けた為、ほとんど上流は見えず、落込みのみが見えるだけである。その落込みのホールに、オレンジのフネのみが流れてきた! 人が見当たらん!時間差で、・オーキタがヘルメットのみ浮いているような形で流れてきた・・・・。急いでレスキュー!・・・と思いきや、今度は水色のフネのみが!  同じく、・マ○ダさんがヘルメットのみ浮いているような形で流れてくる・・・。ああああ!・シミズまで! 何しろワタクシからは上流が全く見えないという状況で、どんどんフネと人が別々に流れてくるのだからたまらない。ともあれ、全員、なんとか左岸に引っ張って、豊永の瀬の河童に懺悔をする。

 ホールで遊んでいるダッキーもチン。しかしさすがダッキー、すかさずセルフレスキューに成功。


 さて、雷が遠くでごろごろと鳴り、雨も落ち始めた頃、大パーティーは最大の瀬・三段の瀬に到着。これから始まるチンダツショーのため、皆、やや無言で下見をする。誰もが、「なぜ、こんな怖い思いをしてまでこんな恐怖の瀬を下らねばならないのだろうか・・・?」などと心の奥で嘆いている目前に、信じられない景色が待っていた!すなわち、そこいらのホームセンターに販売しているかのような一枚のウレタンマット(厚み70mm程度)にロープだけ通した超簡易イカダで、何のためらいもなく、この三段の瀬に突っ込んでいく一団があるではないか!
 無事に彼らが下って言ったのを見てちょっと肝が据わった我々、まずは・MIUが最下流まで行き、続いてワタクシが下る。ワタクシは右岸にフネから降りてロープを持って待機する。ちなみにここは春に・タクマ氏が捕まってしまった地獄のストッパーホールである。大歩危に非常に相性の悪いタクマ氏が下って、左岸にロープを持って、三人でレスキュー態勢を敷く。

 ここ三段の瀬は、進入に角度の悪い小さなホールがあって、それを正面から突破して、核心の大落込みに突っ込まねばならない。ここの最初の小さいホールを避けたり、態勢を崩されたりすると、その先の大岩の右におちてしまう恐れがある。左に行けば、大落込みに正面から突っ込めるので、そのあとの連続ホールはあるけども、ルートは正しい。右に来れば、地獄の人間洗濯機である。みな、固唾を呑んで見守っている中、・オーキタが突入!

 とりあえず、大岩の左に進路をとることが出来るも、その後チン。しかし・オーキタ、果敢にもロールを試み続け、ほとんど水中に沈みながら三段の瀬を突破し、瀞場でチンダツ。

 さて、続く・シミズと・マ○ダさん、飄々と二人して突破。それにつけてもマ○ダさん、カヌーデビュー3戦目とは思えない落ち着きっぷりに我が目を疑いたくなるほどである。

 なぜか異様に大歩危に相性の悪い・タクマ氏。3段の瀬の後、昨日自ら名前をつけた『5段の瀬』でまたまたチン。しかも、ストッパー化していたそのホールにガッツリ捕まってしまったのである。ああ、また人間洗濯機か?と思われたその時!なんと、・オーキタがタクマ氏にフネごと体当たりをして、タクマ氏のフネを押し出したのである! その後、・オーキタは沈し、やはりホールに捕まって、ぐるぐる心と体を洗濯していた。隣で見ていたラフトのガイドは、お客さんに、素晴らしい技ですねえ!と説明していた。お客さんは彼に惜しみない拍手を送り、我々は大笑いをし、なぜか、隣では・タクマ氏まで大笑いをしていた。

 この日、先日よりも大きく腕を上げたマ○ダさん、それでも最後のモンベルの瀬ではしっかりチンダツ。そしてそしてタクマ氏。先日の大岩正面強行突破を見せた彼。この日も、何故か正面突入し、オトコの突破の仕方を披露していた・・・。



