意を決した、勇気のいる行動だったんだ。
ちょっとした隙をねらって(といってもモーゼス自身には隙だらけ)、しゃがんでいるモーゼスにそっとキスをした。
まぁ、頬というまだまだな段階だが。
しかしまだ俺の気持ちも伝えていない。
半分くらい「この行動で気づいてくれるんじゃないか」という期待もあっての行動だった。
最悪、拒絶されても仕方ないとも思った。
が、ここまで露骨にいやな顔をされるとどうすればいいのか分からなくなってしまう。
どうやら今後口をきいてもらえなくなることはなさそうな雰囲気だが……。
「モ、モーゼス?」
「ワレら、ワイをストローか何かと思っちょるんじゃなかろぅな」
……ストロー?
理解しがたい答えが返ってきた。
「えっと……それってどういう?」
考えても分からなかったので答えを求めてみた。
「嬢ちゃんもさっき同じとこにちゅーしてきたんじゃ」
嬢ちゃん、っていうことはシャーリィだよな。
……シャーリィがモーゼスの頬にキスをした、だって?
「んでそこにセの字がちゅーしたっちゅーことは、ワレら間接キスでもねらっちょるんじゃろ!?」
え、なにつまり。
シャーリィに先を越されたっていうことか!
「ワイを媒介にしてちゅーしようとすんなっ!」
そうじゃない、そうじゃない!!
俺はモーゼスが好きだからキスしたんだっ!
と、言い訳する暇もなくモーゼスは怒りながらどこかへ去っていってしまった。
追いかける気力もない俺はただ立ちつくすのみ。
俺の勇気を返してくれ。
っていうか、これでまた理想(モーゼスとラブラブ)がまた遠のいた……。
…………シャーリィはこれを狙ってたのだろうか。
それともモーゼスに惚れたのか。
なにはともあれ、最強の壁が目の前に出現したわけだ。
あー、前途多難だ……。