ジェイのおかげで敵を討てた。だから、
「ワレを仲間と認めちゃるわ」
モーゼスの言葉を聞いてセネルやノーマは、まだ拘っていたのか、と呆れた表情を作っていた。
差し出された手を見て、どうすべきか一瞬迷った。
素直に手を取るべきだろうか。そう思った時にはもう手が出ていた。
しかし、モーゼスの手を取ることを是としない思考もあり、手を引く。
「なんでぼくがあなたと握手なんてしなくっちゃいけないんですか」
ここで手を取るのは何か違う気がした。
敵を討つ手伝いをしたから。これから共に戦う仲間だから。
彼に認めてもらいたいのは、そのような自分ではないのだ。
1人の、彼を想う人間として認識して欲しい。
そう心の隅で思ってしまったことが和解(?)の握手を拒絶させた。
「カードキーも手に入れたし、先を急ごう」
カッシェルを倒し手に入れた次へ進む鍵を持ち、ウィルが意気込んで封印された扉へ向き合っている。
喧嘩腰になったぼくらを止めるために殴られた頭を抱えながら横にいるモーゼスを見る。
彼もぼく同様頭をさすっている。
少し子供じみた感情であると思う。自分をちゃんと見てくれ、だなんて。
そっと、手を伸ばした。
驚いた顔でこちらを見る彼。
こんな些細なことで、ぼくの想いが通じるなんて思っちゃいない。
でも、ほんの少しは、この手の温かさをもって伝わっていて欲しい。
そう思うのは贅沢だろうか?