☆第三幕


 大渇水状態の吉野川。既に上流のサメウラダムにはほとんど貯水量がなく、放流しているのは、ダム底の泥交じりの冷たい水のみ・・・。どろどろで且つ春よりもはるかに冷たい夏の吉野川で流され続けた大パーティーの我々・・・。皆ぐったりと疲れている・・・・・・はずなのだが、体と心は別物。なにしろ、これからかのババタイチローをチリに送り出す、大送別宴会が控えているのである。

 アッコちゃんからババに贈る『プレゼント』の購入を仰せつかったワタクシ、いそいそと四国中央市に舞い戻り、フジグランなるショッピングセンターでMIUとオーキタと物色に当たる。しかししかし、これといった最適品を見つけることが出来ず、タイムオーバーのため、「日本人の魂」と「日本人的喜び」のみをとり急ぎ揃える事にしたのである。ちなみに買い物に費やすことが出来た時間は15分ほどである・・。

 四国中央市のとある居酒屋にちゃくちゃくとくせのありそうな人たちがぞくぞくと集まってきた。マクドナルドの店員がいる。チャイナドレスのセクシー???コンパニオンもいる。真夏のお盆の時期だというのに、サンタとトナカイも出席していた。

 これには訳があって、これからチリに向けて旅立つタイチローは、クリスマスも正月も、そして自身の誕生日も一緒に祝ってくれる人がいない。それなら、今日この日、全て一緒にまとめて騒いじゃおう!ということで、サンタとトナカイも同席しているのである?(多分?)。

 


 ちなみに、特注で作られたケーキには、

 「HAPPY BIRTHDAY、 MERRY X’S, A HAPPY NEW YEAR」

 
 と書かれたプレートがまたまた特注のカヌークッキーの隣に置かれていた。ケーキ屋さんも、ちょっとびっくりしただろうなあ・・・。

 ・・・・皆、チリに旅立つ彼に、心の中では別れを惜しんでいた。ただ、彼のキャラクター上、しんみりとした送別会などとてもじゃないが似つかわしく、ただただひたすら飲み、笑い、楽しい時間は過ぎていった。


 ワタクシ達は、彼のチリでの身の安全を心配し、彼に『腰の物・日本刀』を、そして会社の先輩であるアサキさんからは『無得体のパンツ』を彼に渡した。これで、彼と、彼の家族の無事を祈るしかない。

 また、ワタクシ達は、彼のチリでの下半身の安心を心配し、彼に『日本人の魂・ふんどし』を彼に渡した。これで、彼と、彼のムスコの無事を祈るしかない? 

 


 そして、お盆だけども正月のお祝いも兼ねるというこの宴会の趣旨に従い、彼に些少だけども『お年玉』を持っていてもらうことにした。

 彼のチリでの楽しい生活が待っていることを、皆、強く願っていたけども、途中から酔っ払ってしまい、ワタクシ自身は前後不覚だった・・・。



☆第4幕


 筋肉痛プラス二日酔い・・・。四国に来ると、必ず毎朝無意識のうちにこうつぶやく・・・。

 「あいたたたたたた・・・、う〜〜〜、気持ち悪い・・・・・。」

 そして、小歩危にチャレンジする日は、必ず、無意識のうちにこうつぶやく・・・。
 
 「あ〜〜〜、行きて帰れるかなあ・・・・。」

 


・森囲いの瀬に突入するバッタ氏のリンクス
 この日の命知らずは、一人艇カヤックに

・ババ ・MIU ・ワタクシ

 一人乗りダッキーに

・バッタ

 ライケンのラフトに

・オーキタ ・ユーキ ・タクマ氏 ・マ○ダさん ・ジュン ・ハマー

という面々であった。水量は推定50t/s、ここにいる全員とまた再会できることを祈るしかない。

 しかし、万が一のときは、お坊さんの免許を持っているタクマ氏に祈ってもらうしかない・・・。

 いつものように、モンベル・WEST WESTにて体内の余分な物質をそぎ落とし、代わりに気合を充填させてフネに乗り込む。ちなみに今回のワタクシのフネは、愛艇・スコーピオンではなく、ピラニア社のマイクロバット。スターンをホールに食われにくいので、前回・前々回のような、全ての瀬でチンをするようなことはないと思われた。

 鉄橋の瀬を乗り越え、やってきたのは長い長〜い森囲いの瀬。瀬のほぼ中心にある核心の大ホールにガチンコ勝負をし、かつ、その約100m下のストッパーホールにもほぼ正面から突入せねばならない。核心大ホールの落差は2m、そのあとの跳ね返りの波は1m以上はゆうにある。


 さくさくと突入していき、ワタクシも、バッタ君に続いて突入。核心大ホールでぐじゃぐじゃになりつつも、ワタクシが目にした景色は!

 核心ホールでチンをしたバッタ君が、流れつつもフネを起こし、また飛び乗っている勇姿だった!!

 ・・・・しかし、そのまた次ぎのホールにやられてしまい、またまたチンをし、上のような写真になってしまったのだが・・・。


 続いて、二段の瀬である。ワタクシ、個人的にはこの瀬にとても相性が悪く、過去二回チャレンジして、4回チンをしている。とにかく、一段目も二段目も、面白いようにフネは引っくり返るのである。そして今回。いつものように、一段目の落込みで即チン。即ロールも、二段目の右岸一杯寄りをコース取りしてしまう結果となり、チン。引っくり返ったまま二段目を落ちていき、落ちたところでロール。そのまま右岸の岩に張り付くように流れていき、結果張り付いてしまい、またチン。ロールのセットをし、水上を見ると、黄色い大きな物体がすぐ近くにある。コマーシャルラフトである。「ここでロールを上げるのって、結構恥ずかしいかも・・・」そう思いつつも、ロール。案の定、上がった目と鼻の先にコマーシャルラフトがおり、8人ほど乗っていたそのクルーの皆さんは、とても温かく拍手喝采で迎えてくれた。ただ一人、ラダーの方だけは、あり得ねえ!って顔をしていたけども・・・。しかしワタクシ、二段しかないこの瀬で、見事に3チン。確かに、ありえない・・・。

 ちなみにワタクシ、二段の瀬が終わり、小さなホールが連続して現れる、不思議な瀬でチンダツ。そのときはたまたま誰も近くにおらず、しかも、果てしなく続く断崖絶壁で、かなりブルーになっていた。一番近くにいたコマーシャルラフトに引き上げてもらって、なんとか事なきを得たのだった・・・。

 小歩危最大落差の瀬、大滝の瀬がやってきた。ここの最大の攻略ポイントは、落差2・5mのバカデカホールにいかに姿勢良く突入できるかということに限る。となると、そのバカデカホールの前の、落差約1mの進入角度が極端に悪い瀬が問題となる。・ババは、お手本どおりに突入。選択したルート、突入の角度等、まさに良い見本であった。つづいて、・MIUが突入。彼は、角度の悪い手前のホールでチンをし、即ロールを試みるも、フネは上流を向いてしまい、バックのまま核心バカデカホールに突っ込んで行った・・・。まさに、悪い例の見本である。

 さて、ワタクシ、頭の中に完全に・ババルートを叩き込み、パドルを握りしてめて突入。しかし、手前のホールでチンをし、即ロールをするもフネは上流を向いてしまい、バックのまま核心バカデカホールに突っ込んで行った・・・。・MIUとおなじように・・・・。


 その大滝の瀬、あまりの落差に、ラフトがサーフィン出来るほど。勿論、腕があれば・・・、の話で、我らが歩危モンラフトは、6人乗りで大滝の核心大ホールに突入し、前の二人を除いて皆落水していたという状況だったのである。 



 ちなみに、左の写真、我らが歩危モンラフトは、6人がかりで大滝の核心ホールに突入した一枚である。特筆すべきは、左下に写っているウレタンマットに乗った命知らず。彼はこのあと、ウレタンマットで核心ホールに突入したのだろうか???

 ともあれ大滝の瀬を乗り越え、いよいよやってきました、小歩危最大の難所、曲り戸の瀬。全長約300m,途中に1mの落差のホール、3mの落差のホール(いわゆる、奈落)、またまた2mの落差のホールという、日本屈指の強烈な瀬である。わたくしなんぞ、スカウティングしているだけで、胃がきりきりと痛む・・・・。ああああ、なんで、こんな怖い目をしてまで、カヤックに乗っているんだろうか・・・・?などと、毎回考え込んでしまうくらいである。いつも、一緒に胃をいためているタクマ氏なんぞ、今回はラフトの余裕をこう語っていた。


 「いやあ、ラフトって、楽しいなあ!気持ちいいなあ!これなら、全ての瀬で落水して、流れ続けてもいいなあ!!

 ・・・・・まったく、カヤックに乗っているときの青い顔とは大違いである・・・。

 しかし、この難所の曲がり戸の瀬、なんと、全員無チンダツにて突破!・MIUがかなり奈落の大岩の真正面に突入したのには驚いたけども・・・・。

 そしてそして、最後にやってきました、小歩危最大のパワーを誇る、鮎戸の瀬。水面なんてぐじゃぐじゃで、何がどうなっているのか分からないけども、この広い大きな大河・吉野川が、この一箇所だけ、急激に細くなり、そして落ち込んでいる。その水の勢いたるや、まるでダムの放水口を思い出させるのである。ただ、ここまでぐじゃぐじゃになっていると、コース取りも何もなく、ただ突っ込むのみである。ラフトが突入し、続いて・ババが突入、即、チン。ロールでリカバリーしたババだが、続く二段目のホールでガッツリ捕まってしまい、人間洗濯機状態に!
 続く・MIUも即チン。二段目でまたチン。そのころ、ババはまだ捕まっている・・・。ワタクシが突入する。ワタクシ自身、即チン・・・と思いきや、奇跡的にまだ沈んでいない。急いで体勢を整え、まだ・ババが捕まっている二段目に挑む。ワタクシから見て、右側に・ババの船底が見える。そのフネを嫌って、大きく左寄りに瀬の正面からガチンコ勝負をしようとしたそのとき!


 ・ババのフネが瞬間移動したかのごとく突然サーフィンしてきて、ワタクシのフネのまん前に平行移動してきた!

 ドカーン!その勢いで・ババのフネは瀬から押し出され、代わりにワタクシがガッツリ捕まって、人間洗濯機の中で心の洗濯をせざるをえなかったのである・・。

 続く・バッタ君もチン。空気の塊?であるダッキーは面白いように浮き、すごい勢いで流れてきたのだった。

 

 この日がカヌー納めになり、3日後には真冬のチリに行かねばならない・ババ。彼は力の限り遊び、漕ぎ、沈み、起き上がり、泳ぎ、また遊び、・・・・・電池が切れるまで川の上の楽園を満喫していた。


 しかし、・ババ。子供じゃないんだから、本当に電池が切れるまで遊ぶなよ!・・・・・最後、力尽きた彼は、ラフトにカヌーごと乗せてぐったりとしてゴール地点にたどり着いていたのである・・。

 たった一日で左のような日焼けの跡が出来た彼は、とても満足そうだった。ワタクシの頭の中には、消費者金融アイフルのCMの最後のセリフがふと頭の中に浮かんだ・・・

 「どうする♪アイフルゥ♪」


 電池切れを起こした・ババに限らず、この日全力でこの川で遊んだ戦士達は、皆良い顔をしていた。最後の乾杯のビール。

 ・ババタイチロー、頑張れ!

 次は、アマゾン川で、君の雄姿が見たいものである。




 ババタイチロー。ちきゅうの裏側で、今日も力の限り遊び、飲み、そしてたまには働き、そしてそして、毎日日本に想いを寄せている君に、心からエールを送りたい。頑張れ!また、行こう、吉野川へ